サッチャー・ハード(Thatcher Hurd):ヤンキース・3巡目指名(2024年MLBドラフト)


2024年MLBドラフトのヤンキース1巡目指名ベン・ヘス(Ben Hess)について。
2024年MLBドラフトのヤンキース2巡目指名ブライス・カニンハム(Bryce Cunningham)について。

2024年 MLBドラフト 2nd Dayにおいて、3巡目・全体89位指名権を持つニューヨーク・ヤンキースはルイジアナ州立大学の先発右腕サッチャー・ハード(Thatcher Hurd)を指名。

過去の3巡目指名選手

年度 順位 選手名 PO HS/CO
2023 97 Kyle Carr LHP CO
2022 100 Trystan Vrieling RHP CO
2021 92 Brock Selvidge LHP HS
2020 99 Trevor Hauver 2B CO
2019 105 Jake Sanford CF CO
2018 97 Ryder Green CF HS
2017 92 Trevor Stephan RHP CO
2016 98 Nolan Martinez RHP HS
2015 92 RHP HS

NYYはMLBで最も3巡目指名が下手なチームであり、2011年以降の3巡目指名プレーヤーの中でMLBに到達しているのはTrevor Stephanのみ。


Thatcher Hurd

サッチャー・ハード:40 FV
21歳7ヶ月(2002年12月生):193cm/104kg
RP/RHP:ルイジアナ州立大学(3年生)

Draft Prospect Rankings
メディア 順位
Baseball America 128位
MLB.com 114位
Joe Doyle 122位
ESPN 142位
FanGraphs 78位
Baseball Prospectus
The Athletic
Perfect Game 78位
Prep Baseball Report
Azad Earl
Luke Wortman 126位

非常に裕福な家庭に生まれたお坊ちゃま。

高校時代はジュニア・シーズンにメインロールをキャッチャーからピッチャーへと変更。転向後からトップクラスのピッチング・プロスペクトとして高い評価を集め、2021年ドラフトにて2巡目指名が見込まれていたものの、希望に見合うボーナスを用意するチームが現れず、当時は好調だったUCLAへ進学。

2022年シーズンは開幕からフレッシュマンらしからぬセンセーショナルなピッチングを続け、Chase Burnsと2024年ドラフトクラスNo.1大学生ピッチャーの座を争う存在となるも、4月に椎間板を損傷しシーズンエンド。

Year Age Tm Lg ERA G GS IP H HR BB SO WHIP BB9 SO9 SO/W
2022 19 UCLA P12 1.06 9 6 34.0 16 1 10 48 0.765 2.6 12.7 4.80
2023 20 Louisiana State SEC 5.68 23 11 63.1 59 9 40 84 1.563 5.7 11.9 2.10
2024 21 Louisiana State SEC 6.55 18 9 44.0 53 4 24 56 1.750 4.9 11.5 2.33
2024 21 Cotuit CCBL 1.86 2 2 9.2 4 1 3 7 0.724 2.8 6.5 2.33

ソフォモアを迎えるにあたり最上級の強豪LSUへ転向。

2023年シーズンはシーズン序盤の強豪校相手におけるSP登板にて炎上を続け、シーズン中盤にはブルペンに幽閉されるも、終盤戦からSP兼ロングリリーフとして長いイニングを任される存在に。

そして、Pauk SkenesTy Floydの2枚看板が抜けた今シーズンは再び開幕SPローテ入りを果たしたのですが、強豪校だけでなく弱小校すら抑えることができず、3月中にはSPローテをクビに。RPロールにおいてもパフォーマンスはピリッとしませんでした。

当然ながら、この2年間で最上級だった評価は下落の一途を辿り、”Draft Prospect Rankings”ボードが示す通りドラフト4~5巡目クラスのプロスペクトに。(個人的にもこの評価には同意)

NYYの3巡目(全体89位)はオーバーピックとなります。

FF SL CB CH Cmd
60 55 50 35
FF/be FF/vel SL/vel CB/vel CH/vel
98 95 84 80

高校時代から昨シーズンにかけて年々メカクニクスのショートアーム化が進んでいたものの、今シーズンは少しアームアクションを拡大。

正直なところ、昨シーズンと今シーズンのメカクニクスのどちらがより有効か私の鑑識眼では分かりかねますけど、オーバーピックするぐらいなんですからNYY指導陣は答えが分かっているつもりなのでしょう。

NYY指導陣が正しいと考えることは大抵間違いに終わりますが...

Four Seam – 60

Avg 95 mphのFFとSIを投げ分け、特にFFは3/4よりオーバースローに近いハイスロットから2400 rpm&19″ IVBを上回るプラスピッチ。

アームアクションのディセプションが優れているだけに、Upper Zoneに投げ込まれれば打者にとってより厄介なはず。

FFと比べクオリティが劣るSIはプロ入り後に捨て去るのも1つの手。

Slider – 55

Avg 84 mph・2700 rpmのSLは、8~9″ HBとマイナスのIVBを計測するソリッドなピッチ。

RHB相手にしか投げておらず、Whiff%は良好ですが、コンタクトクオリティとコマンドについては...

Curve – 50

Avg 80 mph・2950 rpmの11/5 CBは、-10″ IVBと13 HBを計測するクオリティピッチ。

ただ、現状としてLHB相手の武器がこのCBだけである点は問題。

今さら有効的なCHを習得できるとは思えないので、SLからCTを新たに抽出する方が現実的か。

Command – 35

高校時代からハイスピンを生み出す能力に長け、上記の通り各球種のピッチクオリティは申し分ありませんが、そのスピンピッチをまともにコマンドする技術は持ち合わせておらず、制球面の期待値はRPクラス。

毎年のように改造を加えているメカニクスをある程度完成させるまでは、取り敢えず辛抱する必要がありそう。

Overall – 25 PV/40 FV

全体的にClarke Schmidtと共通する部分が多々あり、プロ入り後はSPローテに復帰するはず。

個人的にはBen Hessは2巡目、Bryce Cunninghamは3巡目、そしてThatcher Hurdは4巡目指名が相応しいプロスペクトと考えているので、ここまで全てオーバーピックとの認識。

ただ、ピッチャー偏重のドラフト戦略には同意できませんが、その中でスタッフが優秀かつリスキーな大学生ピッチャーのピックに徹底した点は好印象。

何にせよ昨年のKyle Carr指名と比べれば何倍もマシ。


2024年MLBドラフトにおけるヤンキースの上位指名候補について

コメント

  1. ピグモン より:

    早く記事をかけ

    • 管理人 より:

      こんな低次元ブログに来る暇があるなら、FGやらBPの記事読んだ方がいいですよ。
      まともな野球ファンになりたいですよね?だったら英語コンテンツから逃げるな!