ヤンキースの2024年MLBドラフト2~3巡目指名候補:その18

2024年MLBドラフトにおけるヤンキースの上位指名候補について

MLBは何故こんなにも女々しくなってしまったのでしょうか?

ジャニーズ野球大会の方が100倍豪胆ですね。



Braylon Payne

ブレイロン・ペイン:17歳11ヶ月(2006年8月生)
188cm:L/L:エルキンズHS(テキサス州):CF

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 54位 7/10
MLB.com 53位 7/9
Joe Doyle 70位 7/10
ESPN 38位 7/9
FanGraphs  92位 7/10 
Baseball Prospectus 7/11
The Athletic 78位 5/22
Perfect Game 57位 6/13
Prep Baseball Report 41位 5/3
Azad Earl 7/8
Luke Wortman 71位 7/11

2002年に全体19位指名のJames Loneyを輩出したローレンス・E・ エルキンズ高校にて2巡目指名が期待されているアスレチックなプレップ。

18歳となる前にドラフトを迎える今クラス最年少級のプロスペクトであり、ヒューストン大学へのコミットが強く、オーバースロットなボーナスが必要となる雰囲気。

Hit Power Run Arm Field
45 40 70 45 50

60ヤード走6.28秒を計測するダブルプラスのスピードが最大の武器。

アームは平均を下回っていますが、これだけのスピードがあればFuture CFと見做すべきでしょう。

フィジカル面にプロジェクションの余地を残すため、メカニクスの完成度が低く、パワーレスなギャップヒッターに甘んじている現状。

スイング後のステップが素早く、持ち前のトップスピードとアクセラレーションを存分に活かし、単なるGBを内野安打へトランスレートしています。

また、高い身体能力にビルドアップとメカニクス改造を付け加えれば、フリンジレベルのパワーを期待できるかも。


Cole Messina

コール・メッシーナ:21歳2ヶ月(2003年5月生)
183cm:R/R:サウスカロナイナ大学:C

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 72位 7/10
MLB.com 100位 7/9
Joe Doyle 75位 7/10
ESPN 56位 7/9
FanGraphs 7/10 
Baseball Prospectus 7/11
The Athletic 5/22
Perfect Game 85位 6/13
Prep Baseball Report 5/3
Azad Earl 80位 7/8
Luke Wortman 337位 7/11

今クラス上位指名候補イチのデブ。

サウスカロライナ州高校球界No.1キャッチャーとして地元の強豪サウスカロナイナ大学へ進学。

Year Age Tm Lg G PA H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS
2022 19 South Carolina SEC 17 35 4 0 0 4 8 .133 .257 .133 .390
2023 20 South Carolina SEC 62 285 71 17 8 40 48 .307 .428 .615 1.043
2024 21 South Carolina SEC 59 286 73 21 8 50 67 .326 .465 .701 1.166

昨シーズンからレギュラーに定着すると、2シーズン連続でカンファレンス上位の打撃成績を記録。

サウスカロナイナ大学の本拠地がPF 0.90前後のピッチャーフレンドリー・パークであることも踏まえると、尚更インプレッシブなパフォーマンスです。

Hit Power Run Arm Field
40 50 30 50 45

良好なZ-Con%とChase%を残す巧打者で、昨シーズンは90th EV 104.2 mph・Max EV 108 mphに留まっていましたが、スイングレンジを大きくした今年度は90th EV 107.9 mph・Max EV 114.4 mphを計測などパワーアップ。

Cape Cod Leagueへの参加実績に欠けるものの、今シーズンのプレーオフにてハイレベルな相手に固め打ちを披露しています。

体格に見合わない身体能力の持ち主で、キャッチャー守備については高評価>低評価。

これ以上に太ることさえなければ、同ポジションにステイすることができそうです。

正しくAlejandro Kirkの下位互換といったところですね。


Emilien Pitre

エミリアン・ピートリ:21歳9ヶ月(2002年10月生)
180cm:L/R:ケンタッキー大学:2B

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 261位 7/10
MLB.com 173位 7/9
Joe Doyle 100位 7/10
ESPN 76位 7/9
FanGraphs 7/10 
Baseball Prospectus 7/11
The Athletic 5/22
Perfect Game 170位 6/13
Prep Baseball Report 5/3
Azad Earl 7/8
Luke Wortman 129位 7/11

カナダ上位のプレップと見做されていた存在で、Ryan Waldschmidtと同じくケンタッキー大学へ進学。

フレッシュマン・シーズンはほとんど出場機会を得られなかったものの、翌シーズンから2Bのレギュラーに定着。

Year Age Tm Lg G PA H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS
2022 19 Kentucky SEC 11 6 0 0 0 2 0 .000 .333 .000 .333
2023 20 Kentucky SEC 61 281 71 1 20 42 35 .318 .440 .413 .853
2023 20 Cotuit CCBL 17 73 15 1 0 10 12 .242 .343 .323 .665
2024 21 Kentucky SEC 62 295 72 10 26 47 38 .301 .420 .519 .939

今シーズンは優れたアプローチそのままにパワーナンバーを伸ばし、5巡目前後での指名が期待されるプロスペクトになりました。

ただ、Joe Doyleによると、NYYの指名候補として話題になっているとのことで、Damon Oppenheimer陣営が2~3巡目にてオーバーピックする可能性も。

Hit Power Run Arm Field
45 35 55 40 60

フィジカルには恵まれませんでしたが、完成度が高いメカニクスから高度なアプローチを発揮し、81.1 Contact%・16.3 Chase%の組み合わせは非常に魅力的。

SECの強豪校との対戦だけでなくCap Cod Leagueでも優れたK/BBを残しており、昨シーズンにはPaul Skenesを相手に3打数3安打を記録。

単にRaw Powerが劣っているだけでなく、低弾道の傾向を示しているためGame Powerの将来性もイマイチと考えられますが、90th EVは104.3 mphとそこまで悪くありません。

そもそもBABIPがダウンスイングしていなければ、表面的な成績も幾分かマシになっていたはず。

2B守備においてはエラーが少ないだけでなく広い範囲をカバー。守備成績(NCAA’s DRS)も優秀で、個人的には真のプラスツールと考えています。

ただ、肩の強さは平均を下回っているので、UTとして定期的にSS/3Bをプレーするならまだしも、両ポジションをメインに据えるのは厳しいかと。


Sean Keys

シェーン・キーズ:21歳1ヶ月(2003年5月生)
188cm:L/R:バックネル大学:3B

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 151位 7/10
MLB.com 211位 7/9
Joe Doyle 76位 7/10
ESPN 68位 7/9
FanGraphs 57位 7/10 
Baseball Prospectus 45位 7/11
The Athletic 5/22
Perfect Game 336位 6/13
Prep Baseball Report 5/3
Azad Earl 80位 7/8
Luke Wortman 60位 7/11

ヤンキー・スタジアムから車で1時間の地元出身。

高校時代はアスリートとしては無名の存在でしたが、学業が優秀だったことでバックネル大学へ進学。

Year Age Tm Lg Lev G PA H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS
2022 19 Bucknell PatL NCAA 17 34 6 1 0 3 7 .207 .294 .414 .708
2023 20 Bucknell PatL NCAA 47 205 57 13 3 24 30 .339 .444 .679 1.123
2023 20 Cotuit CCBL Smr 10 45 15 4 0 4 9 .385 .422 .769 1.191
2024 21 Bucknell PatL NCAA 46 213 66 13 4 35 26 .405 .535 .798 1.333
2024 21 Cotuit CCBL Smr 5 19 3 0 0 1 4 .177 .263 .177 .440

低レベルなカンファレンス(Patriot League)にてNo.1の打撃成績を残すと共に、Cape Cod Leagueなどサマーリーグでも好成績を記録。

異色の経歴によってプロスペクト評価が分断されており、トランキングスタッツが優れていることで一部界隈に高く評価されています。

Hit Power Run Arm Field
45 50 40 50 40

選球眼とアプローチに優れ、良好なZ-Con%とChase%(17.2%)を残していますが、ボール球をハードコンタクトするスキルも兼ね備えるソリッドなバッター。

適切なAttack Angleをジェネレートする理想的なスイングパスと90th EV 107.6 mphを記録するRaw Powerが組み合わさることで、高水準なBarrel%をキープしています。

CCBLでのパフォーマンスから木製バットへの適応力を窺い知ることができ、ハイフロアーなバッターと見做すべきかと。

ただ、ぽっちゃり体型と身体能力の欠如はバッティングのポテンシャルと守備走塁のタレントを貶めており、将来的に1Bへコンバートされる可能性十分。


Sawyer Farr

ソーヤー・ファー:19歳0ヶ月(2005年6月生)
193cm:S/R:ボズウェルHS(テキサス州):SS

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 76位 7/10
MLB.com 91位 7/9
Joe Doyle 79位 7/10
ESPN 68位 7/9
FanGraphs 7/10 
Baseball Prospectus 7/11
The Athletic 5/22
Perfect Game 56位 6/13
Prep Baseball Report 92位 5/3
Azad Earl 7/8
Luke Wortman 251位 7/11

Tyler BellGarrett Shullと並ぶ高校球界屈指のスイッチヒッター。

昨年のサマー・ショーケース・サーキットにて最上級のパフォーマンスを発揮し、ビッグスケールなハイシーリング型プレップとして2~3巡目級の評価を集めています。

アーリーエントリーによって2026年ドラフトへ参加可能なだけに、BellShullと同じく7ケタ級のボーナスを用意しなければ、コミット先のテキサスA&M大学へ進学することでしょう。

Hit Power Run Arm Field
40 50 50 55 45

バットコントロールと選球眼の両方に疑問符を投げかけられていますが、上述したように実戦で結果を残しているインゲーム・パフォーマーであり、長身瘦躯のボディは多大なるプロジェクションの余地を残しています。

スイッチヒッターでは珍しく両打席のメカニクスが似通っていて、両打席ともスイングパスに改善の必要があるかと思いますが、取り敢えず下半身がある程度完成するまではお預けかな。

SSとしてはオーバーサイズなものの、レンジやハンドリングの評価は良好で、同ポジションへのステイを見込む声多数。

アームが平均超なので、ホットコーナーにおいてならばソリッドなフィールディングが期待されます。

 
 
 
 
 
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Sawyer Strosnider

ソーヤー・ストロスナイダー:19歳0ヶ月(2005年6月生)
188cm:L/L:ブロックHS(テキサス州):CF

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 209位 7/10
MLB.com 154位 7/9
Joe Doyle 87位 7/10
ESPN 154位 7/9
FanGraphs 7/10 
Baseball Prospectus 7/11
The Athletic 5/22
Perfect Game 247位 6/13
Prep Baseball Report 90位 5/3
Azad Earl 50位 7/8
Luke Wortman 88位 7/11

名前、年齢、出身地、評価など数多くの点についてSawyer Farrと似通っているハイシーリング型プレップ。

実戦でのパフォーマンスが特段優れている訳ではありませんが、高校球界屈指の高い身体能力を誇り、一部界隈から高い評価を集めています。

テキサス・クリスチャン大学へコミットしており、 Farrと同じく高額なボーナスが必要かと。

Hit Power Run Arm Field
35 55 60 60 50

一貫性に欠ける完成度が低いスイングから、高校球界最上級のバットスピードを繰り出し、コンスタントに100+ mph EVを計測。

特に打撃練習ではプラス超のRaw Powerを発揮しているようです。

10ヤードスプリット1.56秒、30ヤード走3.66秒、60ヤード走6.58秒は何れもプラス級の数字で、野球と両立している走り高跳びにておいて2.01 mを記録(日本ならばインターハイ入賞級の数字)。

先日のMLB Draft CombineではOF送球 99 mphを叩き出しており、CF守備のアップサイドは中々のもの。

全体的に”粗削りなBlake Rutherford“といったイメージ。


「Sawyer」を日本語で表記するなら「ソイヤー」が正解ですが、日本では「トム・ソーヤーの冒険(The Adventures of Tom Sawyer)」が有名なので、当ブログでも便宜上「ソーヤー」と表記します。