2019年MLBドラフト注目選手：その11（カバコ、ジョーンズ、ボルペ）

（5年前） 2021/1/10 MLBドラフト 0

ここまでで取り上げたプロスペクト

2019年MLBドラフト注目選手：その１（ラッチマン、ヴォーン、ウィット Jr.）

2019年MLBドラフト注目選手：その２（エイブラムス、グリーン、キャロル）

2019年MLBドラフト注目選手：その３（ビショップ、ブレデイ、ロドロ）

2019年MLBドラフト注目選手：その４（ストット、マノア、マローン）

2019年MLBドラフト注目選手：その５（アラン、ユング、トンンプソン）

2019年MLBドラフト注目選手：その６（ラトリッジ、ラングリアーズ、マイズナー）

2019年MLBドラフト注目選手：その７（ベイティ、エスピーノ、プリースター）

2019年MLBドラフト注目選手：その８（カービー、デビッドソン、ウィルソン）

2019年MLBドラフト注目選手：その９（ヘンダーソン、ゴス、ブッシュ）

2019年MLBドラフト注目選手：その10（ライター、ホージー、キャリハン）

 

その１
アドリー・ラッチマン
アンドリュー・ヴォーン
ボビー・ウィットJr.

その２
C.J・エイブラムス
ライリー・グリーン
コービン・キャロル

その３
ハンター・ビショップ
JJ・ブレデイ
ニック・ロドロ

その４
ブライソン・ストット
アレック・マノア
ブレナン・マローン

その５
マシュー・アラン
ジョシュ・ユング
ザック・トンプソン

その６
ジャクソン・ラトリッジ
シェイ・ラングリアーズ
カメロン・マイズナー

その７
ブレット・ベイティ
ダニエル・エスピーノ
クイン・プリースター

その８
ジョージ・カービー
ローガン・デビッドソン
ウィリー・ウィルソン

その９
ガンナー・ヘンダーソン
JJ・ゴス
マイケル・ブッシュ

その１０
ジャック・ライター
コディ・ホージー
タイラー・キャリハン

 

各サイトの2019年MLBドラフト・プロスペクトランキング

 

 

 

キオニ・カバコ

Keoni Cavaco
18歳：183㎝・84㎏：右投右打：3B：イーストレイク高
予想指名順位：15位前後

各ランキング 順位
ベースボールアメリカ 31
MLB.com 28
Fangraphs 23

昨年の夏時点では評価されておらずショーケースへの出場経験も小。しかし昨年の冬から評価が急上昇し、とりわけドラフト直前の数ヶ月で一気にアップ。恐らく今ドラフトクラスにおいてここ数ヶ月で最も評価を挙げた選手で、今では全体15位前後での指名が予想されています。

ここまで紹介してきた高校生野手の多くが19歳前後ですがこのカバコは明後日が18歳の誕生日（ガンナー・ヘンダーソンもこの6月で18歳）。このように遅生まれであることがブレイクの遅延に大きく影響したのでしょうし大きな魅力。

数週間ほど前まではヤンキースの指名候補とも噂されていましたがヤンキースの指名順位（全体30位）までは残っていないでしょうね。

184cm・84kgと体格こそイマイチなものの高校生トップクラスのスイングスピードの持ち主。素早い腰の回転からスイングスピードを捻りだす辺りは高校生時代のクリント・フレイジャーを彷彿とさせます。

このスイングスピードとアッパー気味のスイング軌道のおかげでパワーは一流ですが、コンタクト（バットコントロール）には疑問符が。高校の試合でも対戦相手のレベルのわりに度々酷い空振りを見せているようです。

そもそもショーケースへの参加機会が少ないため高レベルな投手との対戦経験が少なく、最近になって注目された選手なのでトラックレコードも少なめ。こういうタイプの選手に（最近ならオースティン・ベック）様々な対戦相手・場面・木製バットへの修正力・適応力にも不安が生まれるのは致し方ないことなんですけどね。

投手として最速94マイルを計測するほどの強肩と平均以上のスピードの持ち主。

守備時の動きもスムーズでプロレベルでもサードに留まることができるはず。強肩で足も速いので場合によってはライトを守らせるのも面白いかも。

 

グレッグ・ジョーンズ

Greg Jones
21歳：188㎝・86㎏：右投両打：SS：ノースカロライナ・ウィルミントン大学
予想指名順位：20位～29位

各ランキング 順位
ベースボールアメリカ 51
MLB.com 48
Fangraphs 33

高い身体能力を誇るアスリートタイプのプロスペクト。2017年のドラフト・プロスペクトランキングではベースボールアメリカから75位、MLB.comから84位、Fangraphsから77位と概ね3巡目クラスの評価を受けていましたが、2年生短期大学であるノースカロライナ・ウィルミントン大学に進学。

ウィルミントン大では今年の3月まで微妙な成績が続いていましたが4月に入ると一気に成績が伸び、先ほど紹介したキオニ・カバコと同様にドラフト直前になって大きく評価を上げてきています。

大学生でもトップクラスの身体能力を誇り、一番のウリは圧倒的なスピード（走塁）。多くのメディアから70～80評価を受けており、ベースボールアメリカによるとあるスカウトは「生で見た中では最高のランナー」と評したとのこと。今シーズンは61試合で40盗塁（10盗塁死）を記録しています。

その俊足はショート守備でも活かされるべきなんでしょうが、そのショート守備の評価は低め。打球への反応速度やステップの取り方、送球のコントロールに疑問符が付けられており、俊足をより活かすことからセンターへのコンバートがよりベターな選択だと言われています。

MLBの歴代盗塁王にはビンス・コールマンやモーリー・ウィリス、オーティス・ニクソン、ウィリー・ウィルソンのようにスイッチヒッターが多いわけですがこのジョーンズもスイッチヒッター。俊足のおかげで高いBABIPを記録。

スイッチヒッターのわりに元々のパワーは平均レベルでスイングスピードもまずまずですが、試合ではそのパワーを発揮できていない現状。ISOや長打率も高めですが長打性の当たりを打っているというよりは、俊足により二塁打や三塁打を稼いでいるといった感じ。細身ですから筋力を付ければ大幅なパワーアップを期待できそうですが、そうすればスピードが落ちるよね～。

また、高校時代からコンタクトスキル＆アプローチ不安があり実際に昨シーズンは対戦相手のレベルが低いにも関わらず三振率24.7％を記録。ケープコッド・リーグでも酷い成績でした。ただ、今シーズンは14.6％まで向上しており四球＞三振に。

 

アンソニー・ボルペ

Anthony Volpe
18歳：180㎝・82㎏：右投右打：SS：デルバートン高
予想指名順位：26位～40位

各ランキング 順位
ベースボールアメリカ 52
MLB.com 63
Fangraphs 27

その10で紹介したジャック・ライターのチームメイト。

キオニ・カバコのように今年の4月で18歳になったばかりと遅生まれで若い選手ですが昨年はU-18のアメリカ代表に選出。

今年に入るとNHSI（National High School Invitational）においてトップクラスのパフォーマンスを見せ評価が上昇。最近のドラフト予想では全体20位程度でチラホラ名前を見かけるようになりました。

高校生内野手の指名が有力視されているヤンキースの指名候補としてこれまで紹介してきたブレット・ベイティ、ガンナー・ヘンダーソン、タイラー・キャリハン、キオニ・カバコらと共に名前が挙がってた選手でもあります。

4月～5月の成績は78打数・打率.500（39安打）・7本塁打。

完成されたバッティングフォームの持ち主ですが体格に恵まれていないためパワーの評価は低め。しかし、高い野球IQによる優れたアプローチと年齢のわりに成熟したバットコントロールは一定の評価を受けており、レベルの高い投手相手や木製バットでも好成績を残したことは好印象。映像を見た限りではライナー性の打球を広角に打ち分けるスプレーヒッターのよう。

走力と肩の強さも平均以上の評価を受けており、ショート守備は高校生の中でも上位。プロレベルでもショートに留まることができるはず。

先程も述べたように野球IQが高く、同様にリーダーシップ、メイクアップ、プレー態度も賞賛されています。

しかし、ジャック・ライターと同様にヴァンダービルド大学進学の意思が強く、契約金300万～400万ドル程度を要求していると言われています。正直なところその契約金に見合うレベルのプロスぺクトではないと思いますが・・・。