最後に2~3巡目級の気になるピッチャーを簡易的に取り上げます。
目次
Ryan Forcucci
ライアン・フォークッチ:21歳8ヶ月(2002年12月生)
190cm:カリフォルニア大学サンディエゴ校:SP/RHP
Draft Prospect Rankings |
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メディア | 順位 |
Baseball America | 88位 |
MLB.com | 86位 |
Joe Doyle | 96位 |
長らくスぺ体質に苦しんでおり、シーズン序盤にドラフト1巡目指名を期待させる支配的なピッチングを披露するも、ケガによって3月中にシーズンエンド。
2巡目でピックするには余りにもリスキーですが、3巡目なら特攻する価値あり。
FB | SL | CB | CH | Cmd |
60 | 50 | 40 | 45 | 45 |
FB/be | FB/vel | SL/vel | CB/vel | CH/vel |
97 | 93~95 | 84~85 | 78~79 | Mid-80s |
99パーセンタイル級のIVBを誇るフォーシームが最大の武器。
特段優れた変化球を持ち合わせていないものの、コマンドはソリッド。
SPローテに留まれるか否かについては、スタッフではなく耐久性が左右するかと。
Levi Sterling
レヴィ・スターリング:17歳10ヶ月(2006年9月生)
195cm:ノートルダムHS(カリフォルニア州):SP/RHP
Draft Prospect Rankings |
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メディア | 順位 |
Baseball America | 55位 |
MLB.com | 58位 |
Joe Doyle | 77位 |
フィジカルと年齢だけでよだれが出てしまいそうな素材型。
数々の上位指名を輩出した名門ノートルダム高校(最近ではHunter Greeneが有名)に在学しており、野手(SS)としても評価されるアスリートです。
テキサス大学へコミット。
FB | SL | CB | CH | Cmd |
50 | 45 | 40 | 50 | 45 |
FB/be | FB/vel | SL/vel | CB/vel | CH/vel |
94 | 89~92 | 84~85 | Mid-70s | 83~84 |
全体的に球威が未完成。
左半身の使い方が悪く、リリースアクション時に十分なトルクを生み出せていない印象ですが、フィジカルの成長と加齢に連れて改善するはず。
世間的には変化球の中でSLを最も高く評価されているものの、個人的にはCHのフェードが印象的でした。
そういえばHunter GreeneもSSとの二刀流でしたね。あっちは17歳で100+ mphを計測していましたが。
Draft prospect: Aiden May
He has one of the best sweepers I have seen in this draft class.
0” IVB and -18” HB at 83+
Main concern is left handed batters.
LHH: .322 wOBA
RHH: .236 wOBAThis is what I would do… pic.twitter.com/qAnmOuccpE
— Pitching Coach “U” (@PitchingCoachU) June 21, 2024
Aiden May
エイデン・メイ:21歳2ヶ月(2003年4月生)
188cm:オレゴン州立大学:SP/RHP
Draft Prospect Rankings |
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メディア | 順位 |
Baseball America | 116位 |
MLB.com | 82位 |
Joe Doyle | 73位 |
アリゾナ大学からオレゴン州立大学への転校によって大ブレイク。
最も過小評価されている大学ピッチャーの1人。
FB | SW | CB | CH | Cmd |
50 | 70 | ー | 50 | 45 |
FB/be | FB/vel | SW/vel | CB/vel | CH/vel |
98 | 94 | 84 | ー | 89 |
Avg 84 mph・2900 rpm・17″~20″ HBのSweeperは2024年ドラフト最高の変化球。
90 mph弱の高速CHも40%超のWhiff%を生み出すクオリティピッチ。
速球はFFとSIを投げ分けていますが、投球頻度はFF>SI。
LHB相手に苦労しているので、ほとんど投げていないCTの向上がSPとしての生命線になるかと。
David Shields
デビッド・シールズ:17歳10ヶ月(2006年9月生)
188cm:マウント・レバノンHS(ペンシルベニア州):SP/LHP
Draft Prospect Rankings |
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メディア | 順位 |
Baseball America | 60位 |
MLB.com | 41位 |
Joe Doyle | 72位 |
傑出した若さと制球力がウリのレフティー。
リクラシファイによって今クラスの指名対象に。
FB | SL | CB | CH | Cmd |
45 | 45 | ー | 40 | 60 |
FB/be | FB/vel | SL/vel | CB/vel | CH/vel |
94 | 89~91 | Low-80s | ー | Mid-80s |
現時点でハイクオリティなピッチを持ち合わせていませんが、コマンドについては高校球界No.1との声も。
また、高い身体能力やエフォートレスなメカニクス、未完成のフィジカル、年齢を踏まえると、将来的に球速バンプを経験する可能性十分。
Payton Tolle
ペイトン・トーリー:21歳8ヶ月(2002年11月生)
198cm:テキサスクリスチャン大学:SP/LHP
Draft Prospect Rankings |
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メディア | 順位 |
Baseball America | 82位 |
MLB.com | 87位 |
Joe Doyle | 46位 |
昨年の夏にウィチタ州立大学からテキサスクリスチャン大学へ転校。
Big 12 Conferenceで最高のK%を記録するなど対戦打者を圧倒しており、特に好調時は手が付けられませんが、裏を返せばパフォーマンスが不安定。
今シーズン途中まで二刀流としてプレー。
FB | SL | CB | CH | Cmd |
55 | 45 | ー | 35 | 45 |
FB/be | FB/vel | SL/vel | CB/vel | CH/vel |
96 | 91~93 | Low-80s | ー | Mid-80s |
エクステンションが長いローアングルスロットのメカニクスから投げ込まれるFBはスペック以上の威力を発揮。
ピッチャーに専念することで球速バンプが期待されます。
Sweeperに近いSLはフリンジレベルのピッチで、LHBにとって厄介なピッチかと。
第2の変化球であるCHは平均を大きく下回っており、同じく弱弱しいCBはプロ入り後に捨て去るはず。
アップサイドは確かに魅力的ですが、余りにもRPリスクがデカすぎ。
Bryce Cunningham carved tonight. pic.twitter.com/gy57fJHuMU
— Billy Derrick (@billyderrick10) May 11, 2024
Bryce Cunningham
ブライス・カニングハム:21歳9ヶ月(2002年10月生)
195cm:ヴァンダービルト大学:SP/RHP
Draft Prospect Rankings |
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メディア | 順位 |
Baseball America | 39位 |
MLB.com | 63位 |
Joe Doyle | 55位 |
ヴァンダービルト大学のエース。
NCAAシーズンでは一発病に苦しみERA&FIPが高止まりしていますが、Cap Cod Leagueにて好成績を記録。
ハイシーリング型として2巡目指名を有力視されています。
FB | SL | CB | CH | Cmd |
55 | 45 | ー | 55 | 40 |
FB/be | FB/vel | SL/vel | CB/vel | CH/vel |
99 | 94~95 | Mid-80s | ー | High-80s |
ライディングアクションに長けるMid-90s mphのFFは平均超のクオリティ。
SLはフリンジレベルですが、平均超のハイスピンCHで空振りを奪っています。
個人的には過大評価かと。
Dax Whitney
ダックス・ホイットニー:18歳5ヶ月(2006年1月生)
195cm:ブラックフットHS(アイダホ州):SP/RHP
Draft Prospect Rankings |
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メディア | 順位 |
Baseball America | 45位 |
MLB.com | 56位 |
Joe Doyle | 44位 |
寒冷な地域でプレーしているため、シーズン序盤は球速が出ず評価も伸び悩みましたが、温かくなるに連れて本領を発揮。
レイトライザーとして話題を集めています。
FB | SL | CB | CH | Cmd |
50 | 45 | 50 | 40 | 50 |
FB/be | FB/vel | SL/vel | CB/vel | CH/vel |
96 | 90~92 | 80~82 | 75~77 | 81~82 |
非常に体の線が細く、将来的な球速アップは間違いなし。
2500~2600 rpmのSLとCBは平均前後の評価を受けており、CHも第3の変化球としては必要十分。
コマンド/コントロールも高校生の中では高く評価されています。
Drew Beam
ドリュー・ビーム:21歳5ヶ月(2003年2月生)
193cm:テネシー大学:SP/RHP
Draft Prospect Rankings |
|
メディア | 順位 |
Baseball America | 41位 |
MLB.com | 64位 |
Joe Doyle | 64位 |
2022年シーズンにSECのFreshman of the Yearに輝き、今シーズンはSPローテの頭としてCWS優勝に貢献。
高校時代に肘の故障歴アリ。
FB | CT | SL | CH | Cmd |
50 | 40 | 40 | 45 | 50 |
FB/be | FB/vel | CT/vel | SL/vel | CH/vel |
98 | 94 | 90 | 84 | 86 |
ハイクオリティなピッチは持ち合わせておらず、クリーンかつスムーズなメカニクスからコマンド良く4ピッチを投げ込む技巧派。
その割にはパフォーマンスの波が大きく、プレーオフでは格下校相手に苦戦する場面も。
ちなみに、テネシー大学の本拠地は投手不利(1.10~1.20 PF)
Michael Massey (rhp, Wake Forest) K’ing out the side in the 2nd. Newly developed CB has depth & 12-6 break. This video is not suitable for TV audiences.
3H, 0H, 1R, 0ER, 2BB, 4K.
FB: 90-93 (t94) | 2391 spin | 2 s/m
CB: 76-79 | 2038 spin | 2 s/m
SL: 79-83 | 2394 spin | 1 s/m pic.twitter.com/AhhkxVCURU— Burke Granger (@burkegranger) February 19, 2024
Michael Massey
マイケル・マッシー:21歳3ヶ月(2003年4月生)
195cm:ウェイクフォレスト大学:SP/RHP
Draft Prospect Rankings |
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メディア | 順位 |
Baseball America | 94位 |
MLB.com | 109位 |
Joe Doyle | 94位 |
2年前に弱小テュレーン大学から強豪ウェイクフォレスト大学へ転校。
昨シーズンにリリーフエースとして驚異の48 K%を残し、今シーズンからSPに復帰。
しかし、制球難によって不安定なパフォーマンスが続き、4月末から故障によって1ヶ月近く離脱。復帰後はブルペンへ舞い戻ることになりました。
FB | SL | CB | CH | Cmd |
60 | 55 | 40 | 40 | 35 |
FB/be | FB/vel | SL/vel | CB/vel | CH/vel |
97 | 93~95 | 83~84 | High-70s | Mid-80s |
ディセプションに優れたGriffin Canningライクなショートアームから20″ IVBを超えるプラスピッチのFFを投げ込む変則ピッチャー。
まともな変化球はMid-80s mphのSLのみで、RP登板時はほぼ2ピッチしか投げていません。
今シーズンのスタッツは持ち合わせていませんが、昨シーズンはFFが41Whiff%・SLが51Whiff%を記録。
彼のようなアームスロットのピッチャーって、ハイクオリティなCHを投げやすいイメージなのですが…
Duncan Marsten
ダンカン・マーステン:19歳1ヶ月(2005年5月生):190cm
ハーバード・ウェストレイクHS(カリフォルニア州):SP/RHP
Draft Prospect Rankings |
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メディア | 順位 |
Baseball America | 95位 |
MLB.com | 98位 |
Joe Doyle | 83位 |
2010年代以降だけで4人のドラフト1巡目指名プレーヤーを輩出している全米屈指のプレップスクールに在学し、2022年のトミー・ジョン手術を経て上位指名候補に。
既に19歳の誕生日を迎えており、ウェイクフォレスト大学へ進学して第2のRyan Cusickを目指す可能性も。
FB | SL | CB | CH | Cmd |
60 | 50 | ー | 45 | 40 |
FB/be | FB/vel | SL/vel | CB/vel | CH/vel |
100 | 92~96 | 82~84 | ー | 84~86 |
エフォートレスなメカニクスからMax 100 mphを計測していますが、シーズンを通して球速は安定せず、試合映像を見る限り1球単位においても球速が乱高下。
SLはスピンに欠けるものの、目視では良さげに見えました。
スピンを抑えたCHは少し過小評価されているかもしれません。