2021年MLBドラフト上位指名候補:高校生投手

今回は不作の高校生投手。


2021年MLBドラフト上位指名候補:大学生投手

2021年MLBドラフト上位指名候補:大学生野手


すでに2021年度ドラフトのプロスペクト・ランキングを発表しているベースボールアメリカ・MLB公式・Fangraphsの順位を載せていますが、ベースボールアメリカだけは大学生と高校生を分けてランキングしています。


クリスチャン・リトル

Christian Little
17歳:193㎝・93㎏:RHP:カリフォルニア州
予想指名順位:全体16~20位

メディア 順位
Baseball America(高校生) 3位
MLB.com 5位
FanGraphs 13位

来年のドラフト後に18歳の誕生日を迎える上位指名候補最年少の注目株。

体格と身体能力を兼ね備え最速95マイル・平均90~91マイル程度のフォーシームは球速こそイマイチですがスピンレイト2500rpm近くを記録するなどクオリティは一品。今後の体の成長につれ下半身に踏ん張りが効くようになれば球速も伸びるはず。

変化球は70マイル台中盤のカーブと80マイル台中盤のチェンジアップ。2つとも平均以上の評価を受けており、コマンドも高校生の中では安定しているため先発向きの投手と言えるはず。個人的にチェンジアップはプラス・ピッチレベルかなと。

飛び抜けたツールがあるわけではありませんが完成度が高く、年齢・体格的にまだ伸びしろも感じせる稀有な選手。ただ、この夏のショーケース等では期待ほどのパフォーマンスを披露できていないよう。

次の秋~春にも躓くようであればコミット済みのヴァンダービルド大学へ進学する可能性も大。


チェイス・ペティ

Chase Petty
17歳:185㎝・98㎏:RHP:ニュージャージー州
予想指名順位:全体15~20位

メディア 順位
Baseball America(高校生) 17位
MLB.com
FanGraphs

2019年の所属高校シーズンはケガに泣きたった11イニングしか投げれませんでしたが、その後のショーケース等で活躍を見せニュージャージーNo.1高校生と評されるプロスペクトに。さらに今年に入るとショーケースで最速100マイルを叩き出し(2019年の最速は94~95マイル程度)、全米トップクラスの高校生相手に支配的なピッチングを見せるなどして評価が急上昇中。

現在の各メディアのドラフト有望株ランキングでは上位にランクインしていませんが、すでに1巡目クラスの選手であることは間違いないでしょう。

大きなテイクバック&サイドスローに近いスリークォーターが特徴的なワイルドかつエフォートの強いフォームの持ち主で投球時にキャップが脱げることもしばしば。昨年まではスラリとした体格でしたが今年に入り体重を増やしたことで上記のように大幅な球速アップに成功し、ここ2か月間の登板では最速100マイル・常時95~97マイルを計測中。アームアングルのためかツーシーム気味の変化を見せていてコマンドに苦しんでいる印象。

さらに高校生トップクラスの速球に加え80マイル台中盤のスライダーと80マイル台後半のチェンジアップも共にポテンシャルはプラスピッチ。かねてからスライダーを決め球としていてチェンジアップを習得したのは2019年ごろと最近のようですが、すでに右打者に積極的に投げ込み空振りを奪うほどのクオリティを誇るので更なる向上が楽しみ。

ちなみに、試合では使っていませんが70マイル台前半のナックルボールも投げられる器用な投手。

ワイルドな投球フォームは故障のリスクが高くコマンド&コントロールも不安定。2019年の故障、今シーズンのキャンセルにより1シーズンを戦い抜くスタミナ・耐久性を持ち合わせているかは未知数であるため来年度にそれを証明する必要があるわけですが、個人的にはこういうハイリスクな剛腕が大好きです。

ハイフロア・ローシリングのプロスペクトなんてものを好む奴は男じゃないね。


チェイス・バーンズ

Chase Burns
17歳:193㎝・98㎏:RHP:テネシー州
予想指名順位:全体20~30位

メディア 順位
Baseball America(高校生) 10位
MLB.com
FanGraphs

前項のチェイス・ペティを上回る101マイルを計測した高校生最速投手。この春~夏に素晴らしいパフォーマンスを披露しペティと同様に評価が急上昇中のプロスペクトです。

かつてのMLB最速投手J.R・リチャードを彷彿させるオーバースローから投げ込まれるフォーシームはコンスタントに100マイル近くを計測するだけでなくスピンレイトも2400~2500rpmと優秀。

変化球は80マイル台後半の高速スライダー、同じく80マイル台後半のチェンジアップ、70マイル台のカーブの3種類ですが、有識者たちからの評価はチェンジアップ>スライダー>カーブの順。

まあ、フォームに安定性がなくコマンドが悪いだとか体格に成長の余地がなくポテンシャルに懸念があるだとか100マイル前後を連発するような高校生は大抵プロ入り後に失敗するだとかどこかの誰かさんとソックリの指摘をされている選手なわけですけど、現時点で高校生トップクラスの実力を持つ投手であることは確かです。