ヤンキース:プロスペクト・リポート:第4回(2022/6/13)

2022年「ヤンキース:プロスペクト・リポート」の第3弾


AAA

オズワルド・ペラザ

22歳弱とAAAでは最年少級であり、対戦した投手全員が年長プレーヤーだったとは言え、スランプ脱出及びAAA適応への道は未だ開けず。

グレイバー・トーレスが期待以上、アイザイア・カイナー=ファレファが及第点の数字を残しているおかげで、ペラザの一時停止やオズワルド・カブレラの故障がヤンキースの戦力へ直接的に影響を及ぼしてはいませんが、トレードデッドラインでの駒としてバリューを落としているため間接的にはマイナス要素に。

また、AAのアンソニー・ボルピが復調し後半戦にはAAAへ昇格するでしょうが、そうなるとAAAにショート及びセカンドのプロスペクトが3人に。

ペラザカブレラをトレードするにはタイミングが最悪ですし、かと言って残せばボルピと干渉するし。面倒なことになりましたね。

2022 Player Batting Splits
Split G PA H 2B HR SB BB SO BA OBP SLG OPS
April 16 69 12 2 2 4 6 14 .197 .290 .328 .618
May 22 93 19 4 3 7 5 22 .216 .258 .364 .622
June 9 38 6 1 1 1 5 14 .182 .290 .303 .593

グレッグ・ワイサート

4月は新投球フォームに慣れないためか制球難に苦しんだものの、5月からは無事制球が安定。特に5月22日以降の8登板では8.2回を投げ19三振を奪っており、シーズンK%=38.2%はAAA全体でもNo.1(20イニング以上)。

ロン・マリナチオJP・シアーズがMLBで活躍を見せ、ケン・ワルディチャクヘイデン・ウェズネスキもMLBデビュー目前まで迫っている中で、ワイサートにヤンキースデビューの順番が回ってくるとは思えませんが...・

ちなみに、ロングアイランドで生まれ育ったニューヨーク民ではあるものの、父親はヤンキースアンチの熱狂的なメッツファンでグレッグ本人もメッツファン。

マット・クルック

昨シーズン終盤から今シーズンの4月にかけてAAA打者を圧倒した当ブログ推しの左キラーですが、5月からはシンカーとスライダーのコマンドを失いピッチング崩壊。

その5月以降は防御率8.88、被OPS1.089とデイビー・ガルシアのような成績を残しており、ヤンキースにおけるMLB昇格の可能性は消滅したと言っても過言ではありません。

ただ、シーズンBABIPが.373に達するなどの不運も。


AA

ジョシュ・ブロー

昨シーズンと同様に開幕からスランプに陥っていたものの、5月に入りスルッとスランプを脱出。シーズン11本塁打はヤンキース傘下最多。

スランプ脱出の理由はオフシーズンに改造したバッティングフォームを、4月終盤から昨シーズンのものに戻したためだと考えられます。

また、相変わらず世間的には評価の低い守備においても昨シーズンと同様に好成績(特にフレーミング)を記録中。

ミッキー・ギャスパー

故障者リスト入りを挟みながらもチーム1の強打を披露。先週の試合では1試合2本塁打も記録。

26歳にもかかわらず度重なる故障によりAAでの出場経験が少ないものの、打撃の成熟度を考慮するとAAで試合数を重ねることなくAAAへ昇格するのではないでしょうか。

ただ、故障者リストからの復帰後はキャッチャーからファーストへ一時的にコンバートされており、健康面には未だ不安が残ります。


High-A

マット・サウアー

カットボール気味とスウィーパー気味2種類のスライダー、アマチュア時代から評価が高いカーブの投球割合に変更を加え、昨シーズン平均93マイルだった速球の平均球速も1マイル弱上昇。

昨シーズン防御率・FIP共に5.00前後に終わったHigh-Aにて同スタッツを約2.00良化させています。

ただやはりチェンジアップのクオリティが低いためか左打者を苦にしていて、リリーフに落ち着くリスクが大きく減ったとは思えません。


Low-A

ジャック・ニーリー

4~5月にかけて2ヶ月連続で20奪三振を記録。たった26.1イニングでシーズン50奪三振に到達。傘下で最も愉快な成績を残しています。

また、ここ1ヵ月間はコントロールも大きく向上しており、カーソン・コールマンの後に続きそうな勢い。

Table
Split ERA G IP H R HR BB SO WHIP SO9 SO/W
April 6.00 6 9.0 5 6 0 7 20 1.333 20.0 2.86
May 6.23 10 13.0 13 12 1 7 20 1.539 13.8 2.86
June 2.08 3 4.1 3 1 1 1 10 0.923 20.8 10.00

リチャード・フィッツ

2021年ドラフトの上位指名候補であったものの故障により指名順位を大きく落としたスティール候補ですが、残念ながら2020年頃のピッチングが復活することはありませんでした。

速球の平均球速は92マイル程度に留まりカットボール、スライダー、カーブ、チェンジアップの全てが通用していない有様。ある程度球威が復活したとしてもモノになるとは思えません。


FCL&DSL

先週にルーキークラスのFCLとDSLがそれぞれ開幕。

ちなみに、ロデリック・アリアスは故障によって開幕に間に合いませんでした。

カルロス・ラグランジ

この2月に契約金たった1万ドルで獲得した公称身長201㎝(206㎝との報道も)の長身右腕。

この5月25日に19歳となったばかりですがDSLでの初登板(2回・3奪三振・2与四球)やライブピッチングにて98~99マイルを連発し、スライダーとスプリッターもハイクオリティ。

制球力の成熟度は測りかねますが、ヤンキースはとんでもない掘り出し物をゲットしたのかもしれません。

カイナー・デルガド

昨年の夏にInt FAにて獲得した身長173㎝の小兵ですが、両打席で👍な打球初速度と好成績を記録し好調なスタートダッシュを決めました。

特にデビュー5試合で1三振・9四球とアプローチ面のポジ要素が強く、プレーヤーでは珍しくショート守備でもDSLの守備率100%。

ルイス・セレナ

昨シーズンすでにDSLにて好投を披露しており、17歳ながらもFCLで開幕を迎えた早熟な先発投手プロスペクト。

公称身長180㎝・体重65kgと非常に線が細く速球は常時90マイル弱ですが、スラーブとチェンジアップのクオリティは◎。特にチェンジアップは傘下全体でもトップクラスの代物かと。

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