2021年MLBドラフト上位指名候補:大学生投手

MLBが開幕したうえに松田聖子にドハマりしてしまい1ヶ月以上当ブログを放置していましたが、聖子ちゃんマイブームも落ち着ちつき余裕ができたので再開。

すでに2021年度ドラフトのプロスペクト・ランキングを発表しているベースボールアメリカ・MLB公式・Fangraphsの順位を載せていますが、ベースボールアメリカだけは大学生と高校生を分けてランキングしています。


クマール・ロッカー

Kumar Rocker
20歳:196㎝・115㎏:RHP:ヴァンダービルド大学
予想指名順位:全体1位~3位

メディア 順位
Baseball America(大学生) 1位
MLB.com 1位
FanGraphs 2位

元NFL選手の父の身体能力を引き継いだ高校生トップクラスのピッチャーとして2018年ドラフト1巡目指名が予想されていましたが、ドラフト直前における不調とコマンド&将来の伸びしろに対するクエスチョンマークにより上位で指名されることはなく、強豪ヴァンダービルド大学に進学。

そしてヴァンダービルド大学でご存知の通りフレッシュマン(1年生)ながらも強豪デューク大学相手に19奪三振を奪いノーヒットノーランを達成し一躍時の人に。さらにカッレジワールドシリーズのMVPも受賞するなど2019年シーズン終盤には各強豪大学が手も足も出ず、当然のことながら各メディアの最優秀フレッシュマンに選出されています。

身体的完成度が高く今後の急激な球速向上は期待できないかもしれませんが、高校時代に最速99マイルを計測したフォーシームは大学でも引き続き最速98マイルを計測。

さらにフォーシームと同じく高校時代からプラス評価を受ける80マイル台中盤のスライダーは2021年ドラフトクラス最高の変化球との評価が多数。ただ、高校時代に平均レベルと評されていた第2の変化球チェンジップは90マイル近くを計測しているものの変化量はイマイチで、空振りを奪うというよりはゴロを誘うようなシンカー気味の球。とはいってもロッカーは左打者からもスライダーで容易に空振りを奪えますからね。

反対に投球フォームの再現性・コマンドの不安定さは未だに不安を抱え、昨年はシーズンを通してコマンドが安定しストライク率64.7%を記録し16度の先発で3つ以上の四球を許した試合はたった1試合しかありませんでしたが、シーズン中断によりスモールサンプルとはなるものの今シーズンは3度の先発中2試合で3四球以上を許しストライク率は60.9%まで下落。

各登板の動画を見る限りではセットアップポジションにおけるフォームが試合ごとに大きく異なるなど今日まで定まっておらず、ランナー出塁後に安定感の欠けるピッチングを見せているように感じました。

Register Pitching
Year Age Tm Lg W L ERA G IP H HR BB SO WHIP BB9 SO9 SO/W
2019 19 Vanderbilt SEC 12 5 3.25 19 99.2 88 2 21 114 1.094 1.9 10.3 5.43
2020 20 Vanderbilt SEC 2 1 1.80 3 15.0 6 0 8 28 0.933 4.8 16.8 3.50
All All All   14 6 3.06 22 114.2 94 2 29 142 1.073 2.3 11.1 4.90

個人的に好きな選手じゃないのでアレですけどネームバリューだけならストラスバーグ以降でNo.1でしょうし、アマチュア野球界の貴重なアフリカ系黒人スターとして本国アメリカで話題性の低いMLBドラフトを盛り上げてほしいところ。


ジャック・ライター

Jack Leiter
20歳:183㎝・80㎏:RHP:ヴァンダービルド大学
予想指名順位:全体1位~3位

メディア 順位
Baseball America(大学生) 2位
MLB.com 2位
FanGraphs 1位

2019年MLBドラフト注目選手:その10(2019年5月投稿)

昨年のドラフトにおいて1巡目クラスの高評価を受けていた2世選手ですが、ヴァンダービルド大学進学の意志が強く上位で指名されないまま同大学へ(一応ヤンキースが手付として20巡目で指名)。

上記のクマール・ロッカーの1年後輩となるわけですが、早生まれ(21歳未満)ルールによりロッカーと同じ2021年ドラフト対象となっています。

2019年に98マイルを計測しましたがヴァンダービルド大学における計4登板では最速96マイル。平均も92~93マイル程度と高校時代から球速向上は無し。

しかしながら、高校時代から絶賛されている70マイル台の決め球12-6カーブと平均以上のチェンジアップに加え、80~86マイル程度を計測するスライダーも新たに習得。また、そのスライダーはコマンドこそイマイチなものの習得したばかりにもかかわらず変化は👍。順調にいけば4つの平均超の変化球を持つ先発として理想的な選手に。

Register Pitching
Year Age Tm Lg W L ERA G IP H HR BB SO WHIP BB9 SO9 SO/W
2020 20 Vanderbilt SEC 2 0 1.72 4 15.2 5 0 8 22 0.830 4.6 12.6 2.75
All All All   2 0 1.72 4 15.2 5 0 8 22 0.830 4.6 12.6 2.75

高校時代からコマンド&コントロール難は解消されていないようで、さらにセットアップポジションで明らかに球速が低下することも大きな不安要素。

投手としてのポテンシャルは同じ全体1位指名候補のクマール・ロッカー以上なのでしょうが、現時点としての完成度は大きく差を付けられています。


ジェイデン・ヒル

Jaden Hill
20歳:190㎝・95㎏:RHP:ルイジアナ州立大学
予想指名順位:全体10位前後

メディア 順位
Baseball America(大学生) 6位
MLB.com 15位
FanGraphs 7位

高校時代のある時点までは野球投手としてよりもアメフトのクォーターバックとして期待されるアスリートでしたが、最終学年のシーズン前半戦に鎖骨を骨折しアメフトの残りシーズンを全休。しかしながら、アメフトの後に開幕する野球の方でシーズン途中に復帰すると最速90マイル台後半の剛速球とプラスピッチのチェンジアップを披露。

2018年MLBドラフトにおいては3巡目クラスの評価を受けていただけでなくクォーターバックとしてNCAA1部所属大学2校からオファーを獲得しましたが、ルイジアナ州立大学に進学し野球に専念することに。

そのルイジアナ州立大学では2度の先発で早速好投を見せたものの右肘の靭帯を痛め残りシーズンを全休。このため今シーズンはリリーフ起用を受けることとなりましたが、11.2回を投げ被安打1・17奪三振という圧倒的なパフォーマンスを残し短いシーズンの中で評価を急上昇させることに成功しています。

2019年の故障前は90マイル台前半を計測していましたが、今シーズンは最速98マイル・平均90マイル台中盤を計測。もちろんリリーフとしての記録なので先発に復帰すれば平均球速は下がるでしょうけど、現時点として球威に関しては昨年のケガの悪影響は見られないようです。

高校時代はチェンジアップが武器の投手でしたが、動画を見る限り80マイル台中盤のスライダーが現時点における決め球となっておりクオリティも間違いなくプラスピッチ。もちろんチェンジアップも依然として高いクオリティを誇り右打者相手への投球割合も比較的高めで、大学進学を経て90マイル前後のカットボールも習得しています。

Register Pitching
Year
Age Tm Lg W L ERA G IP H HR BB SO WHIP BB9 SO9 SO/W
2019 19 Louisiana State SEC 1 0 1.80 2 10.0 6 0 3 11 0.900 2.7 9.9 3.67
2020 20 Louisiana State SEC 0 0 0.00 4 11.2 1 0 5 17 0.514 3.9 13.1 3.40
All All All   1 0 0.83 6 21.2 7 0 8 28 0.692 3.3 11.6 3.50

現時点では高校時代からの故障歴・先発投手としての経験不足こそ大きなマイナスポイントではありますが、来年にシーズンを通し先発投手として実績を残せばクマール・ロッカー&ジャック・ライターのヴァンダービルド大コンビを逆転する可能性も十分。

コメント

  1. 土屋 勇治 より:

    同じチームメイトのボルペを指名するんだったら、イチかバチかでヤンキースは1位指名すれば良かったのにと思っていますが、父がデビューした球団とは言えゲリットコールの時みたいに断られていましたかね。ドクターK、ドワイドグッデンを知っている世代なのでロッカーとヒルは、アフリカ系アメリカ人の希望の星になってほしいと思います。

  2. 匿名 より:

    Mike Fordと聖子ちゃんどっちが好き?会えるとしたらどっち?