ヤンキースの2024年MLBドラフト2~3巡目指名候補:その19

2024年MLBドラフトにおけるヤンキースの上位指名候補について

最後に2~3巡目級の気になるピッチャーを簡易的に取り上げます。



Ryan Forcucci

ライアン・フォークッチ:21歳8ヶ月(2002年12月生)
190cm:カリフォルニア大学サンディエゴ校:SP/RHP

Draft Prospect Rankings
メディア 順位
Baseball America 88位
MLB.com 86位
Joe Doyle 96位

長らくスぺ体質に苦しんでおり、シーズン序盤にドラフト1巡目指名を期待させる支配的なピッチングを披露するも、ケガによって3月中にシーズンエンド。

2巡目でピックするには余りにもリスキーですが、3巡目なら特攻する価値あり。

FB SL CB CH Cmd
60 50 40 45 45
FB/be FB/vel SL/vel CB/vel CH/vel
97 93~95 84~85 78~79 Mid-80s

99パーセンタイル級のIVBを誇るフォーシームが最大の武器。

特段優れた変化球を持ち合わせていないものの、コマンドはソリッド。

SPローテに留まれるか否かについては、スタッフではなく耐久性が左右するかと。


Levi Sterling

レヴィ・スターリング:17歳10ヶ月(2006年9月生)
195cm:ノートルダムHS(カリフォルニア州):SP/RHP

Draft Prospect Rankings
メディア 順位
Baseball America 55位
MLB.com 58位
Joe Doyle 77位

フィジカルと年齢だけでよだれが出てしまいそうな素材型。

数々の上位指名を輩出した名門ノートルダム高校(最近ではHunter Greeneが有名)に在学しており、野手(SS)としても評価されるアスリートです。

テキサス大学へコミット。

FB SL CB CH Cmd
50 45 40 50 45
FB/be FB/vel SL/vel CB/vel CH/vel
94 89~92 84~85 Mid-70s 83~84

全体的に球威が未完成。

左半身の使い方が悪く、リリースアクション時に十分なトルクを生み出せていない印象ですが、フィジカルの成長と加齢に連れて改善するはず。

世間的には変化球の中でSLを最も高く評価されているものの、個人的にはCHのフェードが印象的でした。

そういえばHunter GreeneもSSとの二刀流でしたね。あっちは17歳で100+ mphを計測していましたが。


Aiden May

エイデン・メイ:21歳2ヶ月(2003年4月生)
188cm:オレゴン州立大学:SP/RHP

Draft Prospect Rankings
メディア 順位
Baseball America 116位
MLB.com 82位
Joe Doyle 73位

アリゾナ大学からオレゴン州立大学への転校によって大ブレイク。

最も過小評価されている大学ピッチャーの1人。

FB SW CB CH Cmd
50 70 50 45
FB/be FB/vel SW/vel CB/vel CH/vel
98 94 84 89

Avg 84 mph・2900 rpm・17″~20″ HBのSweeperは2024年ドラフト最高の変化球。

90 mph弱の高速CHも40%超のWhiff%を生み出すクオリティピッチ。

速球はFFとSIを投げ分けていますが、投球頻度はFF>SI。

LHB相手に苦労しているので、ほとんど投げていないCTの向上がSPとしての生命線になるかと。


David Shields

デビッド・シールズ:17歳10ヶ月(2006年9月生)
188cm:マウント・レバノンHS(ペンシルベニア州):SP/LHP

Draft Prospect Rankings
メディア 順位
Baseball America 60位
MLB.com 41位
Joe Doyle 72位

傑出した若さと制球力がウリのレフティー。

リクラシファイによって今クラスの指名対象に。

FB SL CB CH Cmd
45 45 40 60
FB/be FB/vel SL/vel CB/vel CH/vel
94 89~91 Low-80s Mid-80s

現時点でハイクオリティなピッチを持ち合わせていませんが、コマンドについては高校球界No.1との声も。

また、高い身体能力やエフォートレスなメカニクス、未完成のフィジカル、年齢を踏まえると、将来的に球速バンプを経験する可能性十分。


Payton Tolle

ペイトン・トーリー:21歳8ヶ月(2002年11月生)
198cm:テキサスクリスチャン大学:SP/LHP

Draft Prospect Rankings
メディア 順位
Baseball America 82位
MLB.com 87位
Joe Doyle 46位

昨年の夏にウィチタ州立大学からテキサスクリスチャン大学へ転校。

Big 12 Conferenceで最高のK%を記録するなど対戦打者を圧倒しており、特に好調時は手が付けられませんが、裏を返せばパフォーマンスが不安定。

今シーズン途中まで二刀流としてプレー。

FB SL CB CH Cmd
55 45 35 45
FB/be FB/vel SL/vel CB/vel CH/vel
96 91~93 Low-80s Mid-80s

エクステンションが長いローアングルスロットのメカニクスから投げ込まれるFBはスペック以上の威力を発揮。

ピッチャーに専念することで球速バンプが期待されます。

Sweeperに近いSLはフリンジレベルのピッチで、LHBにとって厄介なピッチかと。

第2の変化球であるCHは平均を大きく下回っており、同じく弱弱しいCBはプロ入り後に捨て去るはず。

アップサイドは確かに魅力的ですが、余りにもRPリスクがデカすぎ。


Bryce Cunningham

ブライス・カニングハム:21歳9ヶ月(2002年10月生)
195cm:ヴァンダービルト大学:SP/RHP

Draft Prospect Rankings
メディア 順位
Baseball America 39位
MLB.com 63位
Joe Doyle 55位

ヴァンダービルト大学のエース。

NCAAシーズンでは一発病に苦しみERA&FIPが高止まりしていますが、Cap Cod Leagueにて好成績を記録。

ハイシーリング型として2巡目指名を有力視されています。

FB SL CB CH Cmd
55 45 55 40
FB/be FB/vel SL/vel CB/vel CH/vel
99 94~95 Mid-80s High-80s

ライディングアクションに長けるMid-90s mphのFFは平均超のクオリティ。

SLはフリンジレベルですが、平均超のハイスピンCHで空振りを奪っています。

個人的には過大評価かと。


Dax Whitney

ダックス・ホイットニー:18歳5ヶ月(2006年1月生)
195cm:ブラックフットHS(アイダホ州):SP/RHP

Draft Prospect Rankings
メディア 順位
Baseball America 45位
MLB.com 56位
Joe Doyle 44位

寒冷な地域でプレーしているため、シーズン序盤は球速が出ず評価も伸び悩みましたが、温かくなるに連れて本領を発揮。

レイトライザーとして話題を集めています。

FB SL CB CH Cmd
50 45 50 40 50
FB/be FB/vel SL/vel CB/vel CH/vel
96 90~92 80~82 75~77 81~82

非常に体の線が細く、将来的な球速アップは間違いなし。

2500~2600 rpmのSLとCBは平均前後の評価を受けており、CHも第3の変化球としては必要十分。

コマンド/コントロールも高校生の中では高く評価されています。


Drew Beam

ドリュー・ビーム:21歳5ヶ月(2003年2月生)
193cm:テネシー大学:SP/RHP

Draft Prospect Rankings
メディア 順位
Baseball America 41位
MLB.com 64位
Joe Doyle 64位

2022年シーズンにSECのFreshman of the Yearに輝き、今シーズンはSPローテの頭としてCWS優勝に貢献。

高校時代に肘の故障歴アリ。

FB CT SL CH Cmd
50 40 40 45 50
FB/be FB/vel CT/vel SL/vel CH/vel
98 94 90 84 86

ハイクオリティなピッチは持ち合わせておらず、クリーンかつスムーズなメカニクスからコマンド良く4ピッチを投げ込む技巧派。

その割にはパフォーマンスの波が大きく、プレーオフでは格下校相手に苦戦する場面も。

ちなみに、テネシー大学の本拠地は投手不利(1.10~1.20 PF)


Michael Massey

マイケル・マッシー:21歳3ヶ月(2003年4月生)
195cm:ウェイクフォレスト大学:SP/RHP

Draft Prospect Rankings
メディア 順位
Baseball America 94位
MLB.com 109位
Joe Doyle 94位

2年前に弱小テュレーン大学から強豪ウェイクフォレスト大学へ転校。

昨シーズンにリリーフエースとして驚異の48 K%を残し、今シーズンからSPに復帰。

しかし、制球難によって不安定なパフォーマンスが続き、4月末から故障によって1ヶ月近く離脱。復帰後はブルペンへ舞い戻ることになりました。

FB SL CB CH Cmd
60 55 40 40 35
FB/be FB/vel SL/vel CB/vel CH/vel
97 93~95 83~84 High-70s Mid-80s

ディセプションに優れたGriffin Canningライクなショートアームから20″ IVBを超えるプラスピッチのFFを投げ込む変則ピッチャー。

まともな変化球はMid-80s mphのSLのみで、RP登板時はほぼ2ピッチしか投げていません。

今シーズンのスタッツは持ち合わせていませんが、昨シーズンはFFが41Whiff%・SLが51Whiff%を記録。

彼のようなアームスロットのピッチャーって、ハイクオリティなCHを投げやすいイメージなのですが…


Duncan Marsten

ダンカン・マーステン:19歳1ヶ月(2005年5月生):190cm
ハーバード・ウェストレイクHS(カリフォルニア州):SP/RHP

Draft Prospect Rankings
メディア 順位
Baseball America 95位
MLB.com 98位
Joe Doyle 83位

2010年代以降だけで4人のドラフト1巡目指名プレーヤーを輩出している全米屈指のプレップスクールに在学し、2022年のトミー・ジョン手術を経て上位指名候補に。

既に19歳の誕生日を迎えており、ウェイクフォレスト大学へ進学して第2のRyan Cusickを目指す可能性も。

FB SL CB CH Cmd
60 50 45 40
FB/be FB/vel SL/vel CB/vel CH/vel
100 92~96 82~84 84~86

エフォートレスなメカニクスからMax 100 mphを計測していますが、シーズンを通して球速は安定せず、試合映像を見る限り1球単位においても球速が乱高下。

SLはスピンに欠けるものの、目視では良さげに見えました。

スピンを抑えたCHは少し過小評価されているかもしれません。