2022年ヤンキースの総括と雑感:5月編

ニューヨーク・ヤンキースの2022年シーズン4月の総括と雑感

故障者の続出によって下旬に3連敗→2連敗を喫したものの、先発ローテの奮闘とサイン盗みにより19勝9敗・勝率.679(アストロズとドジャースに次ぐMLB全体3位)の好成績を記録。

トレードデッドラインで補強が必要となるであろうウィークポイントが良くも悪くも明確となって来ましたが、トレードの駒になるであろう傘下の野手トッププロスペクト達は一向に調子が上がってこず。

昨シーズンのように、投打のトッププロスペクトを残しての主力補強は難しいでしょうね。



野手

4月はMLB最強クラスを誇った強力野手陣もケガ人の続出により一気に弱体化。ミゲル・アンドゥハーが5番を打つなど見る影もありません。

また、昨シーズンとは対照的にAAAでロクな成績を残している野手が1人もおらず、下部組織からの戦力供給は期待できず。マット・カーペンター獲得によりお茶を濁す有様。

サイン盗みがバレてしまったのも痛い。

ジャンカルロ・スタントンジョシュ・ドナルドソンが早ければ今週中にでもラインナップに復帰する予定なのは幸いですが、低成績の奴らの方がスぺらないのもそれはそれで腹立つよね。

指標名 5月中の合計 MLB全体順位
シーズン合計
野手fWAR 4.5 12位
8.5 5位
平均得点 4.65 12位
4.69 10位
OPS .709 14位
.728 7位
wRC+ 107 13位
113 4位
xwOBA .347 5位
.359 1位

アーロン・ジャッジ

5月だけで12本の柵越えを放ちホームラン王レースを独走。MVPレースでもマイク・トラウトホセ・ラミレスらと三つ巴の争いを披露しています。

加齢による走力低下に加え、慣れないセンター守備でも稚拙なプレーを見せるなど走攻守全てで順調なわけではありませんが、故障さえなければヤンキース以外の球団からお望み通り3億ドル超の大型契約をゲットできるかもしれませんね。

(何にせよ次にスぺるのは移籍後にしてください。)

ヤンキースとアーロン・ジャッジの契約延長故障が破断に終わりシーズン終了後のFA宣言が濃厚に。

また、ジャッジはこれまでチェンジアップを苦手としてきましたが、今更ながらチェンジアップの被投球率が上昇中。今後の対応に注目ですよ。

ホセ・トレビーノ

何時になっても長いスランプのトンネルを抜けられないカイル・ヒガシオカを尻目にMLB平均超の数字を残し、早くもWARはキャリアハイに到達。

昨シーズン37.3%だったボール球スイング率と66.7%のボール球コンタクト率は、今シーズンそれぞれ43.4%と81.0%へ上昇。そして、今シーズンのヒット20本の内8本がボール球を捉えたものであり、ゾーン外でも甘く緩い球を見逃さない積極的なアプローチが功を奏しているようですね。

ちなみに、対価の1人であったアルバート・アブレイユはレンジャーズでDFAとなっています。

アーロン・ヒックス

5月はOPS.394を残し誰もが認める逆MVPに。単純な打撃成績だけでなく勝負弱さも大きな問題で、ここまでハイレバレッジな場面においてたったの1安打

余りにもそのバッティングが悲惨なため話題になっていませんが、シーズン前の予想通りセンター守備もフリンジレベルまで劣化。

ティム・ロカストロの復帰が間近なのはせめてもの救いですが、そもそもガードナーと再契約していれば何の問題もありませんでした。たぶん。

↑いくら選球眼が良かったとしても、肝心のゾーン内が打てなけりゃ意味ねぇ。

アンソニー・リゾー

4月にホームラン数でMLBをリードするなど好調だったリゾーですが、5月の成績が実はヒックスに次ぐブービー。

下記ヒートマップは速球(4シームと2シーム)の月別投球コースを示していますが、内角への投球が増加していることが分かります。

リゾーと言えば非常に内角寄りに構えるため内角攻めが難しく死球が多いバッターとして有名ですが、AL球団は早くも攻略法を見つけてしまったのかもしれません。


投手

4月中の酷使の影響をモロに受けたリリーフ陣が数字を落とす中、先発ローテが1人も欠けることなく好投を続け、気付けばMLB最強投手陣に。

とは言え、現在は毎試合のように先発投手が6~7イニングを投げリリーフ陣の負担を軽減していますが、先発ローテが一たび瓦解すれば芋づる式にリリーフ陣も逝きそうな雰囲気。

JP・シアーズロン・マリナチオだけでなくAAAで好投を続けているケン・ワルディチャクヘイデン・ウェズネスキらプロスペクトに力を借りる日も遠くはなさそう。

まあ、その前にトレバー・バウアーが復帰することになるでしょうが。

指標名 5月中の合計 MLB全体順位
シーズン合計
投手fWAR 5.4 1位
8.7 1位
防御率 3.06 2位
2.91 3位
FIP 3.12 1位
3.18 1位
xwOBA .287 1位
.290 1位

クレイ・ホームズ

5月は12試合・14回を投げ8被安打・15奪三振・無四球・xwOBA.164の神憑り的なピッチングを披露。開幕戦で1失点を喫して後から続く連続無失点記録を22試合に伸ばしています。

パパッとシンカーをストライクゾーンに投げてりゃ外野にボールが飛ばないんだから、深みの無い頭が悪い野球をやってますよね。こういう奴が活躍したら球界が堕落するよ。

ジェイムソン・タイオン

昨シーズンに奪三振率や空振り率においてキャリアハイの数字を残したタイオンですが、オフシーズンに空振りではなくウィークコンタクトを増やすための球種改良を実施。

昨シーズンから投げ始めたカットボールを完成させ、スライダーやチェンジアップにも変更が加えわれています。

また、早いカウントでは変化球やシンカーによってストライクを稼ぎ、反対にレイトカウントでは高めのフォーシームを積極的に投げ込むイレギュラーなピッチングスタイルを今シーズンは導入していますが、この新スタイルがウィークコンタクトの量産に一役買っている印象。

昨シーズンは1打者当り平均3.93球を擁し29試合の先発で144.1イニングに終わりましたが、今シーズンは上記の打たせて取るピッチングにより平均3.64まで大幅に削減しており、イニング数を稼ぐことができるピッチャーへの成長も遂げています。

ジョナサン・ロアイシガ

先月の「2022年ヤンキースの総括と雑感:4月編」にてディスった新SSWスライダー(カーブ)を5月中旬から旧スライダーに戻し空振りこそ増加したものの、肝心のシンカーのコマンドが安定することはなく引き続き痛打を受けました。

さらに持ち前のスぺ体質も発揮。右肩の炎症により故障者リスト入りとなりましたが、ある意味これで良かったのかもしれません。

マイケル・キング

5月に入り速球系(フォーシームとシンカー)とカーブ(スライダー)の空振り率が大きく低下。9登板中5登板で失点を喫し、MLBのリリーフ投手で断トツNo.1だった投球成績は一気に悪化しています(それでもfWARはリリーフ投手トップですが)。

4月は各球種がビシバシとコーナーに決まりトレビーノヒガシオカの優れたフレーミングの恩恵を受けていましたが、5月中はコマンドがアバウトに。ここら辺は酷使の影響かもしれませんね。

ただ、被打球内容やxwOBAは4月から大きく悪化しておらず、運に恵まれていた4月のツケが回ってきた印象も。

アロルディス・チャップマン

例年シーズン序盤は球速が出ないとは言え、これまでキャリアを通して平均97マイルを下回った月など2012年4月の1度だけしかなかったチャップマンですが、今シーズンはたった平均96.8マイル。

フォーシームの球速低下に呼応してスライダーの空振り率が昨シーズンの43.1%から23.7%まで半減し、好調な投手陣の中でワーストのパフォーマンスを披露。

さらには、左アキレス腱の炎症により故障者リスト入り&約1か月間の離脱が決定しています。

ただね、確かにチャップマンはゴミだけど、ブリットンという名のそれ以上のゴミがいることを忘れてはダメですよ。

というわけで、Fuck You ブリットン

JP・シアーズ

4月のMLBデビュー時はリリーフ登板にてコマンドが定まらず真価を発揮できなかったシアーズですが、AAA降格後に完璧と言っても過言ではないほどのピッチングを続け、先発ローテの谷間(25日オリオールズ戦)にMLB初先発。

弱小オリオールズ打線が相手だったとは言え、初先発で臆することなくストライクゾーンに投球を集め、投手有利のカウントからウィークコンタクトを量産。

彼を提供して頂いた最下位争い中の人種差別球団さんには感謝してもしきれません。


ブレット・ガードナー

ロックアウト終了時にブルージェイズから1年600万ドルのオファーを受けるも拒否していたことが判明。さらに、エディ・ロザリオ故障時にブレーブスもアクションをかけたようですが、ブルージェイズと同じく相手にされなかったよう。

もう背番号11を永久欠番にするしかないですね。

Perhaps the bigger question with the Angels is whether they can fortify their rotation at the trade deadline.

マイク・フォード

4月に人種差別球団からDFAを受けジャイアンツに移籍するも、ジャイアンツから再びDFAを受け人種差別球団に出戻り。

ケレニックよりはマシな成績を残しています。

コメント

  1. ジョナサンず より:

    今のヤンキース、カーペンターエグくないですか?スタントンまでの繋ぎにしては勿体無いように感じますし、ヒックスを起用するくらいならカーペンターを出すべきとも考えますが、主さんはどのようにお考えでしょうか?

  2. ジョナサンズ より:

    今のカーペンターえぐくないですか?スタントンの繋ぎにしては勿体無いようにも感じますし、ヒックスを起用するくらいならカーペンターの外野コンバートなども良いかと感じますが、管理人さんはどのようにお考えでしょうか?

    • 管理人 より:

      ヒックスもカーペンターも必要ありません。必要なのはガードナーです。

  3. 吉田 より:

    トーレスの守備指標がとんでもないことになってませんか?びっくりです

  4. ホルヘ・マテオ より:

    サイト閉鎖って本当ですか..?