ウィル・ウォーレン:ヤンキース・プロスペクト

 2017から当ブログで書いているヤンキースのプロスペクト紹介・レポートのまとめページになります。名前がその選手の記事へのリンクとなっていま...
2022年シーズン前半戦終了時点におけるニューヨーク・ヤンキースのプロスペクト(有望株)ランキングTOP100を作成

FV50・全体76~100位程度だと考えていたケン・ワルディチャクが炎上を続け、対照的にFV45・スウィングマンだとかリリーフ向きだとかディスっていたヘイデン・ウェズネスキが支配的なピッチングを披露。

更にお気に入りだったルイス・メディーナクーパー・ボウマンは化けの皮を剥がされ死亡。

当方が如何に文盲なのか改めて証明されのではないでしょうか。

そして、そんな能無しのブログを訪れたあなたも見る目がないことを自覚して下さい。


ウィル・ウォーレン

Will Warren
1999年6月16/188cm・79㎏/右投先発:AA
ミシシッピ州/2021年ドラフト8巡目(全体243位)
選手ページ:MiLB公式Baseball ReferenceFanGraphs

シンカー   : 55/55 (平均94マイル、最速98マイル)
フォーシーム : 45/45 (平均95マイル、最速98マイル)
スライダー  : 55/60 (平均84
~88マイル)
カーブ    : 45/45 (平均78~79マイル)
チェンジアップ: 35/40 (平均87~88マイル)
コマンド   : 35/45
総合     : 35/45


高校時代は最終年度の2017年に好成績を残しミシシッピ州のオールステート・セカンドチームに選出。その後はミシシッピから離れ隣州ルイジアナのサウスイースタン・ルイジアナ大学に進学。

同大学ではリリーフ→先発投手とステップアップするも投球内容は低迷。ブレイクの兆しを見せた肝心の3年目・2020年シーズンがコロナによってシーズン途中中止になるなど運にも恵まれず、5巡目まで短縮された同年のドラフトでも指名漏れ。

当然ながら多くの指名漏れ選手と同様に大学残留を選択したわけですが、チームのエースとして所属カンファレス1・2位を争う好成績を記録するなどブレイクし、ドラフト6~10巡目指名が期待される存在に。

そして、結果として大学生投手指名に力を入れるヤンキースが8巡目(全体243位)にてピックしたわけ。

Register Pitching
Year Age Tm Lev ERA G GS IP H HR BB SO WHIP BB9 SO9 SO/W
2018 19 SE Louisiana NCAA 3.04 18 0 23.2 18 0 17 18 1.479 6.5 6.8 1.06
2019 20 SE Louisiana NCAA 6.72 16 14 67.0 74 4 25 50 1.478 3.4 6.7 2.00
2020 21 SE Louisiana NCAA 1.90 5 2 23.2 15 2 4 30 0.803 1.5 11.4 7.50
2021 22 SE Louisiana NCAA 2.57 14 14 91.0 71 1 25 95 1.055 2.5 9.4 3.80
2022 23 2 Teams AA-A+ 3.91 26 26 129.0 119 10 42 125 1.248 2.9 8.7 2.98
2022 23 Somerset AA 4.02 18 18 94.0 89 8 33 83 1.298 3.2 7.9 2.52
2022 23 Hudson Valley A+ 3.60 8 8 35.0 30 2 9 42 1.114 2.3 10.8 4.67

ドラフト後はオフシーズンにシンカーを新たに習得しスライダーも改良。さらにシーズン開幕後は球速向上も見せ、プロ1年目ながらAAに定着するなど大ブレイクを果たし、ヤンキース傘下内でも上位の投手プロスペクトへと急成長。

また、トレードデッドライン前には多くの他球団スカウトが登板試合に訪れたこともあり、トレードチップとしても注目を集め知名度上昇。

AA昇格後は持ち味であったゴロ率と被本塁打率が悪化し空振りも奪えなくなっている点こそ引っ掛かりますが、何にせよドラフト8巡目指名でここまで活躍すれば十分でしょう。


シンカー  : 55/55(平均94マイル、最速98マイル)
フォーシーム: 45/45(平均95マイル、最速98マイル)

マイケル・キングを彷彿させる投球フォームを持ち、大学時代は平均92~93マイル程度だった球速が今シーズンは94~95マイル程度まで高速化。

特に上述の通りオフシーズンにレパートリーへ追加したシンカーはヘビーシンクを見せる平均超のピッチでありゴロを量産。今ではフォーシームに代わり速球系のメインピッチとなりました。

そして第2の速球となったフォーシームはライディングアクションに欠ける棒球気味のフリンジピッチ。現状としてシンカーよりフォーシームの方がコマンドに優れているため登板内でも使用していますが、シンカーのコマンドが向上するようなら捨て去っても構わないでしょう。

スライダー  : 55/60(平均84~88マイル)
カーブ    : 45/45(平均78~79マイル)
チェンジアップ: 35/40(平均87~88マイル)

元々ブレーキングボールのスピンレイトに非常に長けたピッチャーであり、大学時代は当時決め球であったカーブがスピンレイト3000rpmに到達。

さらに、プロ入り後はヤンキースお得意のスライダー改良を受け、それまでは変化量が小さく有効的でなかったスライダーが、スピンレイト3000rp以上・横変化量18インチ・球速85マイル強という世にも珍しいハイスペックを誇るプラスピッチへと変貌。その特異性から組織内では「ユニコーン・スライダー」と呼ばれているようで、空振りだけでなくウィークコンタクトを奪うこともできる有益なピッチ。

ただ、習得したばかりのためか一貫性に欠ける印象で、まだ完成形ではないかと。

チェンジアップは左打者相手に多投するも変化量に欠け、空振りを奪えるような球ではなくあくまでも打たせて取るためのピッチ。空振りを狙うときは高スピンのカーブを使います。

あと、意図的にカットボールっぽいピッチを投げてる時もあるね。

コマンド : 35/45

ただでさえ球種が豊富なうえウィークコンタクトを量産するシンカーとスライダーを使いストライクゾーンで勝負できることによりコントロールは上々ですが、反対に習得したばかりのシンカーとスライダーのコマンドが安定せず強打を許す場面も多々。

現状としてフォーシームやチェンジアップなど質こそ劣るもののよりコマンドに長けたピッチを投げるハメになっていますが、もちろんシンカーとスライダーのコマンドはまだまだ伸び代があり、個人的にはこの点を楽観視しています。

また、シーズンが進むに連れスライダーの投球割合が増加。AA昇格後はアーリーカウントでスライダーを多投しレイトカウントで速球系をミックスする最近流行の配球を行っているものの、このアプローチがウォーレンにはハマっていない印象で、素直にオールドスクールな配球によって三振を狙うアプローチでも構わないのでは?とも思ったり。

総合 : 35/45

個人的にはFV45の下位半分(期待値が年間WAR0.9~1.3、先発5番手または勝ちパ7回担当のリリーフ)、ヨエンドリス・ゴメスクレイトン・ビーターらとヤンキースNo.1投手プロスペクトの座を争う存在だと考えていますが、まだプロ1年目ということもあり世間的には評価が別れているのも事実であり、良いとこリリーフ止まりとの評価も多。

ただ、先述したように私はコマンドの向上について楽観視していて、体型的にも更なるビルドアップの余地を残しており、高いフロアーとそのアップサイドを顧みればFV45を与えるべき存在だと捉えた次第です。

プロスペクト評価 Future Value(FV)の目安
FV 70:全体No.1プロスペクト
FV 65:全体2~5位程度
FV 60:全体6~20位程度
FV 55:全体21~50位程度
FV 50:全体51~125位程度
FV 45:全体126~275位
            球団別ランキング10位以内程度
FV 40:全体276~850位
            球団別ランキング30位以内程度


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