21世紀の世界最強馬ランキングTop10




10位:ザルカヴァ

牝馬:フランス:2007~2008:8戦8勝:G1・5勝
調教師 アラン・ドゥロワイエデュプレ:主戦騎手 クリストフ・スミヨン
ベストレース:2013年・凱旋門賞

公式レーティング 128
タイムフォーム 132
レーシング・ポスト 129

モンジューの引退後、真のスターホースに恵まれなかった欧州中距離路線に颯爽と現れた歴史的名牝。

前ページでも記したように後の名馬ゴルディコヴァを相手に仏1000ギニーと仏オークスで完勝を収めると、ヴェルメイユ賞では後のG1・3勝馬ダーレミを相手に最後方から差し切り勝ち。

そして凱旋門賞では単勝倍率2.75倍の1番人気に押されると、最後の直線で内後方から馬群を無理やり押しのけながら抜け出し2馬身の差を付ける完勝。

世界牝馬時代の幕開けを飾る衝撃的なパフォーマンスでした。

マイナスポント

①3歳での引退

種牡馬となる金銭的メリットの少ない牝馬にもかかわらず馬主のアガ・カーン殿下はあっさりと引退を決め繁殖入り。

その後の多くの名牝が頂点を極めた後も現役を続行したことを考えると、ザルカヴァの3歳での引退は引っ掛かります。

ただ、サンクルー大賞を制したザラックを産み落とすなど繁殖牝馬として成功していることも考えると、一概にマイナスポントとは言えないのかもしれません。

②ロンシャン専

通算8勝の内ロンシャン競馬場以外での勝利はシャンティイの仏オークスのみで、左回りの経験が無いまま引退。

距離に関しては1600m~2400mで満遍なく活躍したとはいえ、流石にロンシャンに偏りすぎでしょうよ。


9位:アロゲート

牡馬:アメリカ:2016~2017:11戦7勝:G1・4勝
調教師 ボブ・バファート:主戦騎手 マイク・スミス
ベストレース:2016年・BCクラシック

公式レーティング 134
タイムフォーム 139
レーシング・ポスト 136

”最強馬”としてアメリカ競馬界に君臨した期間こそ短かったものの、大きなストライドから生み出される空を翔けるような走りを武器にBCクラシック→ペガサスWC→ドバイWCと超高額賞金レースを3連勝。

さらに、古馬最強馬としてアメリカンファラオ引退後のアメリカン競馬界にて向かうところ敵なし状態だったカリフォルニアクロームや後に同じく古馬最強馬となるガンランナーを複数回破るなど対戦相手の質も非の付け所はなし。べイヤー指数などのスピード指数や走破タイムも優秀で、一時的な強さだけならアメリカンファラオすら上回っていた可能性は十分。

アメリカンファラオを始めとする数々の名馬を手掛けたボブ・バファートが「セクレタリアト以来では最も偉大な競走馬」と称しましたが、ドバイWC後における原因不明の急速な弱体化が無くあと1年でも力をキープしていれば、セクレタリアトやマンノウォーほどとは言わないもののサイテーションやケルソ、シアトルスルーと並び称される歴史的名馬になっていたかもしれませんね。

マイナスポント

①活躍期間&出走ローテ

この馬がトップレースで力を見せたのは2016年トラヴァースSから2017年ドバイWCまでのたった7ヵ月間&4レースのみ。

さらにクラシックレースに出走することがなかった(間に合わなかった)こともありアメリカ特有のタフなスケジュールで出走しておらず、その点に関しては恵まれていました。

とは言っても、3歳で凱旋門賞を制覇してそのまま引退するような欧州の一流馬の方が活躍期間は短かったりするんですけどね。


8位:ゼニヤッタ

牝馬:アメリカ:2007~2010:20戦19勝:G1・13勝
調教師 ジョン・シレフス:主戦騎手 マイク・スミス
ベストレース:2009年・BCクラシック

公式レーティング 128
タイムフォーム 131
レーシング・ポスト 128

オールウェザーの牝馬限定線路線を突き進み13戦無敗のまま2009年のBCクラシックに挑戦。オールウェザー開催ということもありダートだけでなくジオポンティ、トワイスオーバー、リップヴァンウィンクルなど芝の強豪馬も集まりハイレベルなメンバーとなりましたが、男馬と初対戦のゼニヤッタは270mと短いサンタアニタの直線で前が詰まりながらも上がり2ハロン23.0秒の驚異的な末脚で差し切り勝ち。逃げ・先行が圧倒的有利なアメリカ競馬において史上稀に見るパフォーマンスでした。

その後は牝馬限定戦を走り連勝記録を19まで伸ばしたものの、2連覇を賭けた2010年のBCクラシックで鞍上マイク・スミスの騎乗ミスによりクビ差の2着に敗れ引退。ミスター・ブリーダーズカップとか呼ばれてるくせに何やってんだよ、ホント😡

とは言え、牡馬相手の勝利は2009年BCクラシックだけに終わったものの今ではラフィアン、アゼリ、レディーズシークレットらを抑えアメリカ史上最強牝馬と称されています。

マイナスポント

①オールウェザー

計19勝の内17勝がオールウェザーでの勝利。ダートでの2勝が圧勝だったとはいえ競走体系が確立されていなかったオールウェザーで積み重ねたゼニヤッタの実績は他の名馬がダートで残した実績よりも劣るものと捉えるべきかと。2009年のBCクラシックはサンタアニタ開催だったためオールウェザーにて行われたことでゼニヤッタが運に恵まれた感は否めず、実際にダート開催となった2010年のBCクラシックは敗れてるもんね。(BCクラシックがオールウェザーで行われたのはサンタアニタで開催された2008年と2009年のたった2回のみ)

てか、そもそもオールウェザーが好きな競馬ファンっているの?

②レイチェルアレクサンドラとの対戦

2009年にケンタッキーオークスで20馬身勝利、マザーグースSで19馬身勝利を収め牝馬としては85年ぶりのプリークネスS制覇を成し遂げたもう一頭の最強牝馬レイチェルアレクサンドラとは何度も対戦やマッチレースが企画されるも対戦は叶わず。

まあこの2頭の対戦が実現しなかったのは、どちらかと言えばレイチェルアレクサンドラ側のせいなんだけども。

 


7位:トレヴ

牝馬:フランス:2013~2015:13戦9勝:G1・6勝
調教師 クリスチャン・ヘッドマーレック:主戦騎手 ティエリ・ジャルネ
ベストレース:2013年・凱旋門賞

公式レーティング 130
タイムフォーム 134
レーシング・ポスト 131

1歳時のセリで買い手が付かず2万2000ユーロ(250万円)の主取りとなるなど何の期待もされていませんでしたが、フランスオークスでレースレコードを2.1秒も更新するなどザルカヴァの再来として2013年凱旋門賞では1番人気のオルフェーヴルの対抗馬に。

さらに凱旋門賞本番では、最後の直線で馬なりのまま先頭に立ち鞍上ジャルネが残り400mでゴーサインを出すと、上り2ハロン22.9秒の末脚でオルフェーヴルを5馬身突き放し圧勝。この年の凱旋門賞は重馬場開催だったわけで、馬場悪のロンシャンを上り2ハロン22.9秒で走る馬に流石のオルフェーヴルでも敵うわけがありません。

2014年は無敗のまま終えた2013年と対照的に3戦全敗のまま凱旋門賞に出走。ハープスターやジャスタウェイを下回る6番人気に終わるなど期待度は低く私も完全に終わった馬だと思っていましたが、ジャルネの好騎乗もありアレッジド以来35年ぶりの連覇を達成。

さらに、2015年は反対に凱旋門賞までの3戦全てで圧勝を見せ”史上初の3連覇待ったなし”のはずでした。しかし、スタート直後に鞍上のジャルネが馬群に包まれることを嫌がり大外に持ち出すとこれが大きな仇に。前に壁が無くなったトレヴはレース道中で終始折り合いを欠いてしまい、最後の直線でも過去2年で披露した鬼脚を見せることはありませんでした。もしジャルネが内のままで競馬を進めるような賭けに出ていれば、勝ち馬のゴールデンホーンと接戦を演じていたことでしょう。

マイナスポント

①限られたコースでの勝利

凱旋門賞で世界の強豪馬に対し力を見せたとはいえ、5歳まで現役を続けたにもかかわらず勝利を収めた競馬場はロンシャン、シャンティティ、 サンクルーのたった3つだけ。また、距離に関しても重賞レースに限れば2100m戦と2400m戦でしか走ることはありませんでした。


6位:ブラックキャビア

牝馬:オーストラリア:2009~2013:25戦25勝:G1・15勝
調教師 ピーター・ムーディ:主戦騎手 ルーク・レノン
ベストレース:2011年・ニューマーケットハンデ

公式レーティング 132
タイムフォーム 134
レーシング・ポスト 130

私はレベルが低いくせに賞金額の高い国内レースにかまけて海外に挑戦しないオーストラリア競馬会が嫌いなのですが、世界競馬史に残る名スプリンターである同馬までもを否定することはできませんでした。

特に6歳で英アスコットの ダイアモンドジュビリーSに挑戦した点は👍。1300m未満を走るのはこのレースが最初で最後となったムーンライトクラウド相手に鼻差の辛勝と内容こそ大したことはなかったものの、内からの追い込み馬2頭を認識していなかった主戦騎手ノレンの怠慢騎乗やレース後の故障発覚など弁解理由のオマケ付きでしたね。

マイナスポント

①海外馬との対戦

当初はダイアモンドジュビリーS後も欧州に残りジュライカップやナンソープSに出走する予定だったんでしょうが、故障によりオーストラリアに帰っるとそのまま引退まで芋り続けました。まあ元々スぺ体質で550kgを超えるような巨躯ですから、一度でもイギリスに渡っただけで良しとするべきなのでしょう。

だって海外馬への挑戦、強豪馬との対戦については次の5位の馬がブラックキャビア以上の芋りっぷりを見せたもの。