ヤンキース:プロスペクト・リポート:第1回(2023/4/17)

今シーズン開幕時点版のプロスペクトランキングTop100ですが、上位4人しか書き終わっていません。

開幕時点版と夏版を間隔なく投稿するハメになりそうです。



AAA

オズワルド・ペラザ

春季キャンプでは高弾道を意識するがあまりにHeartゾーンを捉え損ね続け開幕ロースター入りを逃していたペラザは、AAAでも引き続きプルサイドへバレルを放てず長打1本。

ただ、15.2 O-Zone Swing%・ 10.1 Whiff%とアプローチ面は好調で、逆方向は300ft級の当りを連発しているだけに、春季キャンプ時よりは遥かにマシか…。

ジャンカルロ・スタントンのIL入りによってMLB再昇格を果たしていますが、この状態でMiLBオプションを使用するより好調なジェイク・バウアーズを捨て駒コールアップする方が良かったのでは。

EV 平均 EV 中央値 EV MAX HH%
85.1 89.2 107.8 30.0
LA 平均 LA 中央値 飛距離 MAX  
16.6 13.3 367 ft  

https://scout.texasleaguers.com/players/672724

ランディ・バスケス

春季キャンプで被OPS 1.000弱を残し、AAAでは3試合連続で低調な投球内容。

特に3000rpm級の決め球カーブは被打球内容、Whiff%等ともに残念な数字が並び、この流れはデイビー・ガルシアを彷彿とさせます。

ただ、新球カッターがコマンドこそ安定しないものの空振りとウィークコンタクトを量産しており、苦手な左打者だけでなく右打者にも機能しそうな予感。

短期間の球種別スタッツがどの程度有用なのかは知らんけど。

2023 Player Pitching Game Log
Rk IP H R ER BB SO HR
1 3.1 3 1 0 5 6 0
2 4.1 8 3 3 1 3 1
3 3.1 7 8 6 2 6 2

AA

ドミンゲスペレイラ

ジェイソン・ドミンゲスエバーソン・ペレイラが併用を受けるAAではドミンゲスが8試合中3試合、ペレイラが8試合中4試合でセンター起用を受けており、とりあえずヤンキースは2人のポジションを決めかねている模様。

まあ、ヤンキースのようなコンテンダーが外野で2人のルーキーを併用する可能性は低いし、個人的に守備力は2人ともセンターとして不十分だと考えているので、極端に言えばど~でもいいかも。

クレイトン・ビーター

春季キャンプで不可解なピッチングを見せていましたが、アームアクションを水平化させた新メカニクスがハマっているのかコマンドが安定。

2度目の先発登板ではイニング数と球数の両方で自己ベストを更新しています。

別に昨シーズンも制球力は乱高下していたのでリリーフ向きのレッテルを剥がそうとは思わないですし、早くAAAのStatcastでピッチクオリティをチェックしたいところ。

2023 Player Pitching Game Log
Rk IP H R ER BB SO HR Pit Str
1 4.1 4 1 1 1 7 0 80 55
2 6.2 3 0 0 2 7 0 91 61

High-A

スペンサー・ジョーンズ

開幕から8試合で5二塁打・3本塁打のホットスタートを切ったかに思えるジョーンズですが、同時に37打席で14三振・4四球とアプローチは貧弱。

春季キャンプでも14打席で7三振を喫しており、シーズンの早い段階でダウンスイングを経験しそうな予感。

特に強打のほとんどは緩いピッチ相手で、90マイル台中盤以上のスピードボールはハンドルできていません。

また、低めのVAAが急なピッチに対しては、バレルのベース内通過時間が短いゴルフスイングのような稚拙なバットアプローチを繰り出し、コンタクトに苦労しています。

もちろんゾーン内の甘いピッチを逃さず捉えているおかげで長打を連発することができるわけですが、やはりメカニクスの改良は必要不可欠でしょうね。

好調投手陣

High-Aのサウス・アトランティックリーグにて頭1つ抜けた好成績を残しているヤンキース傘下ハドソンバレー・レネゲーズ。

傘下内で上位にランクインするような投手プロスペクトはドリュー・ソープのみですが、先発ローテの一角を占める35~40 FVクラスのフアン・カレラチェイス・ハンプトンザック・メッセンジャーらも好投を披露しており、リリーフ陣も頗る好調。

ただ、異常に低いBABIPを残しているものの、野手で好守と呼べるような選手はセカンドのケイレブ・ダービンとキャッチャーのアントニオ・ゴメス程度で、運に恵まれている可能性も否めません。本拠地も投手有利だし。

League Pitching
South Division Aff PAge R/G ERA RA9 G IP H HR BB SO WHIP H9 HR9 BB9 SO9 SO/W
Hudson Valley Renegades NYY 22.8 3.11 2.41 3.07 9 82.0 53 5 40 109 1.134 5.8 0.5 4.4 12.0 2.73
Hickory Crawdads TEX 22.5 3.57 3.30 3.75 7 60.0 49 2 19 57 1.133 7.4 0.3 2.9 8.6 3.00
Wilmington Blue Rocks WSN 23.3 4.33 4.14 4.62 9 76.0 73 5 34 84 1.408 8.6 0.6 4.0 9.9 2.47
Rome Braves ATL 24.0 4.50 4.10 4.76 8 68.0 62 10 41 80 1.515 8.2 1.3 5.4 10.6 1.95
Bowling Green Hot Rods TBR 22.9 4.57 4.14 4.57 7 63.0 57 3 35 84 1.460 8.1 0.4 5.0 12.0 2.40
Greensboro Grasshoppers PIT 22.6 5.00 4.84 5.06 9 80.0 68 4 53 85 1.513 7.7 0.5 6.0 9.6 1.60
Greenville Drive BOS 23.3 5.25 4.68 5.18 8 73.0 61 8 46 104 1.466 7.5 1.0 5.7 12.8 2.26
Winston-Salem Dash CHW 23.9 5.86 5.66 5.95 7 62.0 61 7 31 74 1.484 8.9 1.0 4.5 10.7 2.39
Aberdeen IronBirds BAL 23.3 6.00 5.35 6.57 9 74.0 69 9 28 107 1.311 8.4 1.1 3.4 13.0 3.82
Asheville Tourists HOU 22.9 6.29 5.00 6.29 7 63.0 63 6 38 83 1.603 9.0 0.9 5.4 11.9 2.18
Brooklyn Cyclones NYM 22.9 6.78 6.00 7.04 9 78.0 84 13 42 90 1.615 9.7 1.5 4.8 10.4 2.14
Jersey Shore BlueClaws PHI 23.5 7.22 6.39 7.16 9 81.2 80 8 55 92 1.653 8.8 0.9 6.1 10.1 1.67
League Totals   23.2 5.22 4.68 5.35 98 860.2 780 80 462 1049 1.443 8.2 0.8 4.8 11.0 2.27

Low-A

ジャスティン・ラング

過去2シーズンは制球難が改善されぬまま故障等によって球威が急落し20歳で早くも瀕死状態だった元高校球界最速右腕が見事に大復活。

ナチュラルシンカー気味のフォーシームは平均96マイル&2400rpmを計測しており、87マイル前後のジャイロカッターと83マイル前後のスイーパーも共に平均以上と呼べるピッチ。

投球頻度が少ないチェンジアップもクレイジーなムーブメント見せています。

コマンドはまだ不安定なようですが、ピッチレパートリーのクオリティに限れば傘下トップクラスと評しても過言ではないでしょう。

今のところは2023年シーズン最大のサプライズです。

レオナルド・ペスターナ

故障により過去2シーズンで3登板に終わっていたペスターナ

Low-Aでの初登板では平均95マイル・24500rpm・18.9 IVBのハイクオリティなフォーシームによって空振りを量産。

87~88マイルのカッター、83~84マイルのスライダー、80マイルのカッターは全てスイープが抑えられ縦変化の大きなブレーキングボールとなっており、IVBの優れたフォーシームとの相性は良さげ。