1ヵ月前すでにリーク済みの鮮度に欠けるネタですけど、毎年取り上げている話なので…。
MLBの2023年リーグ総収益、年次推移、他リーグとの比較について簡単に。
結論から言うと、2024年シーズンもダメでした。
コロナ禍前約5年間の水準には遠く及ばず、2023年シーズンからの実質的な成長率はほぼゼロ。
また、昨年はBALが新オーナーグループに売却されましたが、評価額は$17.25Bと伸びず。
大黒柱の放映権システムも崩壊への道を辿っており、MLBに漂う暗雲は晴れるどころか垂れ込めるばかりです。
年度 | 総収益 (億ドル) |
インフレ調整後 (億ドル) |
1995 | 14 | 29 |
1996 | 18 | 36 |
1997 | 21 | 41 |
1998 | 25 | 48 |
1999 | 28 | 53 |
2000 | 34 | 62 |
2001 | 36 | 64 |
2002 | 37 | 65 |
2003 | 39 | 67 |
2004 | 45 | 75 |
2005 | 50 | 81 |
2006 | 56 | 88 |
2007 | 61 | 93 |
2008 | 65 | 95 |
2009 | 66 | 97 |
2010 | 70 | 101 |
2011 | 70 | 98 |
2012 | 75 | 103 |
2013 | 80 | 108 |
2014 | 90 | 120 |
2015 | 95 | 127 |
2016 | 98 | 128 |
2017 | 100 | 129 |
2018 | 103 | 129 |
2019 | 107 | 132 |
2020 | 37 | 45 |
2021 | 96 | 112 |
2022 | 108 | 116 |
2023 | 116 | 120 |
2024 | 121 |
オマケに、今年も他プロリーグとの比較を行います。
下表は各リーグの11シーズン前(2013/14シーズン)、コロナ禍直前の6シーズン前(2018/19シーズン)、そして昨シーズン(2023/24シーズン)の総収益とその増加率のコンプ。
(MLBはサマーシーズン制なので2014年・2019年を2024年と比較)
リーグ | 11シーズン前 | 6シーズン前 | 昨シーズン |
MLB | 90 (+34%) |
107 (+13%) |
121 |
NFL | 107 (+89%) |
160 (+26%) |
202 |
NBA | 48 (+135%) |
88 (+28%) |
113 |
NHL | 37 (+68%) |
51 (+22%) |
62 |
NBAは来シーズンから全国放映権料が2.5倍となるため、そのタイミングでMLBを抜き去ること間違いなし。
コメント
アメリカのメディア「ファウルテリトリー」という番組内でMLB球場周辺の複合施設の収益や球団の所有するテレビネットワークの収益が含まれてなく実際は140~150億程度だろうと話していますが、NBA収益の記事で21-22年シーズンで年度収益100億ドル(約1兆3800億円)超えを達成したと発表。バスケットボール関連の収益は89億ドル(約1兆2200億円)に到達との記述があり、MLBは収益を少なく見積もっているのでしょうか?
毎年この時期にリークされているリーグ収益は、確かに仰る通りBattery AtlantaやRSNのLLC配当、Legends Hospitalityのようなサブビジネスは集計外ですが、公になっているBattery AtlantaやYES Networkの収益を鑑みると、そこら辺の合計が$2~3Bに達するとは思えません。私が想像しているものより更に広義な収益を指しているのかもしれませんが。
「バスケットボール関連の収益」については、恐らくSalary Capの算出基準となるリーグ総収益から一部収益を除いた金額のことだと思います。
何にせよ、収益の基準をある程度定めた上で算出を行っているForbesやSporticoのチーム収益においても、両リーグの比率はほぼ同じですから、算定基準を合わせたとて、(総額こそ違えど)その比率に大きな変化は生まれないかと。