ベック・ウェイ:ヤンキース・4巡目(2020年MLBドラフト)

2020年MLBドラフトにおいて、2巡目&5巡目指名を持たないニューヨーク・ヤンキースは4巡目(全体129位、ヤンキースとしては3度目の指名)において、ノースウェスト・フロリダ州立短期大学に通う右投手ベック・ウェイを指名しました。


2020年MLBドラフト注目選手:まとめ

オースティン・ウェルズ:1巡目

トレバー・ハウバー:3巡目


ベック・ウェイ

Beck Way
20歳11か月:193㎝・91㎏:右投右打:SP
ノースウェスト・フロリダ州立短期大学:2年生

メディア 順位
Baseball America 84位
MLB.com 95位
FanGraphs 78位

高校時代(ペンシルベニア州)は無名で最終年度に26.2イニングで18四球を記録していることから制球難に苦しんでいた様子。打者としても高い打率を残していたものの190cm越えの体格とは対照的にシングルヒットばかりのアへ単。強豪大学からのオファーもな無かったのか高校卒業後はNCAA2部に所属する弱小無名校ベルモント・アビー大学(ノースカロライナ州)に進学します。

ベルモント・アビー大初年度となった2018年はリリーフとして起用を受けレベルの低い選手たち相手にカンファレンス平均レベルの成績を記録。

しかし2019年にフロリダ州のノースウェスト・フロリダ州立短期大学に移籍。夏のケープコッド・リーグでは13.2イニングを投げ四球率7.2、WHIP1.829と苦しんだものの計18三振を奪うなど印象を残し、11月には2020年の強豪ルイジアナ州立大学入学(転校)も決定していました。

しかしながらウェイの成長は止まらず、ルイジアナ州立大学移籍前の最後のシーズンとなるはずだった今年は先発投手として開幕から圧倒的なパフォーマンスを披露。短期大学リーグなので全体的なレベル低いわけですが7先発で防御率0.67、奪三振率13.1、四球率2.1という数字は、ドラフト上位指名を受けるのに十分な数字。

日付 投球回 失点 被安打 奪三振 四球
1/31 4.0 0 2 7 0
2/7 4.0 0 0 6 0
2/13 7.0 1 5 11 1
2/22 7.0 1 4 6 1
2/29 6.0 1 3 8 3
3/7 7.0 1 3 13 2
3/12 5.0 1 0 7 2
合計 40.0 5 17 58 9

ネット上にプレー動画は3本しかなくまともな投球動画は皆無なので詳しいことは分かりようがありませんが、リリースポイントの低いスリークォーターから最速97マイル・平均93マイル前後のフォーシームとBaseball Americaからプラスピッチと評される80マイル台中盤のチェンジアップ、80マイル台前半のスライダー、90マイル前後のカットボールを投げ分けるとのこと。

上記のようにBaseball Americaはチェンジアップ決め球としてますが、反対にMLB.comはスライダーが武器だと評していたり、The Athleticのキース・ロウは3種の平均以上の変化rを持つとも書いているなど評価がまちまち。動画等を見た感じではカットボールが良さげ。

現在ヤンキースのマイナーに所属するジャスティン・ウィルソンがこのウェイと同じトレーニング施設&プログラムを利用しているようですが、彼のツイートによると最近の練習で95~97マイルを連発しカットボールは92マイルを計測していたようですね。

投球フォームとリリースポイントの再現性が悪く長年制球難を大きな課題としてきた選手のはずですが、今シーズンに入りコマンド&コントロールが大きく向上。

先発投手としてのトラックレコードが少なくリリーフ向きの投手ではあるものの、変化球のバリエーションとコマンドの向上力を考えると先発投手としてワンチャンあるかも。



ルイジアナ州立大への進学も決まり本来なら3巡目クラスの評価を受けていた選手なだけにボーナススロット以上の契約金が必要なのは確か。ただ、ヤンキースは1巡目と3巡目で4年制大学生をプロスペクト評価以上の順位で指名しているので、そこで契約金を抑えウェイに捻出することは十分に可能。