ヤンキースの2024年MLBドラフト1~2巡目指名候補:その15

2024年MLBドラフトにおけるヤンキースの上位指名候補について

RPへ多大なリソースを割くより、フリンジの安価なSPをブルペンに回す方が有意義だと思います。



Luke Dickerson

ルーク・ディッカーソン:18歳11ヶ月(2005年8月生)
183cm:R/R:モリス・ノールズHS(ニュージャージー州):SS

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 56位 7/1
MLB.com 49位 6/27
Joe Doyle 101位 6/18
ESPN 83位 5/8
Baseball Prospectus 4/11
The Athletic 5/22
Perfect Game 42位 6/13
Prep Baseball Report 61位 5/3
Azad Earl 6/25
Luke Wortman 131位 6/20

昨年のショーケース・サーキットで大活躍を見せたNYYお好みのニュージャージー民。

今シーズンはアイスホッケーにて州王者に輝くと、野球においてはMike Troutに並ぶ州タイ記録となるシーズン18 HRの大活躍。

言うまでもなく州最優秀プレーヤーに選ばれています。

Season AB H 1B 2B 3B HR BB SB AVG SLG
2021 56 21 15 1 4 1 4 1 .375 .589
2022 83 34 14 11 2 7 18 12 .410 .843
2023 89 43 19 12 4 8 33 18 .483 .978
2021 105 49 20 11 0 18 24 27 .467 1.086

今クラス屈指のレイトライザーとして、ドラフトが近づくに連れ注目度と評価が急上昇しており、BAによるとNYYも相当なウェイトを置いている模様。

NYYは1巡目アンダースロット → 2~3巡目高校生オーバースロットを目論んでいるとの噂もあるので、あとはDickerson側の提示額次第かな。

Hit Power Run Arm Field
40 50 65 40 45

肩幅が大く筋肉質なランニングバック体型から同郷のMike Troutと比較されていますが、体型だけでなく柔軟性に欠ける打撃メカニクスも考慮すると、個人的にはRyder Greenが似通っているなと。

ここ1年のパフォーマンスを踏まえれば、ピュア・ヒッターと呼んでも差し支えないプレーヤーで、バットスピードやEVが特別優れているわけではないものの、ロフトスイングとバッティングセンス&バレルフィールによって広角にパワーを発揮。

上半身と下半身の連動性に課題あるメカニクスを修正すれば、EVはもっと伸びるはず。

弱肩のためにプロ入り後もSS/3Bでプレーするのは厳しく、2Bへのコンバートが濃厚。

ただ、60ヤード走6.24秒のスピードを活かすため、CFへのコンバートを予想する声も多数。


Kyle DeBarge

カイル・デバージ:21歳0ヶ月(2003年7月生)
175cm:R/R:ルイジアナ大学:SS

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 88位 7/1
MLB.com 67位 6/27
Joe Doyle 53位 6/18
ESPN 85位 5/8
Baseball Prospectus 4/11
The Athletic 5/22
Perfect Game 58位 6/13
Prep Baseball Report 74位 5/3
Azad Earl 64位 6/25
Luke Wortman 26位 6/20

高校時代はキャッチャーを守り、大した評価を得られないまま中堅カンファレンスのルイジアナ大学へ進学。

2年目となる昨シーズンにバッティングが開花し、上位指名が期待される存在となりました。

Year Age Tm Lg G PA H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS
2022 18 Louisiana-Lafayette SBC 60 266 67 3 16 21 28 .293 .353 .397 .750
2023 19 Louisiana-Lafayette SBC 54 244 76 7 18 21 21 .371 .448 .546 .994
2023 19 Falmouth CCBL 25 114 27 0 2 10 15 .267 .336 .297 .633
2024 20 Louisiana-Lafayette SBC 62 290 91 21 10 24 30 .356 .418 .699 1.117

Cap Cod Leagueでの物足りないパフォーマンスを経て、今シーズンは更に数字を伸ばし、カンファレンスのPlayer of the Yearに。

アンダースロットを狙って予想以上の高順位でピックするチームが現れそうな雰囲気。

Josh SmithCooper BowmanRoc Riggioと2年に1度のペースで小柄な大学生IFを上位ラウンドでピックしているNYYのレーダーにも掛かっているはず。

というか、全体的なプロファイルはほぼJared Sernaです。

Hit Power Run Arm Field
45 35 55 50 55

95%近いZ-Con%と20%弱のChase%を生み出すハイOBP志向のヒッターですが、今シーズンはスクールレコードとなる21本塁打を記録するなど、体格に見合わぬGame Powerを発揮。

ただ、Cap Cod Leagueにてパワーレスな数字に終わったことで、木製バットでパワーを発揮するのは厳しいと考えられており、フラットなスイングによってLAも低め。

フィジカル的にプロジェクションの余地は限られています。

平均以上のスピードとアームを活かしたSS守備はプロレベルでも通用する水準と評され、実際に守備成績(DRS)も良好。

早生まれにより若い部類に入るものの、ハイフロアーな即戦力として期待。


Bryce Meccage

ブライス・メッケージ:18歳4ヶ月(2003年3月生)
193cm::ザ・ペニントンHS(ニュージャージー州):SP/RHP

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 71位 7/1
MLB.com 51位 6/27
Joe Doyle 58位 6/18
ESPN 70位 5/8
Baseball Prospectus 4/11
The Athletic 75位 5/22
Perfect Game 65位 6/13
Prep Baseball Report 62位 5/3
Azad Earl 6/25
Luke Wortman 111位 6/20

Chris LevonasWilliam Kirkと共にニュージャージー州高校生ピッチャーBig3の一角を占め、Levonasとは異なり昨年から高い評価を集めているプロスペクト。

Season G IP ERA H K BB
2021 5 15.0 2.80 8 24 16
2022 5 13.0 1.62 6 21 10
2023 7 29.2 0.24 10 66 7
2024 5 22.0 0.64 0 47 9

今シーズンは5試合・22.0 IPを投げシーズン・ノーヒッターの快挙を達成。

個人的には2~3巡目クラスかと思いますが、ドラフト1日目で指名を受ける可能性は少なくありません。

FB SL CB CH Cmd
50 55 50 35 40
FB/be FB/vel SL/vel CB/vel CH/vel
98 93~94 82~83 77~78 86~87

癖がないシンプルなメカニクスから投げ込まれるFFは時折2500 rpmをオーバー。

試合の中で球速を維持することに苦労している印象ですが、ここ1年間の球速の伸びは凄まじいものがあります。

決め球のSLは3000 rpm弱に達する平均超のピッチ。スピンアクシスや変化量はスラーブと呼ぶべきような数字で、同じくハイスピンのCBからもう少し差別化すべきかと。

CHは完成度が低く、SL&CBから大きく後れを取っているのが現状。

コマンドも決して安定しておらず、それなりのリスクを抱えているプロスペクトです。


Jared Thomas

ジャレッド・トーマス:21歳0ヶ月(2003年7月生)
188cm:L/L:テキサス大学:1B/CF

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 58位 7/1
MLB.com 60位 6/27
Joe Doyle 52位 6/18
ESPN 64位 5/8
Baseball Prospectus 46位 4/11
The Athletic 80位 5/22
Perfect Game 54位 6/13
Prep Baseball Report 5/3
Azad Earl 29位 6/25
Luke Wortman 63位 6/20

高校時代は2年連続でテキサス州のAll-State Teamに選出されるなど活躍を見せるも、地元の名門テキサス大学へ進学。

昨シーズンはフレッシュマンながらも優れたPlate Disciplineスタッツを残し、注目のアーリーエントリー案件に。

Year Age Tm Lg G PA H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS
2023 19 Texas B12 64 250 69 4 10 27 38 .321 .398 .484 .881
2024 20 Texas B12 60 291 87 16 18 31 60 .349 .435 .635 1.069

今シーズンはコンタクトヒッターからパワーヒッターへ急激なシフトを見せ、成績を見る限りそのアプローチ変更は大正解だった模様。

ただ、JJ WetherholtCarson Bengeなど50 FV以上のトッププロスペクトと変わらぬ数字を残していますが、本拠地が非常にヒッターフレンドリーであることには注意が必要です。

Hit Power Run Arm Field
45 45 50 50 45

ノーステップ打法から美しいスイングを繰り出し、スティープなVBAによってLow Zoneにローボールをしっかりとバレルするピュアヒッター。

先述したようにアプローチへ大幅な改造を加え、昨シーズンから今シーズンにかけて、85.4 Contact%・19.5 Chase%が80.4 Contact%・27.5 Chase%へ悪化する代わりに、90th EVが101.6 mphから105.1 mphへ上昇。

まだまだ線が細いフィジカルへビルドアップを加えることで、将来的に更なるパワーアップが期待されます。

平均レベルのスピードとアームを兼ね備え、本来ならCFを守るべきところですが、チーム事情によって2年連続で1Bがメインポジションに。

Cody Bellingerのように1Bではプラス、CFでは平均レベルの守備が見込まれるとのこと。