2022年ヤンキースの総括と雑感:8月編

ニューヨーク・ヤンキースの2022年シーズン7月の総括と雑感

7月のチーム成績は止まる所を知らず、終わってみれば月間10勝18敗(勝率.357)

一時期は確実視されていた地区優勝すら危うくなってきました。

ホントにどいつもこいつもカイナー=ファレファの安定感を見習ってほしいものです。



野手

7月はMLB全体No.1の成績を残したヤンキース打線ですが、マット・カーペンターが自打球により右足首を骨折しシーズン終了となっただけでなく、ジャッジを除くほとんどの主力がスランプに陥り一瞬にして瓦解。

ただ、トレードデッドラインにて獲得したアンドリュー・ベニテンディが及第点のパフォーマンスを残した点はせめてもの救いでした。

※8月のヤンキース野手陣の成績はコチラ

指標名 8月中の合計 MLB全体順位
シーズン合計
野手fWAR 2.7 16位
27.9 3位
平均得点 3.64 23位
4.98 2位
OPS .651 26位
.749 5位
wRC+ 88 23位
115 3位
xwOBA .297 21位
.332 3位

アーロン・ジャッジ

8月に入ると対戦投手が変化球へ逃げるようになり、特に打者有利のカウントではその傾向が顕著に。結果として4~7月は12.0%だった四球率が8月は21.0%まで爆上げし、その影響か一時期は軽いスランプにも陥りました。

現在のヤンキース打線の中でジャッジとまともに勝負する必要性を全く感じませんが、何故か9月に入っても甘い球が投じられていますね。アホなのかな?

オズワルド・カブレラ

慣れないライトでの起用がメインとなるも良い意味で期待を裏切り、打球反応・ルート取り・送球の全てにおいてハイレベルなパフォーマンス披露

どっちみち外野守備なんてものは才能でどうにかなるんだなと。

打撃成績は期待通りの数字(wRC+74、xwOBA.267)ですが、フリースウィンガーであるためかこれまでA~AAA各階級昇格直後にバッティング面で苦しんできたプレーヤーなので、今後は上積みが期待できるのかもしれません。

何にせよ思っていた以上に便利な控えユーティリティとなりそうです。

オズワルド・カブレラがヤンキースに昇格。

グレイバー・トーレス

今年もまたもや投球へタイミングが合わないフェーズに入り込み大スランプに。8月のチーム逆MVPは間違いなくこの男(fWAR-0.6、OPS.464、33三振、3四球)。

トレードデッドラインではパブロ・ロペスミゲル・ロハスの対価としてマーリンズがオズワルド・ペラザと共にトーレスを要求していたようですが、マーリンズのフロントも見る目が無いですね。低迷期脱出など夢のまた夢でしょうな。

DJ・ラメイヒュー

オールスター前に右足親指を痛めいていたラメイヒューですが、故障者リストに入ることなくズルズルと出場を続け、気付けば症状が悪化しフォーマンス凋落。

故障前はジャッジ&大谷に次ぐrWARリーグ3位も狙えそうな勢いだったものの、それ以降はリプレイスメントレベル成績に終わっています。

現時点でも復調の兆しは見受けられないだけに、故障者リスト追加を選択しなかったヤンキースには疑問を抱かざる負えませんね。


投手

トレードデッドラインでの補強も虚しく7月からチーム成績は更に悪化。

更には放出したジョーダン・モンゴメリーJP・シアーズが好投を続けるなどポジ要素を見つける方が難しい状況。

この投手陣でポストシーズンを勝ち進むのは不可能でしょうね。

※8月のヤンキース野手陣の成績はコチラ

指標名 8月中の合計 MLB全体順位
シーズン合計
投手fWAR 2.2 20位
16.7 6位
防御率 3.74 13位
3.31 4位
FIP 4.03 18位
3.57 5位
xwOBA .306 16位
.289 2位

ケガ人ども

ネスター・コルテズ

投手陣が瓦解した中で奮闘を見せていましたが、月末に股関節を痛め故障者リスト入り。

ただ、大事ではなったようで復帰間近。

アロルディス・チャップマン

タトゥーを入れたことで感染性創傷を発症するという低脳丸出しの理由により故障者リスト入り。

もう帰ってこなくていいけどね。

スコット・エフロス

移籍後たった2週間強で右肩の炎症により離脱。復帰は9月中旬の予定。

ヤンキースがトレードにてカブスからスコット・エフロスを獲得し、対価としてヘイデン・ウェズネスキを放出。

アルバート・アブレイユ

7月の終わりごろからパフォーマンスを落としていましたが、右肘の炎症という面倒な症状によ離脱。経過観察を聞く限りではシーズン終了っぽい。

ドミンゴ・ハーマン

フェミニストの私としては受け入れ難い事実ですが、投手陣の月間fWARトップはなんと0.8(34.2回、防御率2.03、FIP3.37)を稼ぎ出したハーマン。

しかしながら、BABIP.245・被xwOBA.322と運に恵まれていたのも事実で、守備陣頼りのピッチングがシーズン終了まで通用するか見物。

フランキー・モンタス

7月に肩の炎症を発症していただけに個人的には球威低下を恐れていたのですが、球威そのままに変化球のコマンドが精彩を欠き炎上を連発。

まあそもそもxERAは4.00弱程度だったので、それに向けてERAとFIPが収束に向かっただけと捉えれば納得なんですけど。

ヤンキースがプロスペクト4人とのトレードにより、アスレチックスからフランキー・モンタスとルー・トリビーノを獲得。

ジェイムソン・タイオン

フランキー・モンタスの陰に隠れて危なっかしいピッチングを続けていたタイオン

7月の不調を受けピッチバリューが低かったカッターとチェンジアップを控えるようになったようですが、結局のところ8月中は速球を大きく打ち込まれました。

9月の初登板ではフォーシームとシンカーの比率を弄り、最もピッチバリューが高いカーブを多投するなど模索を続けているものの、ポストシーズンで先発を任せられるような状態ではありませんね。

マイク・フォード

三流チームから点稼ぎ。不快。

https://baseballsavant.mlb.com/savant-player/mike-ford-645801?stats=statcast-r-hitting-mlb