今回は「ヤンキースの2024年MLBドラフト1巡目指名候補」の番外編として、個人的なフェイバリット・プロスペクトを取り上げます。
Another Gaucho HR, this time it’s Ivan Brethowr! @UCSB_Baseball leads 4-0! #OnlyTheBold x #GoChos x #RoadToOmaha pic.twitter.com/l0qW7scAes
— The Big West (@BigWestSports) June 2, 2024
Ivan Brethowr
アイヴァン・ブレットアワー:21歳4ヶ月(2003年2月生)
198cm:R/R:カリフォルニア大学サンタバーバラ校:SP/RHP
Draft Prospect Rankings |
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メディア | 順位 | 更新日 |
Baseball America | 462位 | 5/30 |
MLB.com | 194位 | 5/30 |
Joe Doyle | 159位 | 6/18 |
ESPN | ー | 5/8 |
Baseball Prospectus | ー | 4/11 |
The Athletic | ー | 5/22 |
Perfect Game | 263位 | 6/13 |
Prep Baseball Report | ー | 5/3 |
Azad Earl | ー | 6/18 |
8年前にRiley Pintを輩出したカンザス州の聖トマス・アクィナス高校に通い、当初はキャッチャーを務めていたものの、フィジカル(身長)の成長に伴いOFへコンバート。
地元リーグにて好成績を残し、上位のショーケースやサーキットへ参加。特にWWBAで素晴らしいパフォーマンスと木製バット適性を示すも、高いプロスペクト評価を得ることはできず、近年パッとしない名門アリゾナ州立大学へ進学。
進学後は、決して選手層が厚いとは言えない同大学で出場機会を得られず、フレッシュマンイヤーにおける先発出場はたった7試合。
中堅サマーリーグにて平均超の成績を残した後、出場機会を求めて同じカリフォルニア州内のUCSBへ転校。
Year | Age | Tm | Lg | Lev | G | PA | H | HR | RBI | SB | BB | SO | BA | OBP | SLG | OPS |
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2022 | 19 | Arizona State | P12 | NCAA | 16 | 38 | 9 | 2 | 6 | 0 | 4 | 8 | .290 | .395 | .516 | .911 |
2022 | 19 | Edmonton | WCL | Smr | 31 | 137 | 28 | 5 | 21 | 10 | 16 | 23 | .246 | .358 | .447 | .805 |
2023 | 20 | UC Santa Barbara | BigW | NCAA | 46 | 206 | 55 | 11 | 40 | 8 | 21 | 55 | .311 | .408 | .571 | .978 |
2023 | 20 | Healdsburg | CACL | Smr | 10 | 44 | 14 | 5 | 14 | 0 | 2 | 9 | .359 | .432 | .795 | 1.227 |
2023 | 20 | Brewster | CCBL | Smr | 7 | 26 | 2 | 0 | 0 | 0 | 3 | 11 | .100 | .308 | .100 | .408 |
2024 | 21 | UC Santa Barbara | BigW | NCAA | 50 | 229 | 52 | 15 | 39 | 6 | 25 | 42 | .275 | .402 | .566 | .968 |
UCSBでは無事にレギュラーの座を獲得し、All-Conference 1st Teamに選ばれるほどの活躍。
中堅サマーリーグでも爆発的なパフォーマンスを残しましたが、肝心のCape Cod Leagueには全く通用せず。
今シーズンは順調に成長を見せているものの、BABIPが.100以上も下落したことで表面的な成績は伸び悩み、”Draft Prospect Rankings”ボードを見ても分かるように上位指名は見込めない状況。
ただ、一部のエバリュエーターの間では密かにバスっており、個人的には今回の2024年クラスで一番のお気に入り。
Hit | Power | Run | Arm | Field |
30 | 65 | 55 | 60 | 45 |
マッシブなフィジカルの持ち主で、高校時代に急激に身長が伸び、今では身長6-6・体重250 lbと99パーセンタイル級のサイズに。
この身長ならAaron JudgeやGiancarlo Stantonと比べたくなるところですが、まだ上半身にビルドアップの余地を残しており、フィジカル面において比較対象にすべきはDavid Hensleyか。
また、規格外の身体(運動)能力を誇るアスリートであり、2020年1月(当時16歳11ヶ月・身長6-5)のUnder Armour All-America Pre-Season Tournamentで受けた身体能力テスト結果を下表に記していますが、「規格外」との表現が決して大袈裟なものではないことが分かるかと思います。
テスト | 計測記録 |
10 Yard Dash | 1.60 sec |
40 Yard Dash | 4.65 sec |
60 Yard Dash | 6.55 sec |
立ち幅跳び | 2.90 m |
外野送球 | 98 mph |
メカニクスについてはJudge、そして良くも悪くもStantonと似通った部分が多く、ハンドを下げたルーズなスタンスから、独特な体重移動によってVBAがスティープなインサイドアウトスイングを繰り出し、コースの高低かかわらず高いAttack Angleを生み出します。
昨シーズンに483 ftの特大HRを放ち、今シーズンはMax EV 114 mph・90th EV 107.7 mphを計測。
WWBAやサマーリーグでのパフォーマンスを踏まえると、木製バットでもGame Powerを発揮することが期待され、今後のビルドアップによって、EV等の数字は更に伸びることでしょう。
UC Santa Barbara also has outfielder Ivan Brethowr, a massive human being with massive power. Here’s a few cuts of his. pic.twitter.com/rkw0R5sxpM
— Josh Norris 🐻 (@jnorris427) February 18, 2024
巨体のバッターには珍しく極端なプルヒッター。
昨シーズンから今シーズンにかけて26.7% → 18.3%と大幅なK%カットに成功し、76.8 Contact%・24.5 Chase%は共に平均を上回っていますが、所詮はBig West Conference相手の数字。
2023年CCBLでの42.3 K%を踏まえると、ハイレベルなスタッフへの対応力に懸念が残ります。
1B到達タイムこそイマイチですが、スプリットランで良好なタイムを残していることから分かるように、巨体ながらもスピードは平均超。
高校時代やサマーリーグでは1Bでプレーする機会も少なくなかったため、OFとしてのプレー経験が比較的浅いとはいえ、守備スキルについてはあまり期待できないかも。
ただ、平均超のスピードと高校時代に外野送球98 mphを計測した強肩は、彼をRFのポジションへ留めることでしょう。
また、過去2シーズン連続で故障している点は懸念材料。
数多くの巨体プレーヤーと同様に粗削りかつリスキーですが、サイズと身体能力のコンビネーション、それから生み出される高いアップサイドは非常に魅力的で、もし私がフロントオフィス最高幹部であればドラフト2日目前半でのピックを検討する素材です。