MLB:2021年オフFA注目選手:内野手編

今年もオフの補強市場なんてそっちのけで、約1年後(2021年シーズン終了後)にFAとなる予定の選手を取り上げていきます。

まずは来シーズンオフ最大の豊作メンバーとなるであろう内野陣からです。

  • 年齢は2022年シーズン開幕時のもの
  • FAまでに所属チームと契約延長を行う可能性は大中小の3つで表現
  • オプトアウト権も考慮
  • 予想契約額は2021年シーズンにおいて2019~2020年の2年間の平均値程度の成績を残すと仮定した上で決定。
  • 来シーズンはある程度の観客動員が行われ162試合フルで開催されると仮定。


MLBにおける総額1億ドル以上の全大型契約の一覧表を作成していたのですが、Twitter上では公表していたにもかかわらず記事にするのを忘れて...

ファースト

フレディ・フリーマン

ATL:右投左打:32歳6ヶ月:契約延長・大

予想契約額:5年 1億5000万ドル

年度 rWAR fWAR WARP
2019 4.4 4.0 4.0
2020 3.2 3.4 2.4

2013年オフに結んだ7年1億3500万ドルのエクステンションが2021年シーズン限りで終了。(取り敢えずコロナ禍は別として)新球場の開場以降チーム経営がすこぶる順調なブレーブスですが、2021年シーズン以降はペイロール面でも余裕があることを考えると、来オフのFA
までに新たなエクステンションを行う可能性は高いはず。

ここ数年の好成績を考えるとポール・ゴールドシュミットがカージナルス移籍直後に結んだ5年1億3000万ドルを超えることは確かです。。

また、今オフの開始前に本人はチーム残留希望の胸を表明し、エクステンションの交渉が本格的に行われると予想されていましたが、今のところはこれといったニュースはありませんね。

Standard Batting
Year Age Tm G PA H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS OPS+
2018 28 ATL 162 707 191 23 10 76 132 .309 .388 .505 .892 139
2019 29 ATL 158 692 176 38 6 87 127 .295 .389 .549 .938 135
2020 30 ATL 60 262 73 13 2 45 37 .341 .462 .640 1.102 186
11 Y 11 Y 11 Y 1406 5965 1524 240 45 691 1205 .295 .383 .509 .892 139

アンソリー・リゾー

CHC:左投左打:32歳7ヶ月:契約延長・小

予想契約額:4年 6400万ドル

年度 rWAR fWAR WARP
2019 3.9 4.0 3.7
2020 1.0 1.0 0.6

2013年シーズン開幕直後に結んだ9年7500万ドル(7年+球団オプション2年)の超お買い得契約がとうとう来シーズンで終了。ただ、安定感が持ち味の選手であるはずですが、2020年シーズンは得意だった速球系を強打できずキャリア最低クラスの成績に終わりました。

既に放出したダルビッシュやカイル・シュワーバーだけでなくクリス・ブライアントやウィルソン・コントレラスらのトレードも画策しチーム解体を進めているカブスがリゾーとエクステンションを行う可能性は小。

Standard Batting
Year Age Tm G PA H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS OPS+
2018 28 CHC 153 665 160 25 6 70 80 .283 .376 .470 .846 124
2019 29 CHC 146 613 150 27 5 71 86 .293 .405 .520 .924 139
2020 30 CHC 58 243 45 11 3 28 38 .222 .342 .414 .755 103
10 Y 10 Y 10 Y 1265 5416 1249 229 60 609 858 .271 .372 .485 .857 129

ブランドン・ベルト

SFG:左投左打:33歳11ヶ月:契約延長・小

予想契約額:2年 3200万ドル

年度 rWAR fWAR WARP
2019 0.8 0.5 1.9
2020 2.1 1.9 1.4

2017年の頭部死球による脳震盪や膝の故障により成績の下落が続いていましたが、今シーズンは膝の状態が良いまま開幕を迎えた(本人談)ことで復活。

ジャイアンツは来シーズン限りでベルトの他にバスター・ポージー、ジョニー・クエト、ブランドン・クロフォードら高給取りがFAとなる予定。この絶好のタイミングに合わせて今オフから来オフにかけて買い手側に回り勝負を掛けると予想されていましたが、同地区のパドレスのチーム強化がジャイアンツの再建プランを狂わせていることは想像に難くないわけで、ベルトとエクステンションを行う可能性も低いことでしょう。

他注目選手

マット・カーペンター(相互オプション有)

ライアン・ジマーマン


セカンド

DJ・ラメイヒューを擁する今オフとは対照的にこれといったメンバーがいないので割愛。

取り敢えずここ2シーズン連続で好成績を残しているジャイアンツのソラーノが最上位の選手になるかと思います。

注目選手

ドノバン・ソラーノ

スターリン・カストロ

ジョシュ・ハリソン


サード

クリス・ブライアント

CHC:右投右打:30歳2ヶ月:契約延長・小

予想契約額:6年 1億2000万ドル

年度 rWAR fWAR WARP
2019 3.7 4.8 2.7
2020 0.4 0.5 0.3

今オフ中にトレード放出を受ける可能性が高くカブスとエクステンションを行うことはないでしょうが、反対に移籍先でトレードと同時に大型契約を結ぶ可能性は十分。

まあブライアントがMVP級のスター選手であったのは2017年までの話で、それ以降は度重なる故障と身体能力の劣化により成績は下降。特に2020年シーズンはリプレイスメントレベルの成績に終わっただけに、長期契約を結ぶには今が最悪のタイミング。

Standard Batting
Year Age Tm G PA H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS OPS+
2018 26 CHC 102 457 106 13 2 48 107 .272 .374 .460 .834 121
2019 27 CHC 147 634 153 31 4 74 145 .282 .382 .521 .903 132
2020 28 CHC 34 147 27 4 0 12 40 .206 .293 .351 .644 73
6 Yr 6 Yr 6 Yr 740 3252 778 142 34 381 773 .280 .380 .508 .889 134

ノーラン・アレナド

COL:右投右打:31歳11ヶ月:契約延長・小

予想契約額:—–

年度 rWAR fWAR WARP
2019 6.7 6.0 7.1
2020 1.6 0.9 1.5

2019年シーズン開始前に結んだ8年2億6000万ドルの超大型契約には2021年シーズン終了後のオプトアウト権が含まれていますが、よっぽどの好成績でも残さない限り2022年~2026年の5年1億6400万ドルを破棄してFAになる可能性は低いかと。

そもそも、ロッキーズだけでしかプレー経験が無くクアーズフィールド以外での打撃成績もイマイチなだけに、オプトアウト権を行使して5年1億6400万ドル以上の契約が欲しいのであれば、今オフ中にでも他球団にトレード移籍しコロラドから下山しても活躍できることを証明する必要があるでしょう。

Standard Batting
Year Age Tm G PA H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS OPS+
2018 27 COL 156 673 175 38 2 73 122 .297 .374 .561 .935 133
2019 28 COL 155 662 185 41 3 62 93 .315 .379 .583 .962 130
2020 29 COL 48 201 46 8 0 15 20 .253 .303 .434 .738 84
8 Yr 8 Yr 8 Yr 1079 4558 1206 235 16 362 684 .293 .349 .541 .890 120

他注目選手

カイル・シーガー(チームオプション有)

エドゥアルド・エスコバー


ショート

フランシスコ・リンドーア

NYM:右投両打:28歳4ヶ月:契約延長・大

予想契約額:9年 3億1500万ドル

年度 rWAR fWAR WARP
2019 5.0 4.5 3.8
2020 1.1 1.8 1.3

今年の11月で28歳と若く故障も非常に少ない選手だけに例年通りの好成績を残せば総額3億ドルが目安となるはずですが、FAとなる前にメッツとエクステンションを行ことはほぼ間違いないでしょう。

とは言え、何だかんだここ2シーズンはそこまでの好成績ではなかったわけですし、打者有利のインディアンズ本拠地プログレッシブ・フィールドとアウェイにおける成績に大きな乖離があるバッターなだけに、打者不利のメッツ本拠地シティ・フィールドで微妙な成績に終わる可能性も。

Standard Batting
Year Age Tm G PA H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS OPS+
2018 24 CLE 158 745 183 38 25 70 107 .277 .352 .519 .871 132
2019 25 CLE 143 654 170 32 22 46 98 .284 .335 .518 .854 118
2020 26 CLE 60 266 61 8 6 24 41 .258 .335 .415 .750 102
6 Yr 6 Yr 6 Yr 777 3510 896 138 99 284 496 .285 .346 .488 .833 117

コーリー・シーガー

LAD:右投左打:27歳11ヶ月:契約延長・中

予想契約額:8年 2億1600万ドル

年度 rWAR fWAR WARP
2019 3.3 3.3 3.1
2020 2.1 1.9 2.1

トミー・ジョン手術の影響からかキャリア最低の打撃成績に終わった2019年シーズンから一転、2020年シーズンは別人のような強打を発揮しポストシーズンでも非の打ち所が無い活躍を披露。先述のリンドーアと比べて半年以上も若く、2021年シーズンもMVP級の成績を残すようなことがあれば、FA最大の目玉選手となる可能性も。

現状としてドジャースの抱えている長期契約がムーキー・ベッツのみであることや、ギャビン・ラックスがMLBの壁にぶち当たっていることを考えると、シーガーに対しエクステンションをオファーする余裕と必要性があるように思えますが、今オフは年俸調停を回避して1年1375万ドルの契約を結んだこと以外にこれといったニュース無し。

Standard Batting
Year Age Tm G PA H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS OPS+
2018 24 LAD 26 115 27 2 0 11 17 .267 .348 .396 .744 103
2019 25 LAD 134 541 133 19 1 44 98 .272 .335 .483 .817 113
2020 26 LAD 52 232 65 15 1 17 37 .307 .358 .585 .943 152
6 Yr 6 Yr 6 Yr 541 2301 610 88 11 207 435 .295 .362 .500 .863 129

トレバー・ストーリー

COL:右投右打:29歳4ヶ月:契約延長・小

予想契約額:7年 1億9600万ドル

年度 rWAR fWAR WARP
2019 6.1 5.9 4.9
2020 2.4 2.4 1.5

今オフ中にノーラン・アレナドと共に放出されるのではとの噂が後を絶ちませんが、大型契約がネックになるであろうアレナドと比較すると放出するのは断然ストーリーの方が容易。とりあえず2022年シーズン以降もロッキーズでプレーする可能性はゼロ。

もちろんクアーズフィールドの恩恵を受けていることは間違いありませんが、今オフにでもロッキーズから移籍して好成績を残すようなことがあれば…。

Standard Batting
Year Age Tm Lg G PA H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS OPS+
2018 25 COL NL 157 656 174 37 27 47 168 .291 .348 .567 .914 127
2019 26 COL NL 145 656 173 35 23 58 174 .294 .363 .554 .917 119
2020 27 COL NL 59 259 68 11 15 24 63 .289 .355 .519 .874 118
5 Yr 5 Yr 5 Yr 5 Yr 603 2541 636 134 80 213 726 .277 .343 .535 .877 114

ハビア・バイエズ

CHC:右投右打:29歳4ヶ月:契約延長・小

予想契約額:6年 1億2600万ドル

年度 rWAR fWAR WARP
2019 6.0 4.4 3.9
2020 0.9 0.0 0.9

初のGG賞に輝くなど持ち前の守備力は遺憾なく発揮したものの打撃成績は💩

ショートが充実している中で、身体能力任せのフリースウィンガーに大型契約を与えるチームは少ないでしょうが、上記の3人や後述のコレアらとは違いセカンドやサードでも確固たる実績があるショートはバイエズのみ。

Standard Batting
Year Age Tm G PA H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS OPS+
2018 25 CHC 160 645 176 34 21 29 167 .290 .326 .554 .881 129
2019 26 CHC 138 561 149 29 11 28 156 .281 .316 .531 .847 115
2020 27 CHC 59 235 45 8 3 7 75 .203 .238 .360 .599 59
7 Yr 7 Yr 7 Yr 724 2708 671 118 63 128 769 .264 .304 .473 .777 102

カルロス・コレア

HOU:右投右打:27歳6ヶ月:契約延長・中

予想契約額:1年 2000万ドル

年度 rWAR fWAR WARP
2019 3.5 3.2 2.3
2020 1.8 0.9 -0.1

WS優勝時はMVP獲得も時間の問題かと思われましたが、ここ3シーズンは故障とスランプに苦しみ選手価値は下落の一途。

2021年シーズンも同様の低成績に終わるようであれば、今クラスで最年少という若さを活かして単年契約を結び2022年シーズンでの活躍に賭けるでしょうね。

Standard Batting
Year Age Tm G PA H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS OPS+
2018 23 HOU 110 468 96 15 3 53 111 .239 .323 .405 .728 99
2019 24 HOU 75 321 78 21 1 35 75 .279 .358 .568 .926 137
2020 25 HOU 58 221 53 5 0 16 49 .264 .326 .383 .709 92
6 Yr 6 Yr 6 Yr 604 2583 626 107 33 272 544 .276 .353 .480 .833 126

他注目選手

ホセ・イグレシアス

ブランドン・クロフォード

コメント

  1. 匿名 より:

    今更ですけど、ホセラミレスも一応契約終了しますよね?まあさすがにCLEが激安のプレイヤーオプションを行使しないはずがないですけど…。

  2. 匿名 より:

    プレイヤーオプションじゃなくてチームオプションですね

    • 管理人 より:

      ラミレスのように2019~2020年の2年間の平均値程度の成績を残した場合に球団オプションが行使される可能性が高い選手は省いてます。