Twitter上で毎日のようにヤンキースのプロスペクトを過大評価してポジり倒しているヤンカスたちを眺めながら「コイツらプロスペクトの評価法が全く分かってないな。”Future Value”でも読んで勉強しろよバカ。」と悦に浸っていたのですが、よくよく考えたら当ブログも日頃からヤンキースのプロスペクトの些細な事でポジってアホ丸出しでした。
というわけで、反対にプロスペクト達のマイナスポイントを列挙してディスろうと思い立った次第。
(3連休でそれだけ暇だったというわけですね。)
アンソニー・ボルピ
バッティング
今シーズンはAAへの適応に時間が掛かった上にAAA昇格後は再び三振と貧打を連発中。別に極端なホームランバッターへの成長が期待される存在ではないにもかかわらず、ランチアングルを意識するあまり凡フライが多く、よりライナー性の打球を意識すべきではないでしょうか。
また、選球眼が優れたバッターに思えますがゾーン内スイング率とゾーン外スイング率の比率はイマイチで、もっと好球に手が出させるようにならないと。
内野送球
シーズン開幕前に弱肩改善のためウェイクフォレスト大学にて送球トレーニングを行いましたが、今シーズンのプレーを見る限り大して良化していない印象。
守備得点も昨シーズンに引き続き2年連続でマイナスの値となっており、オズワルド・ペラザやオズワルド・カブレラと併用するのであれば、やはりショート起用は選択肢になり得ないでしょう。
オズワルド・ペラザ
持ち前のバットコントロールである程度カバーしているものの自制に欠ける積極的なアプローチは問題。
特に低めの緩い変化球へ手を出す頻度が高く、すくい上げただけの凡フライを量産しており、持ち前のバットスピードを活かしきれていない印象。
まだ22歳と若くアプローチ改善の余地は残っているでしょうが、現状として出塁能力に関しては期待薄。
ジェイソン・ドミンゲス
今年のシーズン序盤時点であれば欠点だらけでディスるネタはいくらでもあったのですが、シーズンが進むに連れて嬉しいことにその多く改善されてしまったので、今回は残る数少ない欠点について。
右打席
左打席(2021年OPS.803、2022年OPS.846)と比べ右打席(2021年OPS.533、2022年OPS.733)が劣っており、特に右打席は内角への対応が✖
今後AAAやMLBにてコマンドが優れた左投手との対戦が増えるわけですが、それに伴い内角クロスファイヤ攻めなどもハードになるはずで、さらに右打席が仇となるかもしれません。
右投手と左投手の比を考えればスイッチヒッターの右打席なんて別に大した問題じゃないけどね。
センター守備
スピードと肩はセンターとして十分に通用するレベルでしょうが、打球判断ミス(特に右中間後方への大飛球に対し)が目立つ印象。現状としては両翼へのコンバートが現実的。
ただ、バッティングと同様にシーズンが進むに連れて良化を見せており、19歳のプレーヤーとしては及第点に達しているのかもしれません。
体型
ヤンキースとの契約前から長らく懸念されている体型面。
コロナ過中にはドミニカで勝手にビルドアップを行い、明らかに野球に適していないであろう体型へ肥大化したため、ヤンキースが筋トレを抑えるように指示する珍事も。
現在はその体型がある程度是正されているとは言え故障リスクへの不安も未だ拭えず、これ以上筋量増加の余地も無いだけに、やはり肉体的なポテンシャルは低いかなと。
Dodgers number 1 prospect Diego Cartaya hits a rocket to CF that goes off the glove of Jasson Dominguez! pic.twitter.com/b0GNulKcu3
— Farm To Fame (@FarmToFame_) July 16, 2022
オースティン・ウェルズ
アマチュア時代は肘に爆弾を抱えキャッチャーでの出場が制限されたプレーヤーであり、今シーズンは股関節を痛め長期離脱。
最大の懸念材料であったキャッチャー守備において今シーズン大きな進歩を見せ、他ポジションへのコンバートの可能性も大幅に低下した印象ですが、故障リスク低減のためコンバートを行うのも1つの手。
ただ、今シーズンは体重を増やしパワーと俊敏性のトレードオフを行ったことで、コンバートの制限が増したはず。
ちなみに、フーレミング成績が非常に優秀ですが、2024~25年辺りから機械審判が導入されるでしょうから、2023年デビュー&2024年フルシーズン出場が予想される彼にとってフレーミング能力はほぼ無駄。
あとトランプ信者。
スペンサー・ジョーンズ
大学時代はコンタクト率72%、三振率23.5%、対変化球空振り率35%を残すなどバットコントロールに難があり、さらにはゴロ量産型バッターとして持ち前の非凡なるパワーを十分に発揮できなかった典型的な超高身長打者。
プロ入り後は速球に対してハードコンタクトを量産し、苦手なはずの左投手(特にスライダー)も打ち込んでいますが、カーブやチェンジアップには脆さを露呈。
大学時代から引き続いて相変わらず逆方向への打球が多く、今後80グレードのローパワーがゲームパワーにすんなりと変換されるかは疑問。
ロデリック・アリアス
プロ入り前は完成度が高くゲームパフォーマンスの優れた即戦力型と目されていましたが、蓋を開ければ攻守で野球センスを疑いたくなるような成績を記録。
バッティング
まず、バッティングにおいては.194/.379/.370・wRC+113と並みの数字を残していますが、その中で大きな問題と考えられるのが32.9%と非常に高い三振率(138打席・46三振)
度々「17歳のDSL初年度のパフォーマンスなんて大した問題ではない。」と捉えるファンもいるのですが、実際は年齢関係なくDSL初年度に極端な低成績を残したプレーヤーはほぼ間違い大成しません。これは現役やトッププロスペクトのDSL初年度を確認すれば明らかな事実で、DSL初年度の成績からそのプレーヤーが見込みなしか否か選別できるわけ。
そして、(あくまで私が確認した限り)DSL初年度に30%強の非常に高い三振率を記録した選手は、現在のMLBプレーヤーやトッププロスペクトの中で1人もいません。
インターナショナルFA市場に置いて数年に1度の逸材と呼ばれたアリアスが、ここから大成できるほど常識外れのポテンシャルの持ち主である可能性だってゼロではないでしょうが、統計的な見地からすれば早くも彼に対して「失敗」の烙印を押して構わないでしょう。
ただ、インターナショナルFA契約期間変更やマイナーリーグ再編によってDSLのリーグバランスが大きく変動している可能性もあり、上述の常識が2022年今現在も通用するものなのかは分かりかねます。
ショート守備
バッティングと同様にショート守備も高い評価を受けていましたが、210イニングで13エラーを喫し守備率は超危険水準の.866に。
これに関しても「17歳の守備率なんて気にしなくていい」と捉えるファンが多数いるでしょうが、現役のMLBの内野手の中でDSL時代に守備率.890未満を残しているのはデルミス・ガルシアただ1人しかいません。私の集計漏れや内野から外野にコンバートされた選手で他にいるかもしれませんが、流石にアリアスの守備成績は「ショート失格」の烙印を押すに足りる数字かと。
もちろん本来なら短期間における三振率や守備率は信頼性の欠ける指標ですが、両指標はDSLプロスペクトの「野球センス」をある程度表すものだと私は捉えていて、アリアスの数字を見ていると「コイツそもそも野球センスがないのでは?」と思ってしまうのです。
エバーソン・ペレイラ
今シーズンは打球を打ち上げるのに苦労しゴロ率が50%弱を推移。.367と高いBABIPに助けられスラッシュラインは上々の数字ですが、シフトが禁止されてもAAAやMLBで同様のBABIPを維持することは無理でしょうね。
さらに、待球型であるにもかかわらずボール球スイング率が平均を下回っており三振率も常に危険水準。三振とハードヒットのトレードオフにより打撃成績を稼ぐタイプなだけに、ゴロ率と三振率が両方とも高いのはマズいよねと。
また、センター守備においても最低クラスの守備得点を残しており、ジェイソン・ドミンゲス以上に両翼へコンバートされる可能性が大。少し深めに守る傾向にあるのでポジショニングの改善によってある程度は是正できるかもしれませんが。
ウィル・ウォーレン
シンカーとスイーパー気味のスライダーは両球種ともクオリティが高いものの習得したばかりであるためかコマンドに欠け、そのシンカーも空振りが奪えないために三振率は低迷しバビりに怯える毎日。
アーリーカウントはスライダーを多投しレイトカウントから速球の割合を増やしていますが、そのレイトカウントに投じた速球を狙い打ちされている印象で、配球の抜本的な改良が必要かと。
トレイ・スウィーニー
バッティング
高いレッグキッグが特徴的だった打撃フォームはシーズンを通して定まらず試行錯誤が続いていた模様。
開幕後約2ヶ月半のスランプを脱出して以降はwRC+125前後を推移していますが、良くも悪くも打撃成績が爆発することはなく、大学時代から期待されていた打球初速度も大したことなし。
フロアーが高くともシーリングは低いタイプだと考えられますが、ドラフト全体20位指名でこのレベルは褒められないよね。
ショート守備
傘下屈指・プラスツールの強肩はショートとして十分すぎるレベルですが、シンプルにハンドリングミスが多く動きも緩慢。
将来的なサードやセカンドへのコンバートの可能性が高く、ハンドリングが向上しないようであればライトも選択肢となり得るでしょう。
トレイ・スウィーニーはFV45程度の評価を受けていますが、FV45の野手プロスペクトの金銭的価値は600~900万ドルと見積られており、現状としてヤンキースは1000万ドル近く損をしている計算に。
Trey Sweeneyの華麗なSS守備 pic.twitter.com/97l1mDMAkZ
— Fordy Ballgame (@ironhorse0619) June 25, 2022
コメント
アリアスが思ったよりも深刻ですね。評価が高いうちにさっさと放出したほうがいいかもしれませんね。
他球団がまだ高く評価してるかは知らんぞ。
関係ないのですが、本日の試合、ベンチにカーペンターの姿がありましたが、ポストシーズン中の復帰の可能性はあるのでしょうか?
本人は完治してくなくとも復帰したいようですが、タイムテーブル上ではPSに間に合わなさそうですね。
2,3年後のセンターはどうなっているでしょうか?
野球界隈ではよく数年後のスタメン予想なるもの目にしますが、NPBならまだしも出入りの激しいMLBでそんなことやったところで意味無いですからね。ヤンキースのようにプロスペクトを放出する頻度が高いコンテンダーなら尚更。
だって数年前の時点でセンターがBaderになると予想していたヤンカスなんてほとんどいないでしょうよ。だから数年後のセンターなんて知ったこっちゃありません。
PerazaやCabrera、さらにVolpeまで控えてて、かつLeMahieuの契約もあるなかで、IKFの契約延長はあると思われますか。個人的にはIKFの守備力(安定した打撃も)をあと1年で手放すのがもったいないと感じますが、、
これほどまでに内野のプロスペクトを温存してきたんですから、IKFはおろかGleyberですら24年以降の構想外かも。チーム内部の独自守備指標においてIKFは優秀な数字を残しているそうなので、NYYが表面的成績以上に彼を評価している可能性もありますが、そもそもIKFは来季のシフト禁止によって相対的に打撃バリューを落とすでしょうから、このタイミングでのエクステンションは得策でないような気がします。
IKF側だって28歳と最高のタイミングでFA権を得られるチャンスを捨て、いつプロスペクトにレギュラーの座を奪われるかも分からないポジションをわざわざ選びたくないのでは。
ドミンゲスは脳筋さんなんでしょうか?
以前は間違いなくそうだったと思いますが、現在は脳筋を脱却したかと。
ただ、守備走塁においてセンスは大して感じません。
ブログ主さんはカイナー・デルガードを現状傘下何位に位置づけていますか?
背は低めですけど楽しみですよね。
順次更新中の手元のランキングを確認したら21位に置いていました。
夏のランキングでは41位でしたが、その後の活躍に加え彼のEV記録やxwOBA、選球眼指標などの新たなデータを手に入れたため、大幅にランクアップさせた次第です。確かに体格は大きな大きなマイナスポイントですが・・・。
ただ、ちょうど今日このタイミングでMiLBのxwOBAが公表されたので、ランキング全体を根本から練り直すことになると思いますし、春のアップデートでは彼の順位も大きく変わるかと。
拝見するとボルピは全体60%程度とxwOBAが抜きん出てるわけではないんですね。
反対にデルガードは傘下トップクラスですか。恐れ入りました。
あと、この順位をみるとアンドレス・チャパーロは40人ロースターに入れたくなっちゃいますね、、
VolpeはずっとFV55かFV60で迷っていたんですが、これでFV55にする決心がつきました。
Delgadoに関しては、1歳年下で97パーセンタイルのEnmanuel Tejedaの方が上かもしれませんね。
その後のブログ主さんの引用ツイートにもあったように、このxwOBAは「xwOBAに限りなく近づけようと頑張ったwOBAのようなもの」って感じなのでしょうかね・・。
あくまで近似式を用いただけの数値でしたね。
ややこしい名前付けるなと。