2021年MLBドラフト上位指名候補:高校生野手

1993年のアレックス・ロドリゲス、2001年のジョー・マウアー、2010年のブライス・ハーパーに続きそろそろ10年に1度クラスの天才高校生野手が表れてほしいところですが、残念ながら2021年クラスもそのような選手は皆無。

ただ、2022年クラスにはElijah Green(イライジャ・グリーン)というここ何年間でNo.1の身体能力の塊がいるので、この選手が大化けすれば10年に1度クラスの高校生プロスペクトとなるかもしれません。


2021年MLBドラフト上位指名候補:大学生投手

2021年MLBドラフト上位指名候補:大学生野手

2021年MLBドラフト上位指名候補:高校生投手


すでに2021年度ドラフトのプロスペクト・ランキングを発表しているベースボールアメリカ・Fangraphsの順位を載せていますが、ベースボールアメリカ・MLB公式だけは大学生と高校生を分けてランキングしています。


ブレイディ・ハウス

Brady House
17歳:190㎝・98㎏:SS/RHP:ジョージア州
予想指名順位:全体3~10位

メディア 順位
Baseball America(高校生) 1位
MLB.com(高校生) 4位
FanGraphs 5位

3歳の頃から野球を始めリトルリーグ時代から高い評価を受け続けてきたトッププロスペクト。兼ねてから2021年クラスNo.1高校生として非常に有名なわけですが、この夏のショーケースで少し評価を落としています。

この6月に17歳になったばかりとは思えない超高校級の体格を持ち、ブライス・ハーパーと比較される豪快なフォームから繰り出されるバットスピードとパワーは文句なしで高校生トップクラス。下半身がインフレキシブルなため低めの球への対応に難を残すものの、プロ入り後も高校生とは格の違うプロ(マイナリーガー)の剛速球にパワー負けする姿は想像できません。

加えて、打者としてだけでなく長年投手としても活躍してきた二刀流選手であり、マウンドでは最速97マイルを記録するなどパワーだけでなくその強肩も桁違いのツール。大柄な体格に加え走塁が平均未満のためプロ入り後もショートに留まれる可能性がゼロですが、現状としてフィールディング自体は評価が高く将来は好守のサードとして期待できるかもしれませんね。


ジョーダン・ロウラー

Jordan Lawlar
17歳:188cm・84㎏:SS:テキサス州
予想指名順位:全体3~10位

メディア 順位
Baseball America(高校生) 2位
MLB.com(高校生) 1位
FanGraphs 11位

今年のありとあらゆるショーケースで好パフォーマンスを残し評価を一気にドラフト1巡目一桁クラスまで上げた急成長中の高校生内野手。

今月に行われたパーフェクト・ゲーム・オール・アメリカン・クラシック(高校生のオールスターゲーム)においても高校生トップクラスの好投手アンドリュー・ペインターとマダック・バーンズからヒットを放ちました。

非常にコンパクトかつスムーズなバッティングフォームは各方面から絶賛されていて、バッティングスキルは現時点で高校生No.1かと。身長こそあるもののスイングがコンパクトなためパワー面はあまり期待できないかもしれませんが(実際に打球初速度はイマイチ)、アッパー気味のスイング軌道から20~30度の理想的な角度で打球を放つスキルは一品。

また、60ヤード走6.45秒を記録したプラス-プラスの俊足も大きな魅力。肩も平均以上のためショートへ留まることが期待されますが、守備に難アリとの評もあり昨年は高校試合にて守備率.812を記録。


マーセロ・マイヤー

Marcelo Mayer
17歳:190cm・84㎏:SS:カリフォルニア州
予想指名順位:全体10~15位

メディア 順位
Baseball America(高校生) 6位
MLB.com(高校生) 3位
FanGraphs 23位

エイドリアン・ゴンザレス(2000年ドラフト全体1位)やキオニ・カバコ(2019年ドラフト全体13位)を輩出したカリフォルニア州イーストレイク校の新たなドラフト上位指名候補。

コロナの影響から多くのショーケースに参加しなかったため他の選手よりもトラックレコードについては後れを取っていますが、高校生屈指の5ツールプレーヤーとして全体一桁順位の指名予想を行うメディアも増えてきています。

スムーズな左のスイングはジャコビー・エルズベリーを彷彿とさせ、ジョーダン・ロウラーのようにバッチコントロールに長けた中距離打者への成長が期待されるところ。昨年よりもフォームを簡素化しているようですが、悪く言えばこれ以上弄りようがないよね。

身長190cmとショートしては大柄な選手ですが、平均以上のスピードと肩を兼ね備え守備力は高校生トップクラスとのこと。

そりゃあのスイングでショート守備もプラスなら上位指名候補になるわ。


ジェームズ・ウッド

James Wood
17歳:198cm・104㎏:CF:IMGアカデミー
予想指名順位:全体20~30位

メディア 順位
Baseball America(高校生) 5位
MLB.com(高校生) 9位
FanGraphs ランク外

最後に取り上げるのは今ドラフト最大のロマン枠プロスペクト、センターとして身長198㎝という規格外のサイズを持つジェームズ・ウッドです。

半年前までは誰もが1巡目指名候補になるとは思ってなかったわけですが、体重を約10kg増やしバッティングフォームを修正するとこの夏のショーケースで素晴らしいパフォーマンスを見せ評価が急上昇。一躍2020年ドラフト台風の目となりました。

ただ、IMGアカデミー所属なのは気になるところ。このアカデミー出身の選手は全員残らずポンコツだったからね。

動画を見ても分かるように長い手足を補うようにスイングは非常にコンパクト。ここまでテイクバックの小さなバッターはほとんど見たことがありません。ここまでスイングをコンパクトにすると普通の選手ならロクなパワーを発揮できないものですが、ハンドスピードが恐ろしいほど速いおかげで試合でも十分にパワー見せつけていようですね。

さらに、これほどの巨躯にも関わらず平均以上のスピードを持ち60ヤード走では6.7秒を計測。MLB.comなんて高校生最速の1人と評すほど(流石に言い過ぎだろうけど)。

そのスピードも生かしたセンター守備も高評価を受けていてプロ入り後もセンターに留まれるのではとの声もあるほど。まあ常識的に考えてこれほどの巨体でセンターを長年プレーするのは故障面的に厳しいわけですが、アーロン・ジャッジやジャンカルロ・スタントンのように巨躯でもコーナーOFにおいて攻守の選手は少なくありません。あと肩の強さは平均以上なものの送球が下手なので抜本的な改善の必要アリ。