バブルの崩壊とDiamond Sports Groupの経営破綻によって、フレームワークにガタが来ている現在のMLB放映権ビジネス。
当ブログではこれまで幾度となく放映権ネタを取り上げてきましたが、つい先日、1988年シーズンにおける全26球団のRSN年間放映権料をまとめている便利な記事を見つけたので、サクッとパクりたいと思います。
1988年シーズンのRSN放映権料
球団名 | 放映権料 ($million) |
球団名 | 放映権料 ($million) |
AL East | NL East | ||
NYY | 16.5 | NYM | 17.0 |
TOR | 7.8 | PHI | 10.0 |
BOS | 6.6 | MON | 7.0 |
BAL | 6.3 | STL | 6.0 |
DET | 6.0 | PIT | 5.0 |
MIL | 3.3 | CHC | 4.3 |
CLE | 3.0 | ||
AL West | NL West | ||
CWS | 9.3 | LAD | 5.0 |
TEX | 6.1 | SDP | 4.3 |
CAL | 4.4 | CIN | 4.2 |
MIN | 4.2 | ATL | 4.0 |
SEA | 3.7 | HOU | 4.0 |
OAK | 3.2 | SFG | 3.0 |
KCR | 3.1 |
NYMが$17.0Mでトップに立っていますが、当時2つのRSNと放映契約を結んでおり、恐らく$17.0Mという数字は片方だけの契約額。両方合わせると$25M近くに達していたはず。
また、NYYは1988年シーズン終了後に12年$486Mの歴史的な大型契約を締結し、1990年代から放映権料が大幅に増額。
これには、後にコミッショナーを務めるMILの悪徳オーナーBud Seligも不満を漏らしていました…。
今やNYYに匹敵するほどの放映権料を手にしているLADは、1980年代だけでなく1990年代も放映権料が低迷。何かしら収益分配制度や税制度を潜り抜ける裏技を駆使していたのかもしれませんけど、よくよく見るとLADだけでなく西海岸球団の額は総じて低いような気が。
やはり、アメリカのTVビジネスは東海岸(ニューヨーク)が先んじていたのか?
TORとMONがカナダ勢通し互角というのも面白いですね。MONはここから奈落の底に落ちていく訳ですから。
ちなみに、全国放送の放映権料は下表の通りです。
1988年シーズンの全国放映権料
メディア | 放映権料 ($million) |
ABC | 96.0 |
NBC | 90.0 |
CBS※ | 6.6 |
合 計 | 192.6 |
1チーム当り | 7.4 |
※CBSはTVではなくラジオ放送契約
RSNと全国放映それぞれの放映権料を合計すると$350M。
1988年MLBの年間リーグ総収益は$977Mであり、収益全体の約36%を放映権料が占めていたと。
現在は50%を少し上回る程度ですから、約35年間で放映権への依存度が1.5倍アップする形に。