31位~40位:MLB史上最高のシーズン成績Top40(MLB.com選出)

今年の6月下旬にMLB.com(正確にはMLBの公式チャンネルであるMLBネットワーク)がMLB史上最高のシーズン成績Top40なるものを発表したので、このランキングを4回に分けて取り上げてみたいと思います。

参照元(英語)

ランクインできるのは一人1シーズンまでみたいなので、バリー・ボンズ、サンディ・コーファックスでも1回しかランクインしていません。また、対象となったシーズン成績は1940年以降のものでベーブ・ルースやタイ・カッブなどは対象外となっているようです。さらに、「史上最高のシーズン成績」といってもただ単に勝利への貢献度を評価したのではなく、MVPのタイトルなどをどれだけ獲得したかや歴史的にどれほどの意義があるものなのかなどの要素も考量されているようです。

それでは、まずは31~40位。


40位:リッキー・ヘンダーソン:1985年(26歳)

NYY:センター:rWAR=9.9、fWAR=9.7

MVP投票3位/リーグ1位:rWAR、fWAR、盗塁、得点、TZR(センター)

rWARがMLB全体2位、fWARは全体1の数字で6年連続の盗塁王に輝きました。またTZRなどの守備成績でもMLB全体のセンターでトップの成績を残しており文句なしでMVPを受賞すべきでしたが、同じヤンキースのマッティングリーがMVPを受賞しています。

また、彼がキャリアベストの成績を残したのはこの年ではなく1990年シーズン(wRC+MLB全体1位&盗塁王でMVPを受賞)です。


39位:マイク・マーシャル:1974年(31歳)

LAD:リリーフ:rWAR=3.2、fWAR=4.1

サイヤング賞/MVP投票3位/リーグ1位:登板試合、セーブ

31歳ながらMLB記録となる106試合に登板。リリーフ史上唯一の200イニングにも到達しサイヤング賞を獲得しました。このシーズン106試合登板という記録は2度と抜かれることはないでしょう。(この20年間での最高記録は2010年ペドロ・フェリシアーノの92試合)また、PSでも7試合12イニングに登板しています。

ちなみに、登板過多のためか翌年からは故障に悩まされ続けますが、1979年に36歳で復活しMLBトップの90試合に登板しています。


38位:ケン・グリフィー JR.:1997年(27歳)

SEA:センター:rWAR=9.7、fWAR=9.0

MVP/リーグ1位:本塁打、打点、得点/GG賞

キャリア初の50本塁打に到達しキャリア唯一のMVPを受賞。(キャリア最高のシーズン成績としては1993年、1996年もいい勝負。)しかし、ALDSでは4試合でシングルヒット2本と活躍できず戦犯となってしまいました。

加えて、このシーズンのAL最高の成績を残したのはグリフィーではなくブルージェイズのロジャー・クレメンスでした。


37位:クレイトン・カーショウ:2014年(26歳)

LAD:先発:rWAR=8.2、fWAR=8.1

MVP/サイヤング賞/リーグ1位:rWAR、fWAR、ERA+、FIP、奪三振率、WHIP、K/BB

怪我により200ニングに到達しませんでしたが圧倒的な投球内容によりMVPを獲得。15奪三振でノーヒットノーランも達成しましたが、PSでは2試合連続で炎上。

また、200イニングに到達していませんし、2013年か2015年の方が上のような気も・・・。


36位:ハンク・グリーンバーグ:1940年(29歳)

DET:ファースト:rWAR=7.1、fWAR=7.7

MVP/リーグ1位:fWAR、wRC+、本塁打、打点、二塁打

球史に残る長距離打者ですがwRC+は自己ベストの成績。しかし、本塁打の自己ベストは1938年の58本塁打で、全体的に見て本当に1940年が自己ベストのシーズン成績だったのかは判断の難しいところ。


35位:ロッド・カルー:1977年(31歳)

MIN:ファースト:rWAR=7.1、fWAR=7.7

MVP/リーグ1位:rWAR、fWAR、wRC+、打率、出塁率、安打、三塁打、得点

首位打者のタイトルを7回獲得した歴史に残るバッティングコントロールの持ち主ですが。この年はキャリア最高の打率.388を記録。この時点ではテッド・ウィリアムズが1941年に打率.40.6を残して以来の高水準でした。また、出塁率と長打率も自己ベストの成績でキャリア唯一のOPS1.000越えを果たしています。


34位:ロビン・ヨーント:1982年(26歳)

MIL:ショート:rWAR=10.5、fWAR=9.8

MVP/リーグ1位:rWAR、fWAR、wRC+、安打、二塁打/GG賞

この100年間のMLBのショートが残した成績の中ではTop3に入るシーズン成績。また、この年はWSでも活躍しており、これを含めればショート史上最高のシーズン内容だったかもしれません。


33位:マイク・トラウト:2016年(25歳)

LAA:センター:rWAR=10.5、fWAR=9.6

MVP/リーグ1位:rWAR、fWAR、wRC+、四球

トラウトのベストシーズンはwRC+167、49盗塁、DRS+19を記録し新人王を獲得した2012年では?

ただ、今シーズンは現ペースをキープすることが出来れば歴代Top10に間違いなく入るでしょう。


32位:マーク・フィドリッチ:1976年(22歳)

DET:先発:rWAR=9.6、fWAR=4.7

新人王/サイヤング賞2位/リーグ1位:rWAR、ERA+、完投

これがMLB1年目ながら最優秀防御率のタイトルを獲得。その新人離れした成績と変人キャラクターにより人気を博し、一気にスターダムにのし上がることになります。しかし、翌年以降は膝や肩の故障のより活躍できずたった5シーズンで引退。日本でいうところの木田勇みたいなものです。


31位:トニー・グウィン:1987年(27歳)

SDP:ライト:rWAR=8.6、fWAR=7.4

MVP8位/リーグ1位:rWAR、wRC+、打率、安打/GG賞

グウィンのベストシーズンには打率.394を残した1994年シーズンが挙げられることが多いんですが、このシーズンはストライキにより115試合しか行われなかったのでこのシーズンが選ばれたんですね。

この頃はまだ痩せており走塁&守備成績でも一流の数字を残しており、安打数・四球・盗塁は自己ベストの数字でした。また、前半戦も後半戦も同じ打率.370を記録しておりシーズンを通して満遍なく活躍しました。