ヤンキースの2024年MLBドラフト1巡目指名候補:その4

2024年MLBドラフトにおけるヤンキースの1巡目指名候補について

その2」で高校生野手を取り上げたばかりですが、今回は現時点での評価が1巡目クラスに達していない高校球界のスリーパー・プロスペクトに焦点を置きました。

「1巡目指名候補」というよりは、むしろ「2~3巡目のオーバースロット指名候補」と呼ぶべきかもしれません。



Tyler Bell

タイラー・ベル:19歳0ヶ月(2005年6月生):185cm
リンカーン・ウェイ・イースト高校(イリノイ州):SS

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 173位 4/24
MLB.com 84位 4/24
Joe Doyle 56位 4/15
ESPN 5/8
The Athletic 4/18
Perfect Game 70位 4/4
Prep Baseball Report 36位 5/3
Azad Earl 27位 4/29

この1年間で評価を上げた高校球界屈指のスイッチヒッター。

昨年の一部ショーケース等イベントや今年の所属リーグで低調なパフォーマンスを残していることもあり、現状として評価には大きなバラツキが。

大学進学の意志が強いとの情報は見当たりませんが、近年絶好調のケンタッキー大学にコミットしているだけでなく、アーリーエントリーによって2027年ドラフト参加が可能とのことで、生半可な契約金では厳しいような気がします。

Hit Power Run Arm Field
40 45 55 45 55

優れたハンドスピードから繰り出す左のコンパクト・スイングは上位のバットスピードを計測しており、選球眼の評判も良好。右のスイングのバットスピードが左と比べ劣るものの、スイッチヒッターにおける重要度はLHB>>RHBですからね。

また、VBAが余りにも急で、アッパーゾーンでもフラットとならない左のスイングパスが懸念の声を集めていますが、Trey SweeneyやSpencer Jonesも同じような感じだったので、意外とNYYからは好まれるかもしれません。(対照的に右はフラットです。)

とは言え、寒冷地域でプレーしているためハイクオリティなピッチと相対する場面は少ないだろうし、優れたトレックレコードに欠けることも考えると、やはりヒッティング・スキルについては不安が残ります。

60ヤード走6.68秒を計測するスピードは平均超。

そのスピード(フットワーク)と高校超級のハンドリングを活かしたSS守備も評判が高く、プロレベルでも同ポジションに留まると予想する声が多数。

言うまでもなく年齢は大きなマイナスポイント。


Chris Levonas

クリス・レボーナス:18歳5ヶ月(2006年2月生):188cm
クリスチャン・ブラザーズ・アカデミー(ニュージャージー州):SP/RHP

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 61位 4/24
MLB.com 90位 4/24
Joe Doyle 59位 4/15
ESPN 5/8
The Athletic 4/18
Perfect Game 48位 4/4
Prep Baseball Report 57位 5/3
Azad Earl 73位 4/29

Bryce MeccageWilliam Kirkと共にニュージャージー州高校生ピッチャーBig3の一角を占め、昨年のサマーシーズンに急成長を見せ一目置かれる存在に。

さらに、今シーズンは制球力の向上を見せるなど優れたパフォーマンスを残しており、ドラフトが近づくに連れて着実に評価を伸ばしています。

Season G IP ERA H K BB
2022 1 5.0 5.60 3 9 5
2023 6 42.2 0.98 17 72 12
2024 5 25.2 0.55 8 55 7

Chase BurnsNick KurtzSeaver Kingがセンセーションを巻き起こしているウェイク・フォレスト大学へのコミットが強いとのことで、Tyler Bellと同じく高額なボーナスが必要となるはずですが、NY近郊の上位指名候補を軽視はできません。

ちなみに、今週の登板では約30人のMLBスカウトが集まった模様。

FB CT SL CB CH Cmd
60 40 50 50 40 40
FB/be FB/vel CT/vel SL/vel CB/vel CH/vel
98 93~94 88~89 81~82 76~77 87~89

ディセプションとリピート性に欠ける3/4スロット・メカニクスから投げ込まれるFFは最速98 mph・最高2600 rpmを計測しており、フィジカル面の成長に連れて更なるスピードアップが期待されるプラスピッチ。

将来に100 mphを計測しても驚きではありません。

2600~2700 rpmを計測するスラーブ気味のSLと3000 rpmに達するCBは共に決め球・第2の変化球として不足なく、昨シーズンと比べ今シーズンはより差別化が図られている印象。

ただ、LHB対策としてCHとCTのクオリティ向上が必要かと。

先述したように今シーズンは制球面が好調ですが、コマンドの期待値が高いとは考えられず、リスキーかつアップサイドが魅力的な素材型であることは確か。


Griffin Burkholder

グリフィン・バークホルダー:18歳10ヶ月(2005年8月生)
188cm:フリーダム高校(ヴァージニア州):CF

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 50位 4/24
MLB.com 93位 4/24
Joe Doyle 59位 4/15
ESPN 5/8
The Athletic 4/18
Perfect Game 125位 4/4
Prep Baseball Report 55位 5/3
Azad Earl 4/29

高校球界最上級の身体能力を誇るアスリートで、不作な高校生野手の中でも数少ないフィジカルエリートとして際立っています。

8~9月のイベントやツールテストで印象的なパフォーマンスを残したことで評価を上げていますが、最近ではワシントン・ポストが特集を組み話題となりました。

Hit Power Run Arm Field
35 50 65 50 50

高い身体能力を武器に優れたバットスピードとEVを計測。

昨シーズンのスイングは酷い代物でしたが、映像を見る限り今シーズンから大幅な改造が加えられており、幾分かマシとなった印象。

60ヤード走においてダブルプラス級の6.29秒を叩き出し、RHBながらも1B到達タイムは良好。

そのスピードとOF送球 93 mphを計測したアームが上手く組み合わされば、プロレベルでもCFへのスティックを期待したいところ。

とは言え、高い年齢とプロジェクションの余地に欠ける体格は多くのチームを上位指名から遠ざけるはずで、身体能力が高いアスリートを3年連続で1stピックしているNYYでも流石に…。