マイク・ムッシーナと殿堂入り

1月22日に結果が発表される2019年度アメリカ野球殿堂投票。(記者投票で得票率75%を超えると殿堂入り)

引退から5年を経て今回から投票対象となる注目選手は、

マリアーノ・リベラ
ロイ・ハラディ
アンディ・ペティット
トッド・ヘルトン
ロイ・オズワルト
ランス・バーグマン

さらに投票2年目以降となる注目選手は、
(2018年度の得票率、2019年での年数)

エドガー・マルチネス(70.4%、10年)
マイク・ムッシーナ(63.5%、6年)
ロジャー・クレメンス(57.3%、7年)
バリー・ボンズ(56.4%、7年)
カート・シリング(51.2%、7年)
オマー・ビスケル(37.0%、2年)
ラリー・ウォーカー(34.1%、9年)
マニー・ラミレス(22.0%、3年)
ビリー・ワグナー(11.1%、4年)
スコット・ローレン(10.2%、7年)

当然のことですがマリアーノ・リベラの殿堂入りは間違いなし。また、これまで得票率70%以上75%未満を獲得した選手は20人いますがそのうち19人は翌年の投票で殿堂入り。マルチネスは今年が投票対象最終年となりますが、昨年の得票率を考えるとリベラと同じく殿堂入りは間違いないでしょう。

加えて、確実とまでは言えませんがロイ・ハラディの殿堂入りも非常に有力的。MLB定着が遅く引退が早かったために積み上げ系の成績は微妙ですが、全盛期10年間の傑出度は殿堂入りに十分値する数字。言い方が悪いかもしれませんが去年の11月に急逝したことも大きく影響すると予想されます。

次に、2019年度での殿堂入りは厳しいものの将来の殿堂入りが期待できる選手はロジャー・クレメンス、バリー・ボンズ、カート・シリングの3人のみ。

そして、2019年度での殿堂入りが一番微妙な選手がマイク・ムッシーナ。同じような得票率の選手は最近ではリッチー・ゴセージ、ジム・ライス、バート・ブライレブン、バリー・ラーキン、マイク・ピアッツァがいましたが翌年度に殿堂入りしたのはラーキンのみ。また、ラーキンが殿堂入りした2012年に殿堂入りしたのはラーキンだけで、投票対象初年度選手のうち10%以上を獲得したのはゼロという不作の年でした。今年はリベラ、ハラディという二人の有力投手がいることを考えると75%にはわずかに届かないと思われます。

しかし、ムッシーナは本当なら初年度で殿堂入りしていてもおかしくなかったほどの選手。今回の記事ではこのムッシーナがなぜ殿堂入りに相応しいのか書きたいと思います。



Standard Pitching
Year Age Tm W L ERA G GS CG SHO IP H HR BB SO BF ERA+ FIP WHIP H9 HR9 BB9 SO9 SO/W Awards
1991 22 BAL 4 5 2.87 12 12 2 0 87.2 77 7 21 52 349 139 3.46 1.118 7.9 0.7 2.2 5.3 2.48  
1992 23 BAL 18 5 2.54 32 32 8 4 241.0 212 16 48 130 957 157 3.19 1.079 7.9 0.6 1.8 4.9 2.71 AS,CYA-4,MVP-21
1993 24 BAL 14 6 4.46 25 25 3 2 167.2 163 20 44 117 693 100 3.98 1.235 8.7 1.1 2.4 6.3 2.66 AS
1994 25 BAL 16 5 3.06 24 24 3 0 176.1 163 19 42 99 712 164 4.14 1.163 8.3 1.0 2.1 5.1 2.36 AS,CYA-4,MVP-20
1995 26 BAL 19 9 3.29 32 32 7 4 221.2 187 24 50 158 882 145 3.78 1.069 7.6 1.0 2.0 6.4 3.16 CYA-5
1996 27 BAL 19 11 4.81 36 36 4 1 243.1 264 31 69 204 1039 103 4.04 1.368 9.8 1.1 2.6 7.5 2.96 CYA-5,GG
1997 28 BAL 15 8 3.20 33 33 4 1 224.2 197 27 54 218 905 137 3.49 1.117 7.9 1.1 2.2 8.7 4.04 AS,CYA-6,GG
1998 29 BAL 13 10 3.49 29 29 4 2 206.1 189 22 41 175 835 130 3.48 1.115 8.2 1.0 1.8 7.6 4.27 GG
1999 30 BAL 18 7 3.50 31 31 4 0 203.1 207 16 52 172 842 133 3.25 1.274 9.2 0.7 2.3 7.6 3.31 AS,CYA-2,GG
2000 31 BAL 11 15 3.79 34 34 6 1 237.2 236 28 46 210 987 125 3.52 1.187 8.9 1.1 1.7 8.0 4.57 CYA-6
2001 32 NYY 17 11 3.15 34 34 4 3 228.2 202 20 42 214 909 143 2.92 1.067 8.0 0.8 1.7 8.4 5.10 CYA-5,GG
2002 33 NYY 18 10 4.05 33 33 2 2 215.2 208 27 48 182 886 109 3.64 1.187 8.7 1.1 2.0 7.6 3.79  
2003 34 NYY 17 8 3.40 31 31 2 1 214.2 192 21 40 195 855 130 3.09 1.081 8.0 0.9 1.7 8.2 4.88 GG
2004 35 NYY 12 9 4.59 27 27 1 0 164.2 178 22 40 132 697 98 3.95 1.324 9.7 1.2 2.2 7.2 3.30  
2005 36 NYY 13 8 4.41 30 30 2 2 179.2 199 23 47 142 766 96 4.01 1.369 10.0 1.2 2.4 7.1 3.02  
2006 37 NYY 15 7 3.51 32 32 1 0 197.1 184 22 35 172 804 129 3.46 1.110 8.4 1.0 1.6 7.8 4.91  
2007 38 NYY 11 10 5.15 28 27 0 0 152.0 188 14 35 91 656 88 4.01 1.467 11.1 0.8 2.1 5.4 2.60  
2008 39 NYY 20 9 3.37 34 34 0 0 200.1 214 17 31 150 819 131 3.32 1.223 9.6 0.8 1.4 6.7 4.84 CYA-6,MVP-19,GG
18 Y 18 Y 18 Y 270 153 3.68 537 536 57 23 3562.2 3460 376 785 2813 14593 123 3.57 1.192 8.7 0.9 2.0 7.1 3.58  
162 162 162 17 10 3.68 34 34 4 1 226 219 24 50 178 925 123 3.57 1.192 8.7 0.9 2.0 7.1 3.58  
      W L ERA G GS CG SHO IP H HR BB SO BF ERA+ FIP WHIP H9 HR9 BB9 SO9 SO/W Awards
BAL BAL BAL 147 81 3.53 288 288 45 15 2009.2 1895 210 467 1535 8201 130 3.63 1.175 8.5 0.9 2.1 6.9 3.29  
NYY NYY NYY 123 72 3.88 249 248 12 8 1553.0 1565 166 318 1278 6392 114 3.50 1.212 9.1 1.0 1.8 7.4 4.02  
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Generated 11/30/2018.

1.WAR

()内はリーグ投手順位、10位以内の時に記述。

年度 bWAR fWAR
1991 2.2 1.7
1992 8.2 (2) 5.3 (7)
1993 1.6 2.8
1994 5.4 (4) 3.4 (10)
1995 6.1 (3) 5.1 (3)
1996 3.7 5.3 (6)
1997 5.5 (8) 5.4 (4)
1998 5.0 (7) 5.1 (6)
1999 4.4 (10) 6.0 (2)
2000 5.7 (3) 6.4 (2)
2001 7.1 (1) 6.9 (1)
2002 4.5 4.5 (5)
2003 6.6 (5) 6.1 (4)
2004 2.4 3.0
2005 3.4 2.6
2006 5.1 (5) 5.2 (4)
2007 1.0 2.6
2008 5.1 (7) 4.6 (7)
合計 82.9 82.2

マイク・ムッシーナの魅力は何といってもWAR。とりわけ通算成績が優れており、1947年(黒人選手が初めてMLB入り)以降に限ると投手の中で通算rWARは13位、fWARは12位。rWARとfWARのいずれかで15位内に入った選手はロジャー・クレメンスとマイク・ムッシーナ以外全員殿堂入りしています。

優れた通算成績とは対照的にサイ・ヤング賞の獲得経験がないことが殿堂入り投票では大きく影響していますが、上の表を見ても分かるように実際は2001年にサイ・ヤング賞を受賞すべきでした。現代ならほぼ間違いなく選ばれていたでしょう。そもそもサイ・ヤング賞設立後にプレーして記者投票で殿堂入りしたもののサイ・ヤング賞受賞経験がない先発投手は5人もいます。

また、シーズンrWAR5.0程度がASクラスとされていますが、ムッシーナが5.0以上を記録したのは9シーズン。1947年以降で7回以上記録した投手が19人いますが殿堂入りしていないのはクレメンス(14回)、カート・シリング(9回)、ハラディ(8回)、クレイトン・カーショウ(7回)、デビッド・コーン(7回)。この中で将来も殿堂入りできなさそうなのはコーンだけですから、ムッシーナのベスト10シーズン程度の成績も殿堂入りに十分値する数字だと考えられます。

また、ムッシーナには薬物使用疑惑などはなくクリーンな選手と扱われています。(そりゃ絶対にクリーンだとはどんな選手でも言えないけど)。そうなるとムッシーナは表面上の成績以上に希少価値のある選手になりますね。

2.耐久力&安定感

シーズン途中に昇格した1991年以外の全シーズンで150イニングをクリア。加えて16シーズンで規定投球回到達、11シーズンで200イニング以上を記録していますが、1993年と1994年はストライキによりシーズンが短縮されたことを忘れてはいけません。(1947年以降、規定投球回到達16シーズン以上はムッシーナ以外に17人いますがそのうち14人は殿堂入り。)

また、キャリアの中でFIPーはワーストでも-93。剛腕タイプではなく制球力に優れた技巧派タイプだったので目立つことは少なかったものの毎年のように安定してクオリティの高い投球内容を記録しました。

3.ヤンキースの守備

加齢による衰えがあったとはいえオリオールズ時代(防御率3.53、ERA+130)と比べてヤンキース時代は防御率3.88、ERA+114まで成績が悪化。ヤンキース在籍中の3シーズンでERA+が100を下回りました。ムッシーナを評価する上でこの微妙な防御率が大きく影響することが多い印象。

しかし、これにおいてはヤンキースの守備力が大きく足を引っ張っています。

ヤンキースのチームDRS(2001&02年はTZR)とMLB内での順位

年度 DRS(TZR) MLB順位
2001 -57 30
2002 -56 29
2003 -36 25
2004 -79 30
2005 -120 30
2006 -39 26
2007 -16 23
2008 -41 28
合計 -444 30

デレク・ジーター、バーニー・ウィリアムズ、松井秀喜、ホルヘ・ポサダ、ジェイソン・ジアンビ、ゲイリー・シェフィールド、ボビー・アブレイユなど守備が下手なベテラン野手が多く在籍していたためムッシーナ在籍時のヤンキースは守備が崩壊状態。

ムッシーナは2001年~2008年の8シーズンでヤンキース全体の投球回数の13.4%に当たる1553イニングを投げたので、単純計算で約59.5点(-444の13.4%)もの失点を自チームの守備のせいで損したことになります。ムッシーナのヤンキース通算自責点は669ですがこれが仮に50少ないとすると(自責点669⇒619)、ムッシーナのヤンキース通算防御率は3.59まで下がり(ERA+は分かりませんが)オリオールズ時代と同レベルの数字になります。

rWARではチームの守備成績はちゃんと考慮されています。
ちなみに、ムッシーナはGG賞を7度受賞するほどの守備の名手であり実際に守備成績も優秀。

4.ポストシーズンでの活躍

Postseason Pitching Game Log
Rk Year Series Date Tm   Opp Rslt Inngs Dec DR IP H R ER BB SO HR ERA BF Pit
1 1996 ALDS g3 Oct 4 BAL @ CLE L,4-9 GS-6   99 6.0 7 4 3 2 6 1 4.50 27 98
2 1996 ALCS g3 Oct 11 BAL   NYY L,2-5 GS-8 L(0-1) 6 7.2 8 5 5 2 6 1 5.27 32 108
1997 1997 Year Series Tm   Opp Rslt Inngs Dec DR IP H R ER BB SO HR ERA BF Pit
3 1997 ALDS g1 Oct 1 BAL @ SEA W,9-3 GS-7 W(1-0) 99 7.0 5 2 2 0 9 2 2.57 26 94
4 1997 ALDS g4 Oct 5 BAL   SEA W,3-1 GS-7 W(2-0) 3 7.0 2 1 1 3 7 1 1.93 26 101
5 1997 ALCS g3 Oct 11 BAL @ CLE L,1-2 GS-7   5 7.0 3 1 1 2 15 0 1.71 26  
6 1997 ALCS g6 Oct 15 BAL   CLE L,0-1 GS-8   3 8.0 1 0 0 2 10 0 1.24 27 107
2001 2001 Year Series Tm   Opp Rslt Inngs Dec DR IP H R ER BB SO HR ERA BF Pit
7 2001 ALDS g3 Oct 13 NYY @ OAK W,1-0 GS-7 W(1-0) 99 7.0 4 0 0 1 4 0 0.00 25 100
8 2001 ALCS g2 Oct 18 NYY @ SEA W,3-2 GS-6 W(2-0) 4 6.0 4 2 2 1 3 1 1.38 24 103
9 2001 WS g1 Oct 27 NYY @ ARI L,1-9 GS-3 L(2-1) 8 3.0 6 5 3 1 4 2 2.81 18 68
10 2001 WS g5 Nov 1 NYY   ARI W,3-2 GS-8   4 8.0 5 2 2 3 10 2 2.62 32 125
2002 2002 Year Series Tm   Opp Rslt Inngs Dec DR IP H R ER BB SO HR ERA BF Pit
11 2002 ALDS g3 Oct 4 NYY @ ANA L,6-9 GS-4   99 4.0 6 4 4 0 2 1 9.00 19 69
2003 2003 Year Series Tm   Opp Rslt Inngs Dec DR IP H R ER BB SO HR ERA BF Pit
12 2003 ALDS g1 Sep 30 NYY   MIN L,1-3 GS-7 L(0-1) 99 7.0 7 3 3 3 6 0 3.86 30 112
13 2003 ALCS g1 Oct 8 NYY   BOS L,2-5 GS-6 L(0-2) 7 5.2 8 4 4 2 4 3 4.97 27 104
14 2003 ALCS g4 Oct 13 NYY @ BOS L,2-3 GS-7 L(0-3) 4 6.2 6 3 3 2 10 2 4.66 27 95
15 2003 ALCS g7 Oct 16 NYY   BOS W,6-5 4-6   2 3.0 2 0 0 0 3 0 4.03 10 33
16 2003 WS g3 Oct 21 NYY @ FLA W,6-1 GS-7 W(1-3) 4 7.0 7 1 1 1 9 0 3.38 29 111
2004 2004 Year Series Tm   Opp Rslt Inngs Dec DR IP H R ER BB SO HR ERA BF Pit
17 2004 ALDS g1 Oct 5 NYY   MIN L,0-2 GS-7 L(0-1) 99 7.0 7 2 2 1 7 1 2.57 27 95
18 2004 ALCS g1 Oct 12 NYY   BOS W,10-7 GS-7 W(1-1) 6 6.2 4 4 4 0 8 0 3.95 24 95
19 2004 ALCS g5 Oct 18 NYY @ BOS L,4-5 GS-7   5 6.0 6 2 2 2 7 0 3.66 27 105
2005 2005 Year Series Tm   Opp Rslt Inngs Dec DR IP H R ER BB SO HR ERA BF Pit
20 2005 ALDS g1 Oct 4 NYY @ LAA W,4-2 GS-6 W(1-0) 99 5.2 5 0 0 0 4 0 0.00 22 98
21 2005 ALDS g5 Oct 10 NYY @ LAA L,3-5 GS-3 L(1-1) 5 2.2 6 5 5 1 3 1 5.40 16 57
2006 2006 Year Series Tm   Opp Rslt Inngs Dec DR IP H R ER BB SO HR ERA BF Pit
22 2006 ALDS g2 Oct 5 NYY   DET L,3-4 GS-7 L(0-1) 99 7.0 8 4 4 0 5 1 5.14 30 93
2007 2007 Year Series Tm   Opp Rslt Inngs Dec DR IP H R ER BB SO HR ERA BF Pit
23 2007 ALDS g4 Oct 8 NYY   CLE L,4-6 2-6   99 4.2 4 2 2 4 3 0 3.86 20 83
                      139.2 121 56 53 33 145 19 3.42 571  
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Generated 12/2/2018.

キャリアを通してWS優勝を経験することがなかったためPSの成績が語られることが少ないですが実際には優秀な数字。

レギュラーシーズンよりもPSの方が成績が向上しており、ALCSで敗れたものの1997年はMVP級の成績。ALCS第3戦(相手はチームOPS.825、ジミ・トーミ、マニー・ラミレス、マット・ウィリアムズ、ブライアン・ジャイルズ、デビッド・ジャスティスらを有する強力インディアンズ打線)の15奪三振はリーグチャンピオンシップ記録となっています。

ヤンキースでも先発ローテ1番手として重責を担いながらも安定した投球内容を披露しています。

さらに、2.で書いたように毎年のようにシーズンを通してローテを守りながらも、PSでもフル回転するという疲労度はムッシーナのPS成績を考慮するうえで欠かせないファクターです。1996年、1997年、2001年に至ってはRS+PSで250イニングを超えていますね。

5.余力を残しての引退

2007年、38歳で迎えた17年目のシーズンはムッシーナにとってキャリアワーストのシーズンに。衰えが進行して球速が大きく低下。8月終了時点で防御率5.53と散々な成績となり9月3日にはキャリア唯一のリリーフ登板を経験しました。

しかし、それをきっかけに外角中心のピッチングから内角を積極的に突いていく攻撃的なピッチングにスタイルチェンジ。リリーフ登板後はPSも含めて5先発で防御率3.41と復活の兆しま見せました。

そして旧ヤンキー・スタジアム最終年となった2008年は開幕から前年とは見違えるようなピッチングを披露。39歳ながらも中4日で投げ、7月に入るとさらにギアが入り7月以降は防御率2.91、奪三振率7.9。最終的にはリーグ最多の34先発でキャリア初の20勝を達成。サイ・ヤング賞投票では6位に入りWARを見る限りではリーグ7番目の成績。

これほどの好成績にも関わらずシーズン終了後にあっさりと引退を表明。MLB創立以降、最終年でrWAR5.1以上を残した投手はサンディ・コーファックスとエディー・シコット(八百長により永久追放)のみとなっています。

ここで問題なのはもし現役を続けていればどれほど通算成績を残せていたのか。2008年も2007年と同様に球速が低下していたもののピッチングスタイルの変更が功を奏していますし元々クレバーな選手なので40歳以降もアンディ・ペティットのような成績を残せていた可能性が高そう。

そうすると2009年~2011年ごろのヤンキース打線は非常に強力で守備も改善されてきていたので、3年ぐらい現役を続けていれば通算300勝達成、rWARとfWARも90ぐらいまで届いていたかもしれませんね。反対に新ヤンキースタジアムが合わなくて大きく成績を落としていた可能性もありますが。




ここまで長々とムッシーナがなぜ殿堂入りすべきなのか書いてきましたが、ハッキリ言って遅くとも2020年度までには殿堂入りするでしょう。2019年度はリベラ、2020年度はジーターが殿堂入りするでしょうから、どちらかの年で21世紀ヤンキースのスター選手が同時に複数人殿堂入りすることになりますね🙌🙌🙌

コメント

  1. 田所 より:

    松井秀喜の守備って実際どれくらい酷いですか?UZRだと壊滅的ですが、DRSだとまだ見れる数字が出ってるですが
    DRSとUZRってどっちが正確ですかね?
    ちなみにrWAR fWARどっち波ですか?

  2. 管理人 より:

    ここ何年かのアメリカのコラムなどを読んでるとほんのわずかですがDRSの方がUZRよりも優れているようなので私はDRS派でした。ただUZRは2017年、DRSは2018年にアップデートが行われているので、それによりUZR>DRSまたはDRS>>UZRになっているかもしれません。

    とはいえ松井秀喜のようにUZRとDRSが何十も違う選手が生まれる確固たる理由は調べても見つからないので、松井秀喜の守備のレベルは判断しかねます。松井秀喜を追っかけてMLBファンになった自分の勝手な印象ではどちらかといえばUZRに近かったような気がしますけど。

    rWARとfWARに関してですがrWARの方が補正が細かいですし自分がDRS派なので野手に関してはrWAR派です。ファングラは有料会員になってないけどリファレンスでは有料会員になってて細かく調べやすいっていうのも理由にありますね。

    また、投手fWARはFIPベースで算出されますがここ数十年ならともかく今の野球とはスタイルが全く違う100年前の投手などに今と同じようにFIPを適応するというのは疑問なので、そういう意味でも20世紀の投手ではrWARの方が好きです。実際に100年以上前の投手などになると3000イニング以上を投げながらERAとFIPが0.5ぐらい違う選手とかもボチボチいますし。
    ただ、21世紀の投手に関してならfWAR派ですね。

    投手WARに関してはもっと成績予測と結果評価の違いという話も絡めて考えを書きたいんですけど長くなりそうなのでここで終わりとさせて頂きます。長々とすみません。

    • 田所 より:

      返信ありがとうございます。Twitterもフォローさせてもらってます。やはりmlbを何年も見てきて方の知識は有り難いです。
      僕も管理人さんと同じヤンキースファンなので、プロスペクトのまとめは毎回楽しませてもらってます。所で来年行われるロンドンの試合ですが、ヨーロッパ市場の開拓に繋がりますかね?

  3. 田所 より:

    Twitterを見ていてアメリカ国内での野球人気がかなり落ちてると拝見したのですが、来年のロンドンシリーズは大丈夫ですかね?mlbもヤンキースとレッドソックスのカードを送るとこを見てもmlbの本気度が伺えるのですが、ヨーロッパの市場開拓に繋がりますかね?

    • 管理人 より:

      例えば日本でNFLの試合やっても日本のアメフト人気なんてほとんど変わんないでしょうから、ロンドンでMLBの試合をやっても一緒でしょう。ファンの開拓をしたいなら子供を無料招待とかすればいいのに、試合のチケット馬鹿みたいに高いですからね。イングランド在住のアメリカ人野球ファンしか来ないと思いますよ。

      そもそも欧米の先進国には各国それぞれ人気スポーツが定着していますし、イングランドにしたってサッカー、テニス、競馬、ラグビーなどの歴史あるスポーツがありますからMLBの試合をやったところでほとんど効果が無いのは見え見え。やらないよりはマシかもしれませんけど。

      NBAみたいに90年代ぐらいに海外進出を進めるなら分かりますけど、2019年なんてどう考えたって遅すぎです。ましてや先進国への進出なんてなおさらでしょう。