2022年MLBドラフト上位指名候補:大学生野手

今オフに労使協定が更新されドラフトのフォーマットが変更となる可能性もありますが取り敢えずそんなことは無視。変わらず今年も1年後のドラフト上位指名候補を取り上げていきます。


すでに2022年度ドラフトのプロスペクト・ランキングを発表しているベースボールアメリカ・MLB公式・ESPN・Prospect Liveの順位を載せていますが、ベースボールアメリカとMLB公式だけは大学生と高校生を分けてランキングしています。
また、表記年齢は2022年MLBドラフト当日時点における年齢。

ジェイス・ヤング

Jace Jung
21歳9か月:183㎝・90㎏:右投左打:2B:テキサス工科大
予想指名順位:全体1位~5位

メディア 順位
Baseball America(大学生) 1位
MLB.com(大学生) 2位
Prospect Live 2位
ESPN 3位

2019年ドラフト1巡目・全体8位指名にてレンジャーズ傘下に加わり今では球団最高の野手プロスペクトとして2022年シーズンの新人王候補と目されるジョシュ・ヤングを兄に持ち、現時点では兄を上回る高順位での指名が予想される大学生No.1プロスペクト。

昨シーズンはコロナ休止前までにフレッシュマン(新入生)とは思えぬ好成績を残していましたが、初のフルシーズンとなった今季はビッグ12・カンファレンスにてホームランと打点の2冠王に輝きOPSもカンファレンスNo.1。

ただ、NCAAシーズン終了後に参加したケープコッド・リーグでは低成績に終わっています。

Register Batting
Year Age Tm Lg G PA H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS
2020 19 Texas Tech B12 19 74 14 4 1 18 15 .264 .438 .604 1.042
2021 20 Texas Tech B12 56 264 70 21 4 49 45 .337 .462 .697 1.159
Coll Coll Coll   75 338 84 25 5 67 60 .322 .457 .678 1.135

プロスペクトとしては打撃力がウリの選手でバットコントロール、パワー、選球眼を兼ね備えたハイブリッドなバッターとの評。大学2年生時点では兄のジョシュよりバッターとしての完成度が上と考えれているようです。

ただ、スピードや肩の強さは平気未満~平均レベルとのことで、プロレベルでは良くともセカンドかサード。プロ入り後に内野守備が思うように伸びないことがあれば、打撃力を活かすためレフト辺りにコンバートされることでしょう。

兄の所属するレンジャーズは2022年ドラフトにて3位か4位指名を保有することになるでしょうが、兄弟で同じチームから一桁順位にて指名されると面白い。

 


ブルックス・リー

Brooks Lee
21歳4か月:188㎝・80㎏:右投両打:SS:カル・ポリー大
予想指名順位:全体1位~5位

メディア 順位
Baseball America(大学生) 3位
MLB.com(大学生) 1位
Prospect Live 1位
ESPN 8位

父親にラリー・リー、叔父にテリー・リーマイケル・リーとプロ野球選手一族に生まれ、2019年MLBドラフトにて1~2巡目指名級の評価を受ける高校生トップクラスのプロスペクトだったものの、父親が野球部のヘッドコーチを務める地元の中堅(弱小?)校カリフォルニア・ポリテクニック州立大学に進学。結果として大学に進学した最高の高校生選手に。

ただ、大学入学直後の2019年10月にふくらはぎの手術を受け約半年の離脱を余儀なくされると、実戦復帰直後にはコロナによりNCAAシーズンが中止になるなど1年目は故障と不運に泣きました。

しかし、初のフルシーズンとなった今年はその才能を遺憾なく発揮し所属カンファレンス(ビッグウエスト・カンファレンス)の最優秀選手に。さらに、この夏のケープコッド・リーグでもリーグNo.1の打撃成績を残し、ジェイス・ヤングと並ぶ大学最高のプロスペクトの1人と評されています。

Register Batting
Year Age Tm Lg G PA H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS
2020 19 Cal Poly San Luis Obispo BigW 2 2 1 0 0 0 1 .500 .500 1.000 1.500
2021 20 Cal Poly San Luis Obispo BigW 55 250 76 10 3 18 34 .342 .384 .626 1.010
Coll Coll Coll   57 252 77 10 3 18 35 .344 .385 .629 1.014

現時点ではバット軌道が短いシンプルなスイングにより両打席からライナー性の当りを打ち分ける中距離打者で、左打席からより優れたパワーを発揮しているとのこと。また、ケープコッドでの活躍からも分かるように木製バットを苦にしておらず、体格面を考えると更なるパワーアップを期待。

ヤングと同様にスピードに欠けるもののリアクションやグラブ捌きの評価は上々。将来的にショートへ留まることができるかは意見が分かています。

加えて、父親から高度な野球指導を受けてきたためか野球IQやメイクアップの評判も抜群。

 


ジェイコブ・ベリー

Jacob Berry
21歳2か月:183㎝・92㎏:右投両打:3B:ルイジアナ州立大
予想指名順位:全体6位~10位

メディア 順位
Baseball America(大学生) 6位
MLB.com(大学生) 3位
Prospect Live 13位
ESPN 5位

強豪アリゾナ州立大学にてフレッシュマンながらもチームNo.1&カンファレンス上位の打撃成績を残し、各媒体の最優秀フレッシュマンに選ばれた”スペンサー・トーケルソン2世”。

ドラフト後45日目までに21歳の誕生日を迎えるためアーリーエントリーの対象となり2022年ドラフトに参加することとなりますが、新学年(2年生)始業前に更なる強豪ルイジアナ州立大学へ転向。

意外にも2016年以降で1巡目指名を受けたルイジアナ州立大学生はアレックス・ラング1人のみですが、よりハイレベルな舞台で引き続き好成績を残せばドラフト1巡目前半での指名は間違いないでしょう。

Register Batting
Year Age Tm Lg G PA H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS
2021 20 Arizona P12 63 297 87 17 2 33 58 .352 .439 .676 1.115
All All All   63 297 87 17 2 33 58 .352 .439 .676 1.115

右打席はトロイ・グロース、左打席はマット・カーペンターを彷彿とさせ、典型的なアッパースイングのため三振も少なくありませんが、両打席からプラス以上のパワーを発揮し木製バットも苦にせず。大学野球アメリカ代表に選ばれ際には紅白戦や五輪代表チームとの対戦でハイレベルなピッチャー相手に抜けた成績を残しており、アーリーエントリーながらも即戦力として期待できる素材かと。

反対に身体能力やスピードには恵まれず、アリゾナ州立大学ではDHとして起用されるなど守備面は期待薄。ルイジアナ州立大学ではサードで起用されると予想されますが、プロ入り後は最終的にファースト専となるのでは。


ケビン・パラダ

Kevin Parada
20歳11か月:183㎝・90㎏:右投右打:C:ジョージア工科大
予想指名順位:全体10位~20位

メディア 順位
Baseball America(大学生) 2位
MLB.com(大学生) 9位
Prospect Live 9位
ESPN 16位

全米屈指の高校生キャッチャーとして2020年MLBドラフトにて2巡目程度の評価を受けていましたが、ジョージア工科大進学の意志が強く指名漏れ。

ジョージア工科大では19歳ながらも正捕手を務め、フレッシュマン屈指の打撃成績を記録。現時点で2022年ドラフトNo.1キャッチャーと目されています。

Register Batting
Year Age Tm Lg G PA H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS
2021 19 Georgia Tech ACC 52 243 70 9 1 17 41 .318 .379 .550 .929

ジャック・ライターからホームランを放つなどシーズン終盤にはハイレベルなピッチャーを相手に結果を残し、ベリーと同様に大学野球アメリカ代表チームでも活躍。バットコントロール、パワーともに平均以上のプラスのバッターと評され、キャッチャーとして打撃力は申し分なし。

ただ、キャッチャー守備に関しては意見が分かれており、将来的にファーストへコンバートの懸念も。実際に今季の盗塁阻止率はたった11.9%でした。

個人的にはそこまで魅力を感じません。

コメント

  1. ヤンキースワイルドカード陥落記念 より:

    MLBTVのゴミ仕様をどうにかしてください。