ヤンキースの補強関連ニュース・噂(2019/11/2)

ワールドシリーズが終わりMLBオフシーズンがスタート。ということで今年もヤンキースの動きを追っていきたいと思います。

ちなみに今オフのFA解禁日は現地時間で11月4日(月曜日)、オプトアウト権の行使期限は11月2日(土曜日)。



MLB:2019年オフFA注目選手:投手編

MLB:2019年オフFA注目選手:野手編



ゲリット・コール

ワールドシリーズ中にSNY(ニューヨーク・メッツが中心となって設立した地元ニューヨーク・メディア)のアンディ・マルティーノ記者が「MLB関係者の情報源によると今オフにヤンキースがゲリット・コールを狙うと予想される。」と報道して大きな話題に。コールの獲得を切望するファンの間でも期待が高まりました。

ただ、ここで押さえておきたいのは「MLB関係者によると」という表記になっていること。この表記方法だとヤンキース職員などのヤンキースに直接関係する関係者ではないと考えられます。また、「~と予想される」という表記にもなっているわけで、(拡大解釈かもしれませんが)マルティーノの報道内容は「ヤンキースとコールに関係ない第3者がヤンキースがコール獲得に乗り出すだろうとただの想像で話しただけ」という意味で捉えるべきなんでしょうね。

そもそも関係者でなくともヤンキースがコールを狙うと予想している人は山ほどいるわけですし、実際にマルティーノの記事も内容の薄い誰でも書けるような飛ばし記事みたいなものだったので、この報道で過度な期待はしないようにしましょうね。

アロルディス・チャップマン

2016年オフに5年8600万ドルのFA契約を結んだチャップマンですが、2年3000万ドルを残しオプトアウトの権利を保有しています。

上の記事「MLB:2019年オフFA注目選手:投手編」でも書いたようにオプトアウト権行使→FAとなることが有力的ですが、超有名記者ジョン・ヘイマンによるとチャップマンはヤンキースとの契約延長を望んでいるようです。ただ、上でも書いたようにオプトアウト権の行使期限は本日。FA期限も2日後ですからとりあえずFAにはなるのでは?

個人的にはチャップマンと4年契約を結び同じくFAとなるベタンセスは放出すると予想しているのですが、とりあえずチャップマン残留の可能性は高そうですね。

エドウィン・エンカーナシオン

2020年シーズンは1年2000万ドル(そのうちバイアウトが500万ドル)の球団オプションがあったわけですが、もちろんヤンキースは球団オプションを行使せずバイアウト500万ドルの支払いを選択。

これでヤンキースのファーストのオプションはルーク・ボイト、マイク・フォード、ミゲル・アンドゥハーのファーストへのコンバート、グレッグ・バードに。また、FAではJ.D・マルティネス(DH)、ホセ・アブレイユ、ハウイ・ケンドリック、ジャスティン・スモークなどがいます。

まあ、アンドゥハーとスタントンをDH中心で起用してファーストはボイト固定で来シーズンはいくでしょうから、エンカーナシオンとの再契約や代わりに獲得などの可能性も低そうですね。

アーロン・ヒックス

昨年のポストシーズンのディディ・グレゴリウスと同様にひじを痛めたまま試合に強行出場したアーロン・ヒックスですが、グレゴリウスと全く同じパターンでトミー・ジョン手術が決定。リハビリに8か月~10か月を要するとうことでMLB復帰は2020年7月~8月になると予想されます。

ちなみに、MLBでバリバリのレギュラーを務めている外野手がトミー・ジョン手術を受けた例は21世紀だと他に2012年のカール・クロフォードと2011年のブレット・ハウプ、2006年のホセ・ギーエン、2005年のロッコー・バルデリ、2004年のルイス・ゴンザレスの5件のみ。マイナーリーグなども含めれば毎年何人もいるわけですが、復活率は低めの印象。ただ、ヒックの手術を担当したニール・エラトラッシェ医師は大谷翔平の手術も担当した人物で、彼に手術を受けた選手の復帰率や肘靭帯損傷再発率などは非常に素晴らしい数字が残っており、トミー・ジョン手術手術に関すれば全米トップクラスの執刀医。

また、これでブレット・ガードナーとの再契約もほぼ間違いないものになったと言えるでしょう。来シーズンは開幕からマイク・トークマンを起用できるわけですから、流石にガードナーと同じくFAになるキャメロン・メイビンの枠を用意することは厳しいでしょうが。

投手コーチ

ヤンキースはワールドシリーズ中に2011年から9シーズンにわたって投手コーチを務めてきたラリー・ロスチャイルドをとうとう解雇。

ヤンキース投手陣のブレイクはアナリスト陣の手柄なのかロスチャイルドの手柄なのかよく分からないケースが多く、多くのヤンキースファンからは無能の戦犯として多大なヘイトを集めてきたコーチなので、解雇という選択はファンから絶大な支持を受けています。

個人的にロスチャイルドを有能だと思ったことは一度もありませんが、コーチとしての手腕云々以前に年齢を重ね体力面での衰えが顕著になっていて、試合を見ていても明らかにぐったりとした様子が多く「コイツ神経張りつめて試合に集中できてんのかな?」と不安になることも多々あったので仕方がないね。

当然のことながらすでに後任選びは始まっていて、ミシガン大学投手コーチのクリス・フェッター(33歳)やアーカンソー大学投手コーチのマット・ホッブス(年齢は不明ですが略歴を見る限り40歳前後)と面談を行ったとのこと。フェッターについてあまり詳しい情報はありませんでしたが、ホッブスは最先端機器を活用する先進的な投手コーチらしい。

CC・サバシアという投手陣のリーダーが引退して最年長投手がJA・ハップやアダム・オッタビーノになるわけですから、アナリティクスだけでなくリーダーシップも兼ね備えた投手コーチを選んでほしいところではありますが・・・。

デビッド・コーンが興味を示しているとの報道も。

Results
Year W L W-L% ERA G HR WHIP H9 HR9 BB9 SO9 SO/W ERA+
2019 103 59 .636 4.31 162 248 1.304 8.6 1.5 3.2 9.6 3.03 104
2018 100 62 .617 3.78 162 177 1.239 8.1 1.1 3.1 10.1 3.31 112
2017 91 71 .562 3.75 162 192 1.210 7.8 1.2 3.1 9.7 3.10 121
2016 84 78 .519 4.16 162 214 1.262 8.6 1.3 2.8 8.8 3.14 104
2015 87 75 .537 4.03 162 182 1.297 8.7 1.1 2.9 8.5 2.89 101
2014 84 78 .519 3.75 162 164 1.232 8.6 1.0 2.5 8.5 3.44 103
2013 85 77 .525 3.94 162 171 1.305 9.0 1.1 2.7 7.7 2.82 102
2012 95 67 .586 3.85 162 190 1.268 8.7 1.2 2.7 8.2 3.06 110
2011 97 65 .599 3.73 162 152 1.323 8.8 0.9 3.1 7.5 2.41 116
Year W L W-L% ERA G HR WHIP H9 HR9 BB9 SO9 SO/W ERA+

カルロス・ベルトラン

GM特別アドバイザーとしてヤンキースと契約していたカルロス・ベルトランがニューヨーク・メッツの新監督に就任。契約期間は3年とのことです。

特別アドバイザーとしてヤンキース職員になっていたわけですが、スランプに陥っていたパクストンを復活させるなど現役時代からコーチ力に長け人格面&リーダーシップの評価もすこぶる良い人物ですから、この流出はヤンキースにとって痛い。