デイビー・ガルシアのMLBデビュー


ヤンキース・プロスペクトの2019年評価変化(2019年11月)

ヤンキース:プロスペクトランキング:1位~50位:2019年夏(2019年7月)

デイビー・ガルシア:ヤンキース・プロスペクト(2018年7月)


Baseball AmericaやMLB.comにてジェイソン・ドミンゲス、クラーク・シュミットに次ぐ球団内プロスペクトランキング3位、FangraphsやBaseball Prospectusにおいては球団No.1の評価を受けているヤンキースのトッププロスペクト”デイビー・ガルシア(Deivi Garcia)”が今日のダブルヘッダー第2戦(vsメッツ)にてMLBデビュー&初先発を果たしました。

マイナー屈指の奪三振マシンとして毎年のように好成績を残し続け昨シーズン終盤にはリリーフ戦力としてのMLB早期デビューを見据えてAAAに昇格するも低成績に終わり、今年の春季キャンプでは9回9失点と期待外れのパフォーマンスが続いていたガルシア。

AAA以上で実績のない投手がパクストンの故障に伴う急遽デビュー先発戦で好調メッツ打線を相手にするのは酷かとも思いましたが、終わってみればたった75球を投げ6回・1失点(自責点0)・被安打4・6奪三振(無四球)という申し分のない好投。

先発陣の不調・故障により一昨日まで7連敗を喫し先発補強が急務と考えられていたヤンキース投手陣において久々に希望を感じさせてくれたピッチングでした。

かねてから「チビのガルシアがMLBにおいて先発として通用するわけがない」みたいなことを吹聴していた私にとってはアレなんですけど。

マイナー成績

Year Age Lev Aff W L ERA G GS IP H HR WHIP BB9 SO9 SO/W
2016 17 FRk NYY 1 5 2.61 12 12 48.1 23 1 1.138 6.0 11.4 1.91
2017 18 Rk-FRk NYY 6 2 3.30 13 10 60.0 42 7 1.017 2.9 12.8 4.47
2017 18 Rk NYY 2 1 4.50 6 5 28.0 23 3 1.286 4.2 13.8 3.31
2017 18 Rk NYY 3 0 3.24 4 2 16.2 9 3 0.780 2.2 13.0 6.00
2017 18 FRk NYY 1 1 1.17 3 3 15.1 10 1 0.783 1.2 10.6 9.00
2018 19 A-A+-AA NYY 5 4 2.55 14 14 74.0 50 5 0.946 2.4 12.8 5.25
2018 19 AA NYY 1 0 0.00 1 1 5.0 0 0 0.400 3.6 12.6 3.50
2018 19 A+ NYY 2 0 1.27 5 5 28.1 19 0 0.953 2.5 11.1 4.38
2018 19 A NYY 2 4 3.76 8 8 40.2 31 5 1.008 2.2 13.9 6.30
2019 20 AA-AAA-A+ NYY 5 9 4.28 26 21 111.1 96 10 1.347 4.4 13.3 3.06
2019 20 AAA NYY 1 3 5.40 11 6 40.0 39 8 1.475 4.5 10.1 2.25
2019 20 AA NYY 4 4 3.86 11 11 53.2 43 2 1.286 4.4 14.6 3.35
2019 20 A+ NYY 0 2 3.06 4 4 17.2 14 0 1.245 4.1 16.8 4.13
Year Age Lev Aff W L ERA G GS IP H HR WHIP BB9 SO9 SO/W
All All     17 20 3.37 65 57 293.2 211 23 1.144 3.8 12.7 3.33

球種

球数

平均球速
(マイル)
スピンレイト
(RPM)
FF 43 92.1 2204
CU 19 75.3 2761
CH 8 82.0 1786
SL 5 82.8 2546

昨シーズンはコンスタントに95マイル以上を計測していたガルシアですが、今回の登板では最速94.1マイル・平均92.1マイルと平均未満の数字に終わりスピンレイトも平均的。ストライクゾーンに集まったもののコマンドもアバウトで危なっかしいコースも多く、メッツ打線がフォーシームから2安打しか記録できなかったのが不思議なくらい。

ただ、マイナー時代のガルシアは高めに投じたフォーシームにより空振りを奪うことが多い現代的なタイプでしたが今日の試合では低め角のコースに適宜投じられていて、メッツ打線がその低めのフォーシームにほぼ全く手を出せなかったのも印象的。

昨シーズンまでは低めのコーナーにフォーシームを投げ分けられるほどのコマンドを有していいなかったわけですが、この試合である程度意図的にコマンドできていたのであれば大きな大きな成長。

18歳の頃から3000rpm以上を記録しマイナーリーグ最高とも評されていた絶対的な決め球のカーブは2イニング目に抜け球が続いたものの、他の5イニングではフォーシームやチェンジアップよりも低めのコースに決まり続けスピンレイトも最高2966rpmを記録。

また、カーブがウリのピッチャーであり高い奪三振率もこの球のおかげのはずですが、今日の試合では2ストライクカウントにおいてカーブを投じたのは24球中たった3球だけ。反対に初球は22球中9球がカーブを占めていて、これほどのクオリティを誇る球をカウント作り&初球からの意識付けに用いたのは印象的でした。

とはいえ今日は先発キャッチャーをクラッツが務めワンバンするようなカーブもしっかりとブロッキングしていわけですが、サンチェスが同じようにガルシアのカーブをまともに扱えるとは到底思えないんですけど。

カーブとは対照的に空振りを奪えるほどの変化量がなくシンカー気味のチェンジアップは、計8球を投げやっぱり空振りは無し。ただ、ほとんどが左打者の外角ボールゾーンに逃げるように投じられていて、打たせて取る球として機能していたのは確か。

昨シーズン途中に習得したばかりのスライダーは大きく外れたコースが多く経験不足・コマンドの未成熟を露呈。5球のうち4球をアーメッド・ロザリオ相手に投じるなど非常に限定的なピッチングだったのも押さえておきたいところ。


また、気になったのはカーブとその他球種のリリースポイントの違い。上のYoutube動画を見てもらえば分かることですが、カーブとその他球種で上半身の開きのタイミングや左足の振り出し・接地に違いが見受けられ、初見以外の相手に通用するかは疑問。


今シーズンはここまでマイク・キング、ニック・ネルソン、アルバート・アブレイユ、ブルックス・クリスキーと投手のプロスペクトが全員ダメダメだったので、これでやっと有望株でシコることができました。

あと「クラーク・シュミットを昇格させろ!」というヤンカスの声も非常に多いわけですが、今日シュミットはマイナーの模擬試合に先発しガルシア快投の陰で炎上しています。

コメント

  1. 土屋 勇治 より:

    トレードで誰も獲得できなかったから、ガルシアには期待したいんだけど先発投手で長期に渡って活躍しま生え抜きは、ペティットまで遡りますからなあ。当時はあまり思わなかったけど、長期に渡って活躍したバーニー+コア4は凄かったんだなと、しみじみ思います。

  2. ジーターです。 より:

    サイコー!!!