ヤンキースの2025年MLBドラフト指名候補:その3


2025年MLBドラフトにおけるヤンキースの指名候補について(Cam Cannarella、Korbyn Dickerson、Marcus Phillips、Nick Becker)
2025年MLBドラフトにおけるヤンキースの指名候補について(Josh Hammond、Patrick Forbes、Brady Ebel、Riley Quick)

昨年のドラフトでは投手指名に全力を注ぎ、現時点ではそれがピッチングプロスペクトのデプス深化に直結していますが、今年のスカウティングは野手に傾いている模様。

特に数多くの高校生SSとリンクしているとのことで、大学生が不作かつ高校生野手が豊作の今クラスであれば、次なるAnthony VolpeGeorge Lombard Jr.を狙うのは全然アリ。



Alex Lodise

アレックス・ロディース:21歳3ヶ月(2004年3月生)
6-1:190 lb:Florida State Univ.:SS

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 26位 5/28
MLB.com 45位 5/28
ESPN 39位 5/14
The Athletic 48位 5/22
Prep Baseball Report 26位 5/15
Azad Earl 19位 6/18

FLの名門校からNorth Floridaへ進学。

Freshmanとして上位のパフォーマンスを残し、Florida Stateへ転校。

同校1年目のSophomoreシーズンはハイレベルなACCに通用せず低成績に喘ぐも、今シーズンにブレイクを果たし、Dick Howser Trophyを受賞。

現在は1~2巡目指名を有力視され、全体39位指名権を持つNYYにとって手が届き得る存在。

Hit Power Run Arm Field
40 55 40 60 50

足を大きく開き低重心な構えから繰り出されるスイングは、柔軟性に欠けると共にハイゾーンでフラット化する傾向にありますが、バットスピードは〇。

Avg 94.5 mph EV、Max 113 mph EVを残し、悪かったPull Air%も昨シーズンから大きく伸びています。

サマーリーグで好成績を残すなど、木製バットでのトラックレコードも👍

ただ、非常に積極的なアプローチが懸念材料であり、Chase%は35%程度と高水準を推移。

Z-Swing%も非常に高いため、決して悪球ばかりに手を出しているわけではありませんが、Z-Con%は平均レベルに留まっており、コンタクトスキルにも疑問が残ります。

何にせよプロ入り後はカウントコントロールに苦しむでしょう。

60ヤード走7.0~7.1秒のスピードは平均を下回り、フィールド上での動きもスムーズに見えないため、SS守備の評価こそ芳しくありませんが、守備成績はNCAA上位の数字。

プロ入り後のコンバートを危惧する声がチラホラ聞えるものの、個人的には同ポジションに留まることができるかと。


Kyle Lodise

カイル・ロディース:21歳8ヶ月(2003年10月生)
5-11:180 lb:Georgia Tech Univ.:SS

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 56位 5/28
MLB.com 77位 5/28
ESPN 70位 5/14
The Athletic 71位 5/22
Prep Baseball Report 71位 5/15
Azad Earl 77位 6/18

Alex Lodiseの従兄弟。

NCAAⅡで2シーズンプレーした後に、最新鋭設備を駆使した高度育成に強い強豪Georgia Techへ転校。

そのため、高い評価を得るようになったのはAlexと同じく今シーズンに入ってから。

特にシーズン序盤はAlexと同等かつACC上位の打撃成績を残していましたが、シーズン後半戦に大きくパフォーマンスを落とし、現在はAlexより1つ下のティア(2~3巡目クラス)に収まっています。

Hit Power Run Arm Field
45 40 60 45 45

身体能力こそ優れているものの体格には恵まれず、Alexと対照的にコンタクト志向のバッター。

ゾーンの高低関係なく理想的なVAAでバットを運び、90%近いZ-Con%を残すなどストライクピッチをしっかりと捉え、体格以上のGame Powerを発揮。

ただし、木製バットでのトラックレコードは△

1st到達タイム4.1秒を計測するスピードはプラスで、今シーズンはCSゼロ。

フリンジレベル以下のArm Strengthも相まって、SS守備の評価はAlexと同様に芳しくなく、将来的な2Bへのコンバートを有力視されています。

全体39位の後は全体103位まで指名権がジャンプするNYYにとって中途半端な存在ですが、全体39位にて彼をアンダースロットで確保し、全体103位で高校生SSをオーバースロット指名する手も。


Ryan Mitchell

ライアン・ミッチェル:18歳5ヶ月(2007年1月生)
6-1:185 lb:Houston HS(TN):SS

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 47位 5/28
MLB.com 53位 5/28
ESPN 144位 5/14
The Athletic 23位 5/22
Prep Baseball Report 5/15
Azad Earl 22位 6/18

Matt Cainを輩出したHouston HSにてテネシー州のPlayer of the Yearに輝いたインゲームパフォーマー。

U-15 WCを制したTeam USAでプレーするなど早い段階から評価されるプレーヤーでしたが、昨年のショーケースやサマーサーキットで好成績を残し、上位指名が期待される存在となりました。

顔がデカい。

Hit Power Run Arm Field
50 40 55 55 40

優れたContact%を残すバットコントロールがウリのバッターで、ボディバランスとハンドアイコーディネーションに優れるスイングは見事。

今シーズンのメカニクス改造によってバットスピードが向上していますが、高い身体能力とプロジェクテイブルなフィジカルを考慮すると、もう1~2段階のRaw Powerアップすら期待できるかもしれません。

60ヤード走6.7秒、1st到達タイム4.2秒のスピードは平均を上回り、Arm Strengthもソリッドなものの、SS守備の評価はイマイチ。

多くのエバリュエーターが将来的な2Bへのコンバートを予想。

インタビューを聞く限りインテリジェンスを感じますし、個人的に好みのドラフト候補生です。