ヤンキースの2024年MLBドラフト1巡目指名候補:その13

2024年MLBドラフトにおけるヤンキースの上位指名候補について

”1巡目指名候補”から”2巡目指名候補”へと表題を変更すべきかもしれません。



Ryan Johnson

ライアン・ジョンソン:21歳11ヶ月(2002年8月生)
198cm:ダラス・バプティスト大学:SP/RHP

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 48位 5/30
MLB.com 43位 5/30
Joe Doyle 43位 6/18
ESPN 53位 5/8
Baseball Prospectus 57位 4/11
The Athletic 77位 5/22
Perfect Game 46位 6/13
Prep Baseball Report 48位 5/3
Azad Earl 50位 6/18
Luke Wortman 13位 6/20

高校生投手天国テキサス州にてホームスクーリング制度を利用した異色の存在で、兄はMIA傘下のM.D. Johnson

95 mph以上を計測するパワーピッチャーとして2021年クラス同州上位の評価を獲得し、兄も通った地元のダラス・バプティスト大学へ進学

1年目はSPとRPの両方を務め、SPローテに定着した昨シーズンはカンファレンス最高のK%を記録。

シーズン終了後には全米大学代表チームの一員となりました。

Year Age Tm Lg ERA G IP H HR BB SO WHIP BB9 SO9 SO/W
2022 19 Dallas Baptist MVC 4.30 18 58.2 58 8 22 47 1.364 3.4 7.2 2.14
2023 20 Dallas Baptist CUSA 4.43 16 87.1 79 13 22 116 1.156 2.3 12.0 5.27
2024 21 Dallas Baptist CUSA 2.21 16 106.0 83 6 14 151 0.915 1.2 12.8 10.79

そして、今シーズンはNCAA DivⅠ全体3位となる151 Kを奪い、ドラフト初日のスリーパー・プロスペクトに。

長所と短所がハッキリしているピッチャーなので、各チームの評価も白黒ハッキリ分かれそう。

個人的には好みなプロスペクト。

FB SW CT CH Cmd
50 55 40 45 50
FB/be FB/vel SW/vel CT CH/vel
100 92~95 82~83 87~88 84~86

恵まれた体格(身長6-6)とディセプションに欠けるクソみたいなメカニクスから投げ込まれるSIは100 mphの大台に到達。

ただ、球速はシーズンを通し不安定で、95 mph弱に落ち着く場合が比較的多い模様。

空振りを奪ったり、ウィークコンタクトを誘発するようなハイクオリティなピッチではなく、投球割合は30%程度に留まっています。

Low-80s mphのSSWのエフェクトが大きなSWは高いWhiff%を誇るクオリティピッチで、投球割合が50%に達するライフライン。

+5 mph程度のCTと組み合わせることで、より高い効果を発揮している印象。

CHもスピンアクシスこそ優れているものの、実戦であまり投げておらず、あくまでもブレーキングボール主体のピッチャー。

変則的なメカニクスにもかかわらず、コマンド/コントロールの完成度が高く、昨年までは辛抱強くSLをChase Zoneに投げ込む”逃げのピッチング”を行っていましたが、今シーズンからより積極的にIn-Zoneを攻めストライクを奪っているようです。

K%の割にChase%やZ-Whiff%が伸び悩んでいるのですが、コマンドやピッチクオリティ云々よりもメカニクスのディセプションやピッチタナリングが原因かと。


Dante Nori

ダンテ・ノーリ:19歳9ヶ月(2004年10月生)
178cm:R/R:ノースビルHS(ミシガン州):CF

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 81位 5/30
MLB.com 47位 5/30
Joe Doyle 112位 6/18
ESPN 60位 5/8
Baseball Prospectus 4/11
The Athletic 69位 5/22
Perfect Game 47位 6/13
Prep Baseball Report 53位 5/3
Azad Earl 81位 6/18
Luke Wortman 223位 6/20

1960年代にMiLBでプレーしたFrederick Noriを祖父、そして15年以上に渡ってNBAでコーチを務めるMicah Noriを父に持つサラブレッド。

ショーケース・サーキットやArea Code Games、WWBAにて一貫して良好なパフォーマンスを残しており、当然ながら低レベルな地元リーグでも活躍を見せています。

ただ、高校生最年長級の年齢と完成されたフィジカルが大きく足を引っ張り、ドラフト初日に特攻するチームが現れる可能性は×。

ちなみに、NYYが熱心にスカウティングを行っているようで、2巡目(全体53位)指名の有力候補と考えられています。

まあ何にせよ、$1m以上のボーナスを得られない限り、コミット先のミシシッピ州立大学へ進学して、2026年ドラフトに再挑戦する道を選ぶのではないでしょうか。

Hit Power Run Arm Field
40 40 70 55 55

打撃練習で優れたEVを残し、HRダービーでも好成績を残すなど、体格に見合わぬRaw Powerを秘めるバッター。

ただ実戦では、無駄がないシンプルかつコンパクトなスイングから広角にラインドライブを放つコンタクト志向のギャップヒッターへと変貌。

Upper ZoneだけでなくMiddle Zoneのピッチに対してもスイングがフラットとなる傾向にあり、実際に低弾道に苦しんでいるようです。

PG National Showcaseで60ヤード走6.16秒、Area Code Gamesで6.15秒を計測するなど、純粋なスピードは80グレード近傍。

ただ、地元リーグ等での走塁成績やフィジカル面の完成度を踏まえると、ダブルプラスに落ち着くかと思います。

その並外れたスピードに加え、外野送球にて97 mphを計測していることから、将来的に平均超のCFへ成長する可能性十分。 

全体的にTJ Friedlがシーリング付近(90~99パーセンタイル)になってくるのかなと。

何はともあれ、NYYが2巡目で狙っている点については賛成です。


Mike Sirota

マイク・シロータ:21歳0ヶ月(2003年6月生)
190cm:R/R:ノースイースタン大学:CF

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 69位 5/30
MLB.com 55位 5/30
Joe Doyle 48位 6/18
ESPN 66位 5/8
Baseball Prospectus 12位 4/11
The Athletic 67位 5/22
Perfect Game 51位 6/13
Prep Baseball Report 5/3
Azad Earl 57位 6/18
Luke Wortman 48位 6/20

偉大なるWhitey Fordの甥の息子にあたり、ニューヨーク近郊で生まれ育ったNYYファン。

高校時代はドラフト2日目後半~3日目前半クラス評価を集めるも、シニアシーズンに左手を骨折したこともあり、NYYが毎年のようにドラフト指名を仕掛けているボストンのノースイースタン大学へ進学。

早生まれながらもフレッシュマンイヤーから結果を残し、翌シーズンの大ブレイクによってドラフト1巡目前半での指名が期待されるトッププロスペクトに。

Year Age Tm Lg G PA H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS
2022 19 Northeastern CAA 37 164 46 4 10 17 29 .326 .411 .511 .922
2022 19 Brewster CCBL 11 34 6 0 1 9 5 .250 .471 .292 .762
2022 19 Hyannis CCBL 18 77 21 2 4 9 19 .339 .442 .532 .974
2023 20 Northeastern CAA 55 265 74 18 19 44 49 .346 .472 .678 1.149
2023 20 Hyannis CCBL 8 33 7 1 2 9 9 .304 .515 .522 1.037
2024 21 Northeastern CAA 51 256 57 7 19 59 48 .298 .473 .513 .986

しかし、今シーズンは開幕からスランプに陥り、シーズン終盤戦に固め打ちを見せある程度まき返すも、ドラフト・プロスペクトとしての評価は下落。

中堅カンファレンスCAAでこの程度の成績に終われば、通常なら上位指名は期待できないはずですが、3年間に渡ってCape Cod Leagueで確固たる実績を残し、優れたトラッキングスタッツを記録していることで、現状として2巡目指名が有力視されています。

Hit Power Run Arm Field
45 40 55 55 55

NCAA最高級の選球眼の持ち主で、クラウチングスタンスによってゾーンを絞り、過去2シーズンは12.9% → 13.2% Chase%を記録。

バットコントロールが特段優れているわけではありませんが、スティープなスイングによってバレルフィールに長け、好調だった昨シーズンは優秀なLAやBarrel%を記録。

Max EV 110 mph・90th EV 104.6 mphのパワーは、加齢と今後のビルドアップによって更に成長することでしょう。

スピードとアームは共に平均を上回っており、CF守備をプラスツールと評するエバリュエーターも。

ダブルプラス級の選球眼とハイバリューな守備走塁のおかげで、(NCAAでの不安定なパフォーマンスを考量しても、)フロアーは非常に高いと考えられ、NYYの2巡目指名順位(全体53位)にてアベイラブルなら儲けものかと。