カーソン・コールマン:ヤンキース・プロスペクト


 2017から当ブログで書いているヤンキースのプロスペクト紹介・レポートのまとめページになります。名前がその選手の記事へのリンクとなっていま...
2022年シーズン前半戦終了時点におけるニューヨーク・ヤンキースのプロスペクト(有望株)ランキングTOP100を作成

ミゲル・アンドゥハーがとうとうDFAとなりました。

思っていた以上に寂しさや辛さを感じませんね。

何にせよこれでフロリアル叩きに集中できますよ。


カーソン・コールマン

Carson Coleman
1998年4月生(24歳3か月):188cm・86㎏:右投

AA所属:2020年ドラフト外(ケンタッキー大学)
選手ページ:MiLB公式Baseball ReferenceFanGraphs

フォーシーム : 60/65 (平均95マイル、最速98マイル)
スライダー  : 45/50 (平均81~82
マイル)
チェンジアップ: 30/35 (平均89~91マイル)
コマンド   : 40/45
総合     : 35/40


高校時代は評価こそ大したことなかったものの、投手に強い地元の名門ケンタッキー大学に進学。

同大学では制球難によりリリーフ止まりでしたが、3年次・2019年のMLBドラフトにてレイズから33巡目指名を受け、プロ入りを選択せず4年生に進学。

翌2020年はコロナにより各リーグのシーズンが短縮となるも、NCAAとケープコッド・リーグの限られた登板機会の中で支配的なパフォーマンスを残し、ドラフト外にてヤンキース傘下入りを果たしました。

Register Pitching
Year Age Tm Lev ERA G IP H HR BB SO WHIP BB9 SO9 SO/W
2018 20 Kentucky NCAA 3.15 20 20.0 13 2 18 32 1.550 8.1 14.4 1.78
2019 21 Kentucky NCAA 5.14 23 28.0 24 3 15 36 1.393 4.8 11.6 2.40
2020 22 Kentucky NCAA 3.18 6 5.2 4 0 1 13 0.882 1.6 20.6 13.00
2021 23 Tampa A 6.11 31 35.1 35 2 26 49 1.726 6.6 12.5 1.88
2022 24 2 Teams AA-A+ 2.13 44 63.1 37 3 19 95 0.884 2.7 13.5 5.00
2022 24 Somerset AA 2.86 35 44.0 30 2 10 69 0.909 2.0 14.1 6.90
2022 24 Hudson Valley A+ 0.47 9 19.1 7 1 9 26 0.828 4.2 12.1 2.89
Mino Mino Mino Minors 3.56 75 98.2 72 5 45 144 1.186 4.1 13.1 3.20
Coll Coll Coll College 4.19 49 53.2 41 5 34 81 1.398 5.7 13.6 2.38

プロ1年目の昨シーズンはLow-Aへ割り当てられローレバレッジな場面でのリリーフ起用がメインとなるも、アマチュア時代から続く制球難が改善されることなく、防御率6.11・FIP4.65・被OPS.764とリーグ平均を下回る残念な成績に。ただ、BABIP.379や奪三振12.5など中止すべき点もあったことは事実。

そして、今シーズンは制球力が大きく向上したことによってブレイクアウトシーズンに。

High-Aにて開幕から19イニング連続無失点を達成したった1ヶ月強でAAに昇格。AAではオールスター直後スランプに陥るなど危うさも垣間見せましたが、終わってみれば44イニングを投げ防御率2.86・FIP2.23・被OPS.561・奪三振率14.1と圧巻の好成績。特にFIPはAAにおいて35イニング以上投げたピッチャーの中で堂々の1位。

今では各媒体のヤンキース傘下プロスペクト・ランキングでもチラホラ目にしますね。


フォーシーム: 60/65(平均95マイル、最速98マイル)

ディセンプションが優れた3/4スロットのフォームから投げ込まれる最速98マイル・常時95マイル超・2400rpmのフォーシームは、シンカー成分こそ強めなものの高めのコースで空振りを量産するプラスピッチ。

投球フォームのディセンプションのおかげか左打者により威力を発揮しており、右投手であるにもかかわらず今シーズンは対戦した左打者の約半分を三振に斬っています。

ただ、シンカー成分が強いと書きましたが、昨シーズンと異なり今シーズンは彼のStatcastデータを持ち合わせていないので、今シーズンからシンカー成分が抑えられている可能性も。昨シーズンから高めへの投球割合が増加しているし、見た目もそんな感じがするからね。

スライダー  :45/50(平均81~82マイル)
チェンジアップ:30/35(平均89~91マイル)

80マイル台前半のスラーブは横変化が小さな代わりに縦変化が大きい平均レベル前後のピッチ。恐らく回転はジャイロ系なのでしょうが、空振り率などは大したことなく、空振りが欲しいここぞの場面ではスライダーではなくフォーシームを多投。

球速があるチェンジアップは今シーズンある程度の向上を見せたようですが、依然として平均を下回るピッチで実戦における使用頻度は低。

コマンド : 40/45

フォーシームごり押しの配球と大幅に向上したコマンドによりリリーフ投手として平均以上のコントロールを身に付け、ストライクカウントに苦労することが少ない稀有な剛腕リリーバーに。

また、投球間隔が空いた時の登板ではコマンドが乱れる傾向あり。

総合 : 35/40

個人的にはヤンキース傘下にてロン・マリナチオに次ぐリリーフ投手プロスペクトと考えており、リリーフ投手ながらもFVはギリギリ40に届いているかなと。

AAでほぼ文句無しの好成績を残しているだけに、来シーズンは春季キャンプに参加した後にAAAで開幕を迎えるはずで、春季キャンプやレギュラーシーズンにおけるパフォーマンスによってはシーズン前半戦にデビューする可能性も。

とは言え、ルール5ドラフトの対象となるのは来シーズン終了後ですから、AAA幽閉をかましたって何の問題もありません。

プロスペクト評価 Future Value(FV)の目安
FV 70:全体No.1プロスペクト
FV 65:全体2~5位程度
FV 60:全体6~20位程度
FV 55:全体21~50位程度
FV 50:全体51~125位程度
FV 45:全体126~275位
            球団別ランキング10位以内程度
FV 40:全体276~850位
            球団別ランキング30位以内程度