ヤンキースの2024年MLBドラフト1~2巡目指名候補:その17

2024年MLBドラフトにおけるヤンキースの上位指名候補について

とうとう今年もヤンカスの無茶苦茶なTrade Proposalを目にする時期がやってきましたね。

今回はOswal PerazaやEverson Pereira、Will Warrenなどの粗大ゴミを押し付けようと躍起なようです。



Ethan Anderson

イーサン・アンダーソン:20歳9ヶ月(2003年9月生)
188cm:S/R:ヴァージニア大学:C/1B

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 59位 7/1
MLB.com 78位 7/9
Joe Doyle 76位 6/18
ESPN 52位 7/9
Baseball Prospectus 31位 4/11
The Athletic 50位 5/22
Perfect Game 90位 6/13
Prep Baseball Report 82位 5/3
Azad Earl 59位 7/8
Luke Wortman 227位 6/20

高校球界屈指のキャッチャーとして地元の強豪ヴァ―ジニア大学へ進学。

トッププロスペクトのKyle Teelが正捕手を務めていたことで、昨シーズンまでは1Bを守り、今シーズンからキャッチャーに復帰。

Year Age Tm Lg G PA H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS
2022 18 Virginia ACC 50 186 48 5 0 21 38 .302 .403 .497 .900
2023 19 Virginia ACC 65 308 97 15 3 42 32 .375 .469 .649 1.118
2023 19 Harwich CCBL 22 91 16 2 1 6 15 .195 .253 .293 .545
2024 20 Virginia ACC 63 301 82 8 5 40 32 .331 .435 .508 .943

昨シーズンにTeelにも劣らぬ好成績を残したものの、Cap Cod Leaegueでのダウンスイングを挟み、今シーズンは期待を下回る中途半端なパフォーマンスを披露。

ドラフト本番ではチームメイトのGriff O’Ferrallに先を越されそうな雰囲気ですが、ナチュラルなキャッチャーと見做すチームが現れれば…

Hit Power Run Arm Field
45 40 40 50 40

今クラス屈指のスイート・スイングからNCAA上位のコンタクトスキルを発揮。

バットのグリップを変更したり、ノーステップ打法を持ち出すなどストライクカウントによって臨機応変なアプローチを見せています。

ただ、平均を下回るRaw Power(90th EV 104.5  mph)をスティープなロフトスイングによって補っていると評されていますが、LAスタッツやBarrel%は伸び悩んでおり、Game Powerの将来性については疑問符が。

身体能力は平均レベル(つまりC/1Bの中では平均超)の印象で、肝心のキャッチャー守備についての評価はマチマチ。

キャッチャーとしては優秀なバッターですが、1Bへ再コンバートとなると打撃力は物足りない水準なわけで、ポジションバリューの期待値を如何に考えるかが全てでしょう。


Ben Hess

ベン・ヘス:21歳9ヶ月(2002年9月生)
195cm:アラバマ大学:SP/RHP

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 38位 7/1
MLB.com 44位 7/9
Joe Doyle 60位 6/18
ESPN 57位 7/9
Baseball Prospectus 28位 4/11
The Athletic 54位 5/22
Perfect Game 48位 6/13
Prep Baseball Report 70位 5/3
Azad Earl 56位 7/8
Luke Wortman 60位 6/20

アラバマ州上位の右腕として地元の強豪アラバマ大学へ進学。

高校時代からスぺ体質に苦しんでおり、大学入学から2シーズン連続でフルシーズンを逃すも、コンスタントに支配的なピッチングを見せ、ハイシーリング型の1巡目指名候補に。

Year Age Tm Lg ERA G GS IP H HR BB SO WHIP BB9 SO9 SO/W
2022 19 Alabama SEC 4.54 11 8 33.2 23 6 19 50 1.248 5.1 13.4 2.63
2022 19 Falmouth CCBL 1.64 3 3 11.0 7 0 5 15 1.091 4.1 12.3 3.00
2023 20 Alabama SEC 3.22 7 7 36.1 28 7 8 49 0.991 2.0 12.1 6.13
2024 21 Alabama SEC 5.80 15 15 68.1 60 13 35 106 1.390 4.6 14.0 3.03

Provided by Baseball-Reference.com: View Original Table

しかし、今シーズンは健康体を維持したにも拘らず、制球難に苦しみパフォーマンス低迷。

未だに1巡目指名のスリーパーと考えるエバリュエイターは少なくありませんが、結局のところ2巡目指名が現実的。

FB SL CB CH Cmd
55 45 55 40 35
FB/be FB/vel SL/vel CB/vel CH/vel
99 93~95 85~86 78~80 Mid-80s

巨体を目一杯に用いる踏み込みの大きなメカニクスによって、5.8′ Rel-ZのロースロットからフラットなナチュラルSIを投げ込み、Upper Zoneで空振りを奪うパワーピッチャー。

ブレーキングボールはCTライクなSLとスラーブ気味のCB(2600 rpm超)の2種類を持ち合わせ、どちらが優れているかは評価が分かれていますが、一般的にはCB>SLとの意見が強く、個人的にもCBが上位だと思います。

(そもそも、CBについては今シーズン中に改良を加えています。)

FBと10+ mphの球速差があるCHはVBよりHBを優先したピッチで、ブレーキングボールには及ばないクオリティ。

彼にとってのvs RHBのプットアウェイ・ピッチはCHではなくCBです。

恵まれた体格と高いピッチクオリティの代償として、コマンド/コントロールの期待値はRPクラス。

高校時代からBB%が高く、昨シーズンは治まっていた制球難を今シーズンに再発。

球数が簡単にかさむおかげで、長いイニングを投げることは稀。


Peyton Stovall

ペイトン・ストーバル:21歳5ヶ月(2003年2月生)
180cm:L/R:アーカンソー大学:2B

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 122位 7/1
MLB.com 77位 7/9
Joe Doyle 73位 6/18
ESPN 84位 7/9
Baseball Prospectus 4/11
The Athletic 23位 5/22
Perfect Game 155位 6/13
Prep Baseball Report 5/3
Azad Earl 37位 7/8
Luke Wortman 98位 6/20

ルイジアナ州No.1プレップとして強豪アーカンソー大学へ進学。

フレッシュマン・シーズンからハイレベルなSECとCap Cod Leagueで期待通りのパフォーマンスを残すも、翌年は右肩の故障により低迷。

そのまま5月以降はプレーすることがありませんでした。

Year Age Tm Lg G PA H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS
2022 19 Arkansas SEC 52 226 59 6 1 19 39 .295 .373 .425 .798
2022 19 Falmouth CCBL 21 91 19 2 1 12 5 .250 .363 .355 .718
2023 20 Arkansas SEC 38 176 38 5 3 15 27 .253 .330 .393 .723
2024 21 Arkansas SEC 48 230 68 9 2 20 41 .340 .409 .535 .944

今シーズンは開幕直前に足を骨折し出遅れ。

昨シーズンと比べ大幅に向上したとは言え、カンファレンス内では60パーセンタイル程度の成績に終わりました。

Hit Power Run Arm Field
45 45 50 40 50

コンタクトスキル(80.7 Contact%)と選球眼(20.9 Chase%)のコンビネーションはNCAA上位のクオリティ。

ハンドコックが特徴的な左のスムーズなスイングは見た目以上のパワーを秘め、Max EV 111 mph・90th EV 105 mphを計測。

適切なリフトによって優れたSweet Spot%を生み出しており、将来的に思いもよらぬGame Powerを発揮する可能性も。

また、ファストボール・ヒッターとして有名で、プロのハイスピードピッチにも適応するはず。

2Bの評判は宜しくなく、LFへのコンバートを見込む声も。

個人的にはプロレベルでも2Bへステイできると考えますが、平均レベルのスピードと弱肩がポジションの流動性を制限しています。

ハイフロアー型に見えますけど、完全な健康体に戻ればハネそうな素材。


Gage Miller

ゲージ・ミラー:21歳4ヶ月(2003年3月生)
183cm:R/R:アラバマ大学:3B

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 110位 7/1
MLB.com 68位 7/9
Joe Doyle 123位 6/18
ESPN 73位 7/9
Baseball Prospectus 4/11
The Athletic 95位 5/22
Perfect Game 80位 6/13
Prep Baseball Report 84位 5/3
Azad Earl 67位 7/8
Luke Wortman 103位 6/20

ショーケース・サーキットにほとんど参加しなかったため、高校時代は無名に近いプレーヤーであり、地元から遠く離れたコミニュティ・カレッジのビショップ・ステート校(アラバマ州)へ進学。

2シーズンに渡り好成績を残したことで、強豪アラバマ大学の目に留まり、Ben Hessのチームメイトとなりました。

Year Age Tm Lg G PA H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS
2024 21 Alabama SEC 55 268 83 18 0 27 24 .381 .474 .702 1.176

コミニュティ・カレッジ・カンファレンスとは桁違いにハイレベルなSECへ易々と適応し、数々のドラフト1巡目指名候補に並ぶ好成績を記録。

トラックレコードに欠ける未知数のプロスペクトですが、今シーズンの大活躍によって2~3巡目指名が期待されています。

Hit Power Run Arm Field
45 45 35 45 40

コンパクトかつシンプルなスイングは一貫性が高く、81.6 Contact% & 22.9 Chase%はPeyton Stovallとほぼ同じ。

Raw Power(90th EV 102.9 mph)は平均を下回っていますが、プルサイドにフライを打ち上げるスキルに長け、Game Powerはフリンジレベル。

サマーリーグで好成績を残しているものの、低レベルなリーグでの話なので、木製バットへの適応力は未知数。

身体能力に恵まれておらず、守備走塁の期待値は△。

1Bへコンバートされる可能性も低くありません。