アーロン・ジャッジの5ツールを評価する 守備・走塁編


Run(走塁) ー 55/45

 盗塁数自体は少ないですが、大学時代から高い盗塁成功率を誇ります。ただ走塁判断は平均以下レベルで、ベースから飛び出しすぎることが多いような気も。

 Statcastの計測によると今季のスプリント・スピードは27.8ft/sec(MLB平均は27.0ft/sec)、この数字はMLB全体で504人中159位の数字で、ライトを守る選手の中では平均レベル。
 201㎝128㎏の巨体のため動きが遅く見えがちですが、MLBでも平均以上のスピードを持っていることが分かります。

 ただ巨体を考えれば将来膝が悪くなるリスクは大きく、スピードも落ちる懸念はありますね。

 


Fielding(肩を除く守備力) - 60/60


 先程も述べたように体が大きく動きが遅く見えがちのために守備は過小評価されることが多く、あまり知られていませんがマイナーリーグ時代から守備成績は非常に優秀。
 MLBデビュー後の2017年には、Stascastのどれだけ平均レベルの選手より守備範囲によりアウトを増やしたかを示すOuts Above Average (OAA)というスタッツで+5を記録しており、50打球以上処理の外野手164人の中で25位に位置しています。

 守備範囲は間違いなくMLBで平均以上と言えるでしょう。ただしグラブ捌きが非常に悪くバウンド処理でハンブルする姿を多々目撃します。


↓OAA詳細
(キャッチ成功率)ージャッジの成功率
91~95% - 97.2%
76~90% - 95.2%
51~75% - 100%
26~50% - 58.3%
0~25%   - 6.9%

 ちなみに、DRSでMLB全体のライトで5位、UZRでは6位に位置しています。レッドソックスのムーキー・ベッツさえいなければゴールドグラブ賞を受賞してもおかしくないレベルの選手だと言えるでしょう。



Arm(送球) ー 70/75


MLBのライト送球平均初速ランキング
(各選手の各送球の球速上位10%の平均値)
1位:98.7mph(158.8㎞):ハンター・レンフロー
2位:97.2mph(156.4㎞):ブライス・ハーパー
3位:96.6mph(155.5㎞):アーロン・ジャッジ

 高校時代投手としては最速94mphを記録しており、肩力はマイナー時代からパワーと並び非常に高い評価を受けてきました。あまり助走をつけてながら大きく振りかぶって投げることはありませんが、トップクラスの球速を記録しています。軽いスナップスローのような送球でも驚くような伸びがありますし、上の動画もあの軽さで初速97.7マイル(157.2㎞)を記録しています。もしもブレット・フィリップスように全力で送球する機会があればとんでもない数字が叩きだされるのではないでしょうか。
 ただしコントロールはマイナー時代から悪く、他野手の頭上を越えてしまうこともしばしば。低い弾道を意識して投げることがあれば、MLBでもTop5に入るポテンシャルがあります。

(Makeup)
 リーダーシップ、性格面はマイナー時代から評判が良く、ジーターとも比較されています。また年齢も考えればBaby Bombersのまとめ役として期待されます。
 ただジーターとは対照的に、試合中は冷静でも、タイガース戦での乱闘では乱闘の輪に突っ込んでいき、ミゲル・カブレラを潰しにかかる闘争心も持ち合わせている稀有な選手です。