つい2日前、フロリダ州パームビーチ郡にて総勢25球団のスカウトの前で30球のテスト投球を行っていたコーリー・クルーバーですが、かねてからそのクルーバーと交渉を続けていたニューヨーク・ヤンキースと1年1100万ドルの契約に合意。身体検査を経て契約締結となる運びのようです。
クルーバーと言えば2018年シーズンまでは球界最高のピッチャーの一人でしたが、2019年シーズンは春季キャンプから不調に喘ぎ5月1日にピッチャー返しを右腕に受け骨折。その後は9月にマイナーで登板し低調なピッチングを見せたものの、MLBに復帰することは無く結果としてキャリアワーストの成績に。
今シーズンは春季キャンプで好投を見せたもののシーズンはコロナにより開幕を延期。そして、開幕3試合目で15ヵ月ぶりにMLB復帰を果たしたものの、右肩の痛みによって初回終了後に降板。右肩背面側の筋肉の裂傷と診断されPRP療法を受けることとなり、あっさりと残りシーズン全休が決定していました。
Year | Age | Tm | ERA | G | IP | H | HR | BB | SO | ERA+ | FIP | WHIP | BB9 | SO9 | SO/W |
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2016 | 30 | CLE | 3.14 | 32 | 215.0 | 170 | 22 | 57 | 227 | 144 | 3.26 | 1.056 | 2.4 | 9.5 | 3.98 |
2017 | 31 | CLE | 2.25 | 29 | 203.2 | 141 | 21 | 36 | 265 | 202 | 2.50 | 0.869 | 1.6 | 11.7 | 7.36 |
2018 | 32 | CLE | 2.89 | 33 | 215.0 | 179 | 25 | 34 | 222 | 150 | 3.12 | 0.991 | 1.4 | 9.3 | 6.53 |
2019 | 33 | CLE | 5.80 | 7 | 35.2 | 44 | 4 | 15 | 38 | 83 | 4.06 | 1.654 | 3.8 | 9.6 | 2.53 |
2020 | 34 | TEX | 0.00 | 1 | 1.0 | 0 | 0 | 1 | 1 | 4.19 | 1.000 | 9.0 | 9.0 | 1.00 | |
10 Y | 3.16 | 209 | 1342.2 | 1165 | 132 | 293 | 1462 | 135 | 2.99 | 1.086 | 2.0 | 9.8 | 4.99 |
先ほど述べたテスト投球では88~90マイルを計測したようですが、低成績に終わった2019年~2020年シーズンでも平均92マイル弱を計測。テスト投球にてヤンキースがクルーバーにどのような可能性を見出したのかは分かりませんが、故障リスクと今年4月で35歳を迎える年齢も含めて考えると1100万ドルという年俸は過剰に感じます。
今オフのFA市場の先発投手は例年と比べて不作のためかコロナ不況にもかかわらずロビー・レイが1年900万ドル、ドリュー・スマイリーが1年1100万ドルをゲットしていて、クルーバーの契約額はそれらと比べて突拍子もない数字ではありませんが、もう数百万ドルを積めば田中将大と契約できる可能性は大。
とは言っても、ヤンキースはクラーク・シュミットやデイビー・ガルシアなど若手の先発投手候補が揃っているので、3~4年契約を予想される田中はチーム状況にミスマッチと考えているのかもしれません。
クルーバーの獲得によりヤンキースの総年俸は1億9000万ドル、贅沢税対象分は2億ドルを超過。
個人的にクルーバーがジョーダン・モンゴメリー以上のパフォーマンスを発揮できるとは考えられず、そもそもフルシーズンをプレー出来る可能性も非常に低いとかと。さらに、デイビー・ガルシアもマイナー時代から球数が多く長いイニングを投げられないタイプで、クラーク・シュミットは故障が多くシーズン100イニング以上をクリアしたのは2016年(大学2年生)のみ。
2020年シーズンからアクティブ・ロースターが26人に拡大されリリーフ投手を1人増やすことが可能となった今、先発投手が2019年シーズン以前のように長いイニングを投げる必要は無くなったわけですが、欲を言えばコールに続くワークホースが欲しいところ。
ウインターリーグでボロボロだったドミンゴ・ハーマンやシーズン後半戦にトミー・ジョン手術から復帰するルイス・セベリーノにこの役目が務まるわけも無く、このまま行けばトレード・デッドラインで周章狼狽することは目に見えています。
チーム総年俸
人数 | 総額(ドル) | |
来季年俸確定 | 10 | 1億5300万 |
(贅沢税対象分) | (8) | (1億4600万) |
年俸調停(予想) | 8 | 3200万 |
最低年俸 | 10 | 650万 |
マイナーリーガー | ? | 250万 |
(選手年金) | — | (1550万) |
合計 | — | 1億9400万 |
(贅沢税対象) | — | (2億250万) |
年俸制限 | — | 2億1000万 |
超過額 | — | 無し |
アクティブ・ロースター
野手
C :ゲーリー・サンチェス
1B:ルーク・ボイト
2B:DJ・ラメイヒュー
3B:ジオ・アーシェラ
SS:グレイバー・トレース
LF:クリント・フレイジャー
CF:アーロン・ヒックス
RF:アーロン・ジャッジ
DH:ジャンカルロ・スタントン
ベンチ
C :カイル・ヒガシオカ
1B:ミゲル・アンドゥハー
UT:タイラー・ウェイド
OF:マイク・トークマン
投手
先発
1:ゲリット・コール
2:ーーー
3:コーリー・クルーバー
4:ジョーダン・モンゴメリー
5:デイビー・ガルシア
リリーフ
1:アロルディス・チャップマン
2:ザック・ブリットン
3:チャド・グリーン
4:アダム・オッタビーノ
5:ジョナサン・ロアイシガ
6:マイケル・キング
7:クラーク・シュミット
8:ドミンゴ・ハーマン
ハッキリ言ってリプレイスメント・レベルの成績に終わると思う。
コメント
クルーバーに2011年の終わったと思われた、バートロコロンとフレディガルシアの復活の再来を期待して契約したと思いますが、田中と再契約した方がいいのではと思います。若手に期待しているとしても、以前にヒューズ・チェンバレン・ケネディの三羽烏の育成に失敗しているので、余り期待していません。チームが低迷してドラフトの上位指名権が手に入れないかなと密かに思ってます。