アンソニー・ボルペ:ヤンキース・1巡目(2019年MLBドラフト)

 本日行われた2019年度MLBドラフトにおいて全体30位指名権(1巡目)を持つニューヨーク・ヤンキースはニュージャージー州の高校生内野手アンソニー・ボルペ(Anthony Volpe)を指名しました。(恐らく正しい発音方法は”ボルピ”)


2019年MLBドラフト注目選手:まとめ

2019年MLBドラフト注目選手:その11(カバコ、ジョーンズ、ボルペ)


アンソニー・ボルペ

Anthony Volpe
18歳:180㎝・82㎏:右投右打:SS
デルバートン高(ニュージャージー)

各ランキング 順位
ベースボールアメリカ 52
MLB.com 63
Fangraphs 38

今回のドラフトの1ヶ月ほど前からヤンキースの指名候補として何度も名前が挙がってきた選手。

チームメイトのジャック・ライター(高校生トップクラスの右投手)と共に大学進学の可能性が高く要求契約金額が非常に高額になると予想されていたプロスぺクトで、実際にヤンキースはボルペとの契約金捻出のため次の指名権(1巡目補完ラウンド・全体38位)で3巡目クラスと評価されていた大学生投手T.J・シッケマを指名しています。

全体30位のボーナススロットは236万5500ドルですがボルペが要求すると噂されていた契約金は300万~400万ドル。2巡目を実質的に捨てているだけにボルペとの契約に失敗すればディザスターとなりますが・・・。

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2019年MLBドラフト注目選手:その11(カバコ、ジョーンズ、ボルペ)」と同じような内容になりますが...

完成されたバッティングフォームの持ち主で、映像を見た限りではライナー性の打球を広角に打ち分けるスプレーヒッターのよう。体格に恵まれていないためパワーの評価は低めですが、高い野球IQによる優れたアプローチと年齢のわりに成熟したバットコントロールは高評価。加えて軽いヒッチからアッパー気味のスイングを行っており持ち前のパワーのわりに長打を打てる打者になれる可能性も。まあ順調に成長したとしても平均レベルの達するとは思えませんが。

強豪校に所属しているだけでなくU-18のアメリカ代表に選出されたりショーケースやNHSI(National High School Invitational)でも活躍するなど舞台に関係なく確固たる実績を残しており、レベルの高い投手相手や木製バットでも好成績を残したことは大きなプラスポイント。

4月28日が誕生日と遅生まれで1ヶ月ほど前に18歳になったばかり。ということはこれまでショーケースやNHSIで対戦してきた高校生投手のほとんどが彼よりも年上だったということになります。それにもかかわらず高パフォーマンスを見せていたと考えると👍👍👍

昨年夏のショーケースにおいて60ヤード走で6.62秒を計測したスピード・走塁は平均超~プラスツール。肩の強さも平均以上の評価を受けており、ショートストップとして必要最低限の身体能力は兼ね備えていると考えられています。

そして、その肝心のショート守備は高校生の中でも上位クラスの評価を受ける大きな武器。とりわけ効率的なフットワーク、ステップ取りとセンスの評価が高く、プロレベルでは最低でもセカンドに留まることができるはず。

ヤンキースが昨年のドラフト1巡目で指名した高校生捕手のアンソニー・シグラーは野球に対する真摯な態度やリーダーシップ、練習熱心さ、献身性に定評のある選手でしたが、ボルペもシグラーと同様に身体能力や野球スキル以外の部分を高く評価される選手。

私が知っている限りでは今ドラフトにおいてボルペが最もそのような部分の評価が高い選手です。

ただ、全体38位指名権を契約金捻出に使ってまで指名するようなレベルのプロスペクトであるかは疑問。個人的には体格と身体能力に恵まれながらも弱点だらけの粗削りでガバガバなプロスペクトが好きなので、年齢のわりに完成度が高く堅実なボルペの指名は”なんだかなぁ”といった感じ。