ヤンキースの2025年MLBドラフト指名候補:その5


2025年MLBドラフトにおけるヤンキースの上位指名候補について

今回はピッチャーの指名候補を簡易的に取り上げます。



Jack Bauer

ジャック・バウアー:18歳6ヶ月(2007年1月生)
6-3:190 lb:Lincoln Way East HS(IL):SP/LHP

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 44位 6/25
MLB.com 44位 6/25
Azad Earl 61位 6/18

高校野球史上最速のピッチャー。

FB SL CB CH Cmd
80 55 40 40
FB/be FB/vel SL/vel CB/vel CH/vel
103 97~100 81 85

ゆったりとした左の3/4メカニクスから投じられる2500 rpm・13 IVB・16 HBのFFは、プレップとして規格外のMax 103 mphを計測。

Low-80s mphのSlurve気味のSLはAvg 2600rpm程度ですが、コンスタントに2900~3000 rpmを計測するとともにナスティーな変化を見せており、プラスピッチへと成長する可能性も十分。

ただ、豪速球ピッチャーの御多分に洩れずコマンド&コントロールは平均を大きく下回っており、実戦での投球内容も特段優れていないとのこと。

Mississippi Stateにコミット。


JB Middleton

JB・ミドルトン:21歳7ヶ月(2003年11月生)
6-0:180 lb:Southern Mississippi Univ. :SP/LHP

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 58位 6/25
MLB.com 41位 6/25
Azad Earl 50位 6/18

低レベルなSun Belt ConferenceにてNo.1の成績。

2巡目にてBrendan BeckやDrew Thorpeなど2巡目で堅実なピックを行ってきたNYYに打って付けのピッチャーに思えますが、残念ながらNYYは2巡目指名権を持ち合わせていません。

FB SL CB CH Cmd
50 50 45 50
FB/be FB/vel SL/vel CB/vel CH/vel
97 94 88 86

Dylan Ceaseを彷彿させるディセプションに長けたメカニクスから平均レベルの3球種を投げ分ける即戦力型。

FFは球速やスピンレイトが特段優れているわけではありませんが、鉛直なアームアクションによって高いIVBを計測。

SLもピッチクオリティ自体は大したことありませんが、コマンド良くコーナーに投げ込みWhiffを誘発します。

1巡目指名の可能性があるピッチャーの中では最も小柄。


Anthony Eyanson

アンソニー・アイアンソン:20歳9ヶ月(2004年10月生)
6-2:210 lb:LSU:SP/RHP

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 35位 6/25
MLB.com 40位 6/25
Azad Earl 41位 6/18

近年投手帝国を築いているNCAA王者LSUにて、全体1位指名候補のKade Andersonと共に強烈な1-2コンボを形成したインゲームパフォーマー。

ただ、 NCAAトーナメントにて失速したため、1巡目指名獲得は厳しい状況。

FB SL CB CH Cmd
50 60 40 35 50
FB/be FB/vel SL/vel CB/vel CH/vel
98 93~94 83 78 84

6.8 Rel Zのオーバースロットから投げ下ろすFFはHBが抑えられたストレートピッチ。

ドロップアクションに長けたプラスピッチのGyro SLは50%を超えるWhiff%を記録。

緩い12-6 CBと投球割合が低いCHは、SLと比べてクオリティが落ちますね。

21歳未満の年齢も魅力。


Chase Shores

チェイス・ショアーズ:21歳2ヶ月(2004年5月生)
6-8:245 lb:LSU:SP/RHP

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 88位 6/25
MLB.com 78位 6/25
Azad Earl 48位 6/18

NCAA最上位クラスの巨体と球速を誇る素材型。

2023年シーズン前半戦にTommy John Surgeryを受け、翌2024年シーズンも全休。

そのためトラックレコードに欠けており、今シーズンもパフォーマンスが安定せず、シーズン中盤からブルペンに回りました、

FB SL CB CH Cmd
65 55 45 40
FB/be FB/vel SL/vel CB/vel CH/vel
102 98 86 90

Max 102 mph・Avg High-90s mphのFFはムーブメントがイマイチなため球速以上のエフェクトを期待できず。

ただ、恵まれたフィジカルや身体能力、故障による経験不足を踏まえると、将来的にAvg 100 mphを叩き出すピッチャーへと成長しても驚きではありません。

SLは一貫性に欠けるものの、ハマれば90+ mph&3000+ rpmを計測する平均超のピッチ。

SI気味のCHもムーブメントこそ悪くありませんが、コマンド等に自信がないのか投球割合は低め。


Landon Harmon

ランドン・ハーモン:18歳11ヶ月(2006年9月生)
6-5:180 lb:East Union Attendance Center(MS):SP/RHP

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 66位 6/25
MLB.com 48位 6/25
Azad Earl 19位 6/18

シーズン開幕前は現在より1~2ティア上位の扱いを受けていたものの、インシーズンのパフォーマンスが安定せず現在の評価に。

Jack Bauerと同じくMississippi Stateにコミット。

FB SL CB CH Cmd
60 50 40 45
FB/be FB/vel SL/vel CB/vel CH/vel
98 93~94 83~84 86

長身瘦躯のボディと高い身体能力はプロジェクション◎

大きなストライドから素晴らしいエクステンションを生み出し、Max 98 mph・2850 rpmを計測するプラスピッチのFFに相乗効果を与えています。

昨シーズンから改造を加えたSLはPut Awayピッチとして必要十分に見えますが、それに続くCHはイマイチ。

個人的にはフィジカル面の成熟に伴うメカニクスのリピート性向上に楽観的で、それに従いコマンドやパフォーマンスの安定感も増すだろうとたかを括っています。


Zach Root

ザック・ルート:21歳5ヶ月(2004年2月生)
6-2:210 lb:Arkansas Univ.:SP/LHP

Draft Prospect Rankings
メディア 順位 更新日
Baseball America 40位 6/25
MLB.com 42位 6/25
Azad Earl 45位 6/18

名門Arkansasのエース。

Super RegionalやCWSで奮闘するも初優勝には届かず。

FB SL CB CH Cmd
45 45 50 50 55
FB/be FB/vel SL/vel CB/vel CH/vel
98 93 86 81 84

特段優れたピッチを持ち合わせているわけではありませんが、タイミングを合わせづらくディセプションが良好なハイキック・メカクニスから、ソリッドなコントロールを披露。

CS%等も優秀なため、器用なピッチャーに思えます。

ただ、NCAA Tournamentではピッチ・チッピングを受けていたため、プロ入り後はクセの修正が必要不可欠。