レフト:2018年MLBポジション別選手ランキング

・イントロダクション

(1)怪我をしないのも実力のうち(アクシデントによる怪我は別)
(2)セイバーメトリクスを重視
(3)最近のシーズンほど重みをつけて評価
(4)無意識にヤンキースの選手を優遇しているはず
(5)ポテンシャルとか伸びしろは評価せず
(6)不調に陥らないのも実力のうち
(7)運も実力のうち・・・ではない
 
 

 
 
レフト(左翼手)
 
 
 
1位:ジャスティン・アップトン(エンゼルス・30歳)
 
2017年:rWAR=5.7:fWAR=5.0
 
 
 
 
 
 

 

 2016年9月に好成績を残していましたが、2017年も好調で35本塁打、44二塁打は自己ベスト。FA前に申し分ない成績を残し、シーズン途中に移籍したエンゼルスと5年1億600万ドルで契約を延長しました。

 
 
 
2位:マーセル・オズーナ(カージナルス・27歳)
 
2017年:rWAR=5.8:fWAR=4.8
 
 
 
 
 
 

 
 イエリッチと入れ替わる形でレフトにコンバートされると、長打力が開花し37本塁打はNL3位、wRC+はNL9位でした。シーズン通して安定した成績を残したのも好印象。センターを無難なく守っていただけに、レフト守備は平均より上。
 
 
 
3位:トミー・ファム(アストロズ・23歳)
 
2017年:rWAR=5.9:fWAR=6.4
 
 
 
 
 

 

 2008年に円錐角膜という目の病気と診断されて以来、この眼病に悩まされ続けてきましたが、新たな主治医による治療とコンタクトを変えたことが視力良化につながり、開幕はマイナー・スタートだったものの、5月に再昇格するとNL5位のwRC+149を記録しました。視力の良化は守備にも好影響を与え守備範囲も格段に向上しており、レフトでは2017年No.1の5ツールプレーヤーだったと言えるでしょう。ただ、眼病が完全に治っているわけではなく、8月下旬にも状態が悪化していたので心配です。
 

 
 
4位:ブレット・ガードナー(ヤンキース・34歳)
 
2017年:rWAR=4.9:fWAR=3.8
 

 

 自身初の20本塁打を記録、選球眼も健在でした。シーズン途中で34歳になったにもかかわらず守備・走塁はともにトップクラスで、DRS+17はレフトでMLBトップの数字。時には熱くなりすぎることもありますが、常に全力プレーを心掛けムードメーカーかつリーダーシップも抜群。旧式の成績・数字の見栄えがイマイチなだけで、間違いなく過小評価されている選手です。ALDS第5戦9回表・対コディ・アレンの打席は2017年一の名勝負でした。
 ヤンキースの歴史の中でも3本指に入るレフトであり、2018年シーズンオフにFAとなりますが、チーム状況的にその際のヤンキース退団が決定事項となっているのは非常に残念。
 

 
 
5位:マーウィン・ゴンザレス(アストロズ・28歳)
 
2017年:rWAR=4.3:fWAR=4.1
 
 ファースト、セカンド、サード、ショート、レフト、センター、ライトの7ポジションでプレー、選球眼が向上しwOBAは.382を記録しました。ただ、xwOBAでは.320しか記録しておらず、今年も去年の打撃成績を再現できる可能性は低そうです。
 
 
 
6位:ヨエニス・セスペデス(メッツ・32歳)
 
2017年:rWAR=1.6:fWAR=2.1
 

 4年1億1000万ドルの大型契約1年目でしたが、4月に左太ももの故障・8月に右太ももの故障により81試合しかプレーできず、期待外れの成績に終わりました。打撃力は以前トップクラスですが、守備範囲は既に最低クラス。OAAは2016年はMLBワースト8位+2017年はワースト4位となっており、年齢的にも上がり目がないので、残り契約3年が心配。

 
 
 
7位:マイケル・コンフォート(メッツ・25歳)
 
2017年:rWAR=4.4:fWAR=3.6
 

 2016年のスランプから復活し、球宴にも出場しました。しかし、8月終盤の試合中スイングの際に左肩を脱臼シーズン終了、自身初の規定打席到達を逃しています。守備範囲は平均レベルですが強肩。
 

 
 
8位:クリス・デービス(アスレチックス・30歳)
 
2017年:rWAR=2.5:fWAR=2.3
 

 ホームランの出にくいオークランド・アラメダ・カウンティ・コロシアムでプレーしているにも関わらず2年連続で40本塁打を記録、打球初速度はMLB全体で6位と身長180㎝以下の選手ではNo.1のパワーの持ち主で、ホームラン王有力候補の一人。ただ、走力が平均以下であるだけでなく現役有数の弱肩の持ち主のため、全体的な選手の価値はイマイチ。
 

 
9位:コーリー・ディッカーソン(レイズ・31歳)
 
2017年:rWAR=2.7:fWAR=2.6

 

 左打者が大の苦手でしたが、2017年は対左打者成績>対右打者成績となり、自己ベストの166安打・27本塁打を記録しました。守備範囲は平均レベルですが、肩の強さは最低クラス。
 

 

 
10位:スターリン・マーテ(パイレーツ・29歳)
 
2017年:rWAR=1.4:fWAR=1.2
 

 シーズン前はMLBNo.1レフトの一人でしたが、薬物規定違反により80試合の出場停止となり、当然のことですが自己ワーストの成績に。
 

 

 
 最も選手層の薄いポジションで、8位まではスンナリ決まったんですが9位以下はカオスな状況。他の9~10位候補はライアン・ブラウン、ランダール、グリチャックアダム・デュバル、エディ・ロサリオなどが挙げられ、2017年シーズン不調だった選手が多かったような気がします。
 
 来年は、ジャッジがいなければ新人王の可能性もあったアンドリュー・ベニンテンディが間違いなくTop10に入ってくるでしょう。カルロス・サンタナの入団によりレフトを中心に守ることが予想されるリース・ホスキンスも期待。クリント・フレージャーもヤンキースから移籍すればチャンスあり。