2019年MLBドラフト注目選手:その5(アラン、ユング、トンンプソン)


ここまでで取り上げたプロスペクト

2019年MLBドラフト注目選手:その1(ラッチマン、ヴォーン、ウィット Jr.)

2019年MLBドラフト注目選手:その2(エイブラムス、グリーン、キャロル)

2019年MLBドラフト注目選手:その3(ビショップ、ブレデイ、ロドロ)

2019年MLBドラフト注目選手:その4(ストット、マノア、マローン)

その1
アドリー・ラッチマン
アンドリュー・ヴォーン
ボビー・ウィットJr.

その2
C.J・エイブラムス
ライリー・グリーン
コービン・キャロル

その3
ハンター・ビショップ
JJ・ブレデイ
ニック・ロドロ

その4
ブライソン・ストット
アレック・マノア
ブレナン・マローン


各サイトの2019年MLBドラフト・プロスペクトランキング

MLB.comは5月に入ってランキングを大幅に更新しています。


今回の記事(その5)では個人的にはあまり好きでないドラフト上位指名候補についてちゃちゃっと書こうかと。




マシュー・アラン

Matthew Allan
18歳:191㎝・95㎏:右投右打:RHP:セミノール高
予想指名順位:11位18位

各ランキング 順位
ベースボールアメリカ 16
MLB.com 13
Fangraphs 18

その4で紹介したブレナン・マローンと並ぶ高校生No.1投手候補の一角。マローンとは対照的に昨年春時点ではそれほど注目されていませんでしたが、夏のショーケースからパフォーマンスが話題となりトップクラスの高校生投手に。今シーズンに入っても好パフォーマンスを残し続けており評価は上昇する一方です。

強靭な下半身とオーバースローから投げ込まれるフォーシーム(ツーシーム?)は最速98マイル・常時93~95マイルを計測。ストライクゾーンには集まるものの高低のコマンドはイマイチ。高校生クラスならこの球威とコマンドで簡単に抑えられるでしょうが、プロレベルなら速球のコマンド向上は必要不可欠でしょう。

70マイル台のカーブはプラスピッチと評価されており高校生No.1クラスとの声も。ただ、速球と同じようにコマンドには欠ける印象。第2の変化球であるチェンジアップは80マイル台後半を計測しており平均以上のポテンシャルを秘めます。

ここまでコマンドに欠点があると書いてきましたが、一部の話では今シーズンに入ってコマンドが向上しているそう。今シーズンにおける動画が非常に少ない選手なので本当かどうか確かめることはできませんが。

2000年4月生まれと遅生まれであることも大きな魅力で、最近の勢い・成長と今ドラフトクラスにおける高校生&大学生の投手の不作を考えれば全体10位内の指名もありえるかもしれません。

(評価の割には注目度と情報量が少なくこれ以上書けることがありません。あんまり好きじゃないし。)


ジョシュ・ユング

Josh Jung
21歳:188㎝・98㎏:右投右打:3B:テキサス工科大
予想指名順位:10位20位

各ランキング 順位
ベースボールアメリカ 17
MLB.com 16
Fangraphs 12

高校時代はそこまで評価の高い選手ではなかったものの1年目(2017年)から好成績を残しフレッシュマン(1年生)ベストナインに選ばれ、2018年(2年目)には65試合で打率.392・OPS1.130・12本塁打・103安打・39四球(32三振)を記録し大学野球アメリカ代表にも選ばれました。

ただ、今シーズンは昨シーズンよりも少し成績を落としており少し評価も下落。全体10位台での指名が予想されています。

高いレッグキックとシンプルなバッティングフォームからプラスのバットスピードを誇りバットコントロール、選球眼、パワー、アプローチをバランスよく兼ね備えたドラフト候補生としてリスクの小さな打者。2017年の夏季リーグでも木製バットで好成績を残していて、プロレベルで打率.280・20本塁打・OPS.850~.900程度を残すタイプの選手かな。

先程も述べたように今シーズンは昨シーズンよりも成績を落としてしるのが気になるところですが、ここ9試合で4本塁打&マルチ安打を5度記録するなど復調気味。

走力が平均未満のためか守備では高校時代からサードをプレー。肩の強さから守備範囲まで評価は分かれていますが、とりあえずプロレベルでもサードをプレーできそう。また、4月に入ってからテキサス工科大はユングを(サードからコンバートさせて)ショートを中心に起用しています。

やっぱり個人的には好きじゃないわ。


ザック・トンプソン

Zach Thompson
21歳:191㎝・102㎏:左投左打:RHP:ケンタッキー大
予想指名順位:10位20位

各ランキング 順位
ベースボールアメリカ 11
MLB.com 14
Fangraphs 15

高校時代は通算で23勝2敗・185.2回・防御率0.98・405奪三振を記録。Perfect Gameによる高校生投手ランキングで全米第135位にランクインし5巡目程度での指名も狙えましたが、肩の故障に関する懸念と大学進学の意志が強かったことによりレイズに11巡目で指名されることとなりました。

レイズの指名を蹴ってケンタッキー大に進むと1年目から(リリーフ登板を挟んでいたものの)高い奪三振率(11.4)を記録し各メディアのフレッシュマン(1年生)ベストナイン(オール・アメリカンチーム)に選出。2年目は1年目を上回る奪三振率(12.2)を記録していたものの肘の故障によりシーズン半休となりました。

2018年夏に大学野球アメリカ代表として故障から無事復帰すると、今シーズンは11先発で71.2回・防御率1.88・WHIP0.96・奪三振率12.8・被本塁打1と素晴らしいピッチングを続けています。

スリークォーターのクロスデリバリーから投じられる速球は最速97マイル・平均90マイル台前半の速球はそれほど評価されていませんが、変化球はスライダー、カーブ、チェンジアップの3種類を投げ分けます。とりわけ80マイル台前半の決め球スライダーは高い奪三振率の源に。カーブとチェンジアップも平均以上の評価を受けており、変化球の質・レパートリーは大学生投手トップクラス。

コマンド&コントロールの悪さは大きなマイナスポイントであり2017年~2018年の四球率は4.9。大学野球の代表戦でも8.2回を防御率0.00・被安打3に抑えましたが四球は5つ与えています。しかし、投球フォーム自体は安定しておりて今シーズンは四球率3.0を記録しているなどコマンド&コントロールにいて大きな向上を見せている模様。

過去の制球難と故障歴というマイナスポイントをMLBスカウトがどのように評価するかは分かりませんが、多くのメディアのドラフト予想では全体10位~15位の範囲で指名されると予想されています。