ギャレット・クロシェ:新たなるMLB最速左腕の誕生

NHKの「松田聖子スペシャル 風に向かって歌い続けた40年」の放送(9月22日)を完全に忘れていました。今のところ再放送の予定もないそうです。

そもそもデビュー1・2年目の一重の聖子ちゃんが好きなのであって今のヒアルロン酸マシマシ整形オバケには大して興味はありませんが、某日ハムOBが偉そうに解説者を務めているMLB中継や大して可愛くない女性キャスターがチヤホヤされてるだけのワースポMLBなんか放送する暇があるならそっちを再放送しろよと。

あと、言っておきますけど私は皆さん貧乏人とは違って受信料を支払っているのでNHKにいくらでも文句を言う権利があります。それにMLB.TVだけでなくNHKを通してもMLBに金を落としている私は紛れもなく上級MLB民ですね。

前置き終わり。


MLB年度別最高球速Top5:2020年度を反映済み

MLB年度別平均球速Top3

MLB年度別先発投手平均球速Top3

各年代のMLB(アメリカ野球)最速投手


2010年のMLBデビュー戦で最速103マイルを計測して以来約10年間にも渡ってアロルディス・チャップマンが絶対的なMLB最速左腕として君臨してきました。しかしながら、今シーズンはコロナ感染により開幕に出遅れると復帰後も衰えは隠せず、フォーシームの球速は全盛期から程遠い最速101.3・平均97.6マイルまで下落。さらに、チャップマンに次ぐMLB史上2人目の102マイル超左腕であるフェリペ・バスケスが児童性犯罪者に成り下がりました。

さらに、左腕だけでなく右腕においてもジョーダン・ヒックスとアンドレ・ムニョスがトミー・ジョン手術により全休、タイロン・ゲレーロがMLBロースター外に、大谷翔平はトミー・ジョン手術からの復帰に大失敗、マイケル・コペックはシーズン参加を拒否するなどもう滅茶苦茶。

10年前にチャップマンがデビュー若干1ヶ月で105.1マイルを計測した時には「10年後には100マイル後半を投げるピッチャーが何人も現れるんだろうな」とワクワクしたものですが、結果として2020年にもなって102マイル以上を計測したのがジョシュ・ストーモント(最速102.2マイル)だけ。私の夢と希望は儚く散ったわけですよ。

そんな中で先週MLBデビューを果たすと100マイル超を連発し、チャップマンからMLB最速左腕の座を奪ったのが今回取り上げるギャレット・クロシェです。

↓9月17日のMLBデビュー戦(最速101.5マイル)

実はクロシェを当ブログにて取り上げるのは今回が初めてではありません。何故ならばクロシェは今年のMLBドラフトにおいてホワイトソックスに全体11位指名されたばかり、マイナリーグ未経験の正真正銘のプロ1年目。上位指名候補だったこともあり「2020年MLBドラフト注目選手」にて3か月前にプロフィールを記したばかりです。ということでMLBデビューまでの経歴については省略。

日付 球数
(速球のみ)
最速
(マイル)
平均
(マイル)
9/17 9 101.5 100.4
9/19 13 101.4 99.9
9/21 18 101.5 100.3
合計 40 101.5 100.2

上記動画のデビュー戦も含めここまで3試合に登板。基本的にルーキー投手は気合が入るためかデビュー戦だけ極端に球速が良かったりするのですが、クロシェは3試合ともで101.4マイル以上を計測。フォーシーム全40球のうち24球が100マイル以上を計測し、平均100マイル以上を記録しているのはMLB全体でもクロシェだけとなっています。

そして、Pitch F/Xの本運用が始まった2008年以降に最速101.5マイル以上を記録した左腕は前述のアロルディス・チャップマン、フェリペ・バスケスに加えホセ・アルバラードと現中日所属のエニー・ロメロのみ。二人とも最速はクロシェと同じ101.5マイルですがアルバラドはたった1回、ロメロもたった2回しか101.0マイル以上を記録しておらず、毎登板のように101マイル以上を記録しているクロシェと同格に扱うのは無理があるでしょう。

MLBにおける左投手の最速記録

選手名 球速
(マイル)
年度
アロルディス・チャップマン 105.1 2010
2016
フェリペ・バスケス 102.6 2017
ランディ・ジョンソン 102 2004
ギャレット・クロシェ 101.5 2020
エニー・ロメロ 101.5 2017
ホセ・アルバラード 101.5 2019
ジェームズ・パクストン 101.2 2016
クリス・セール 101.0 2010
ジェイク・ディークマン 101.0 2015
ビリー・ワグナー 101 2003

(チャップマン以外は~2007年はスピードガン、2008年~2016年はPitch F/X、2017年~はStatcastの計測結果。また、Pitch F/XはBaseball Savantによるリリースポイント球速補正後の値。)


2019年上半期に最速97マイル、下半期に最速100マイル、そして今年9月に最速101.5マイルとハイペースで球速が向上しているだけに、今シーズン中ならずとも将来的に102マイル超を期待したいところ。

ただ、大卒1巡目指名・マイナリーグ飛び級でのMLBデビュー・左投げの変則左腕・リリーフとして剛速球を連発・ホワイトソックス所属と言えば2010年デビューのクリス・セールにそっくり。そのセールは1年目にリリーフとして100マイル以上を計測した後に2年間から先発に転向(復帰)したわけですが、結局のところ先発として100マイル以上を計測したのは2018年シーズンの約1か月間ほどだけ。

クロシェも来シーズン以降は先発起用を受ける可能性が高く、先発で今のような球速を維持することは不可能ですから、セールのように球速だけなら1年目がベストイヤーになる可能性も。それに今にでも肘が吹っ飛びそうなW字型フォームの故障リスクが高いのは明らかで選手寿命も短いはず。

クロシェでシコるのなら今のうちかもしれませんね。