ヤンキース:プロスペクト・リポート:第1回(2022/4/30)

今年も不定期でヤンキース傘下のプロスペクトを取り上げていきますが、現状AL最強チームと化したヤンキースとは対照的に、傘下はパフォーマンスを落としたプロスペクトが大量発生。特に野手プロスペクト陣は地獄と化していますね。

まだ20試合にも満たないので発狂するには時期尚早ですが、この状態がシーズン前半戦を通して続くようなら首吊ります。

(ヤンキース傘下プロスペクト・ランキング トップ100はこのGW中にアップ予定。)



AAA

オズワルド・ペラザカブレラ

今シーズン中のMLB昇格が期待されるオズワルドコンビですがペラザはOPS.618カブレラはOPS.692と開幕ダッシュに失敗。

表面的な成績が下のペラザの方が打席内容自体はより優れており、BABIP.205と不運に苦しめられている印象。反対にカブレラは三振やゴロ打球が増加しているなどマイナスポイントが目立ちます。

まあ、2人ともフリースウィンガーであるためか好不調の波が強く、固め打ちによって成績の帳尻を合わせるタイプなので、何れは及第点の数字を残してくれると思いますが...。

デイビー・ガルシアルイス・ヒル

春季キャンプで球威復活を印象付けたガルシアは、再び制球難に陥り14イニングで14失点。改良したスライダーが機能して右打者この抑えているものの、左打者には悲惨なリンチを受けています。

ヒルの方は更に悲惨で12イニング・17失点。ガルシアと対照的にヒルは春季キャンプでも調子が悪かったわけですから重症度は遥かに上かと。

アクティブロースターを争っていたクラーク・シュミットがMLBで好投、同じく傘下トップ・プロスペクトのヘイデン・ウェズネスキがAAAでソリッドな投球を披露していることを考えると2人とも先発投手としての優先度は低く、リリーフ起用によって調整すべきでしょうね。

マット・クルック

昨シーズン終盤からの勢いは衰えず奪三振率はグレイソン・ロドリゲスに次ぐ13.0。対左打者に限って言えば、マイナー全体でも彼以上のピッチャーはいないのでは?

前回登板では制球難を発症してしまったものの、AAAで幽閉するには勿体ない。

AA

アンソニー・ボルピ

春季キャンプでは1本もヒットを記録できず開幕を迎えると、大スランプに陥り9試合終了時点で.139/.220/.278・14三振。しかし、その後はOPS1.000を超えるなど復調を見せ、気付けばAA平均を超えています。

ただ、オフシーズン改善に力を加えた送球は相変わらずイマイチ。

ヤニー・ブリート

昨シーズン最速94~95マイル・平均91~93マイルだったシンカーが最速98マイル・平均95マイルまで高速化。

投球内容が向上していることは言うまでもなく、各媒体のプロスペクト・ランキングでも夏のアップデート時に上位に入ってくるかと思います。

スティーブン・ジェニングス

昨年12月のルール5ドラフトMiLBフェーズにてパイレーツ傘下からドラフトしたリリーバー。

ブリートと同様に昨シーズンから球速が数マイル上昇しており、AAにてこれまでとは別人のようなパフォーマンスを披露しています。何の話題にもなってないけど。

ブレイク・パーキンス

昨年12月にマイナーFAによってロイヤルズ傘下から獲得したセンターのパーキンス(25歳)。

貧打の守備走塁型プロスペクトであったはずですが、ここまで15試合で6本塁打を記録し週間MVPも受賞。キャリアハイの8本塁打をシーズン序盤で更新しそうな勢いです。

(正直よく知らん。)

High-A

エドガー・バークレー

開幕前にブレイク候補に挙げたバークレーがほぼ完ぺきなパフォーマンスを披露。

4月上旬はリリーフ起用でしたが、下旬から先発起用に切り替わっており、ヤンキースの期待度上昇を感じさせます。

ウィル・ワーレン

昨年のドラフト8巡目指名。

最速98マイル・平均94マイルのシンカー、横変化の大きな80マイル台中盤のスライダー、80マイル弱の12-6カーブは何れもソリッド。90マイル弱のチェンジアップは改良の必要がありそうですがコマンドも安定しており、8巡目でこのクオリティは大当たりじゃないかと。

絶好調な上位プロスペクト

上位プロスペクトが好成績を残し、反対に下位プロスペクトが低成績を残しているのが特徴的なHigh-A。

ペレイラは弾道が上がらず苦戦していますが、ヤンキース傘下において最もポジ要素が多いのがHigh-A打線であることは間違いないでしょう。

Team Batting
Name Age G PA
H HR RBI SB BB SO BA OBP SLG OPS
Everson Pereira 21 16 72 18 1 6 6 10 21 .290 .389 .419 .808
Cooper Bowman 22 16 71 13 2 10 11 15 14 .245 .409 .453 .861
Austin Wells 22 15 69 17 2 8 7 14 17 .321 .456 .509 .965
T.J. Rumfield 22 12 57 17 2 11 3 8 11 .354 .439 .583 1.022
Trey Sweeney 22 9 44 9 3 8 1 4 15 .231 .318 .539 .857
Eduardo Torrealba 23 11 40 13 0 4 4 4 5 .361 .425 .472 .897

Low-A

苦しむ野手プロスペクト

レイチェル・バルコビッツがMiLB史上初の女性監督に就任したことで話題となっているヤンキース傘下Low-A球団タンパ・ターポンズですが、相変わらず理解不能な数字を残しているアンソニー・ガルシアとHigh-Aから降格となったアンソニー・シーグラー以外に好成績と呼べるような選手はおらず、流石にこの悲惨な現状を見るとターポンズの育成力に疑念が生じてしまいます。

何にせよドミンゲスは夏のアップデート時に各媒体のトップ100から外れるでしょうね。

Team Batting
Name Age G PA
H HR SB BB SO BA OBP SLG OPS
Jasson Dominguez# 19 16 73 16 1 3 2 25 .225 .247 .324 .571
Alexander Vargas# 20 15 68 11 1 3 4 16 .175 .221 .270 .490
Anthony Garcia# 21 16 67 11 5 2 20 19 .239 .478 .587 1.065
Marcos Cabrera 20 14 59 13 2 3 7 23 .250 .339 .462 .801
Antonio Gomez 20 13 58 9 0 0 6 19 .177 .276 .235 .511
Madison Santos* 22 14 58 11 1 7 7 26 .216 .310 .333 .644
Ben Cowles 22 13 52 9 1 1 4 20 .200 .308 .356 .663
Anthony Seigler# 23 11 43 9 2 1 10 7 .273 .442 .546 .987
Grant Richardson* 22 10 38 6 1 0 2 15 .177 .237 .294 .531
Raimfer Salinas 21 10 35 7 0 0 5 7 .241 .371 .241 .613
Connor Cannon 24 9 34 5 0 0 2 16 .156 .206 .219 .425
Roberto Chirinos 21 8 28 5 0 1 2 9 .200 .286 .240 .526
Ryder Green 22 6 23 5 1 1 2 7 .238 .304 .381 .685

フアン・カレラ

昨シーズンはLow-Aにて制球難に陥り💩成績を残した私イチオシのカレラですが、無事にLow-Aへ適応し活躍。

Statcastのデータを見る限りこれといって昨シーズンから各球種のクオリティが向上したわけではなく、ただ単純に制球が良くなっただけのようですけどまだ20歳ですからね。

制球力向上の次は球威向上の番です。

ジャック・ニーリー

ここまで6試合・9イニングを投げて6失点・20奪三振・7四球とクレイジーな成績。

変化球がスライダーしかないためか、対左右打者成績は超極端な数字となっています。

2022 Player Pitching Splits
Split PA AB H BB SO BA OBP SLG OPS
vs RHB as RHP 28 22 1 4 18 .046 .250 .091 .341
vs LHB as RHP 12 9 4 3 2 .444 .583 .667 1.250

また、Statcastのデータを再度確認してみたら登板ごとにリリースポイントがバラバラで笑いました。投球フォームの再現性はダメそうですね。

前の記事でも書いたけど、まんまタナー・マイアットだよ。)

コメント

  1. 愛妻家 より:

    ヴォルピが不振に陥った理由、また最近アジャストしつつある理由は何故でしょうか?