ショーン・ダンカン(Sean Duncan):ヤンキース・2巡目指名(2026年MLBドラフト)


MLBドラフト2026年クラスの上位ラウンド指名候補プロスペクト
2026年MLBドラフトにてニューヨーク・ヤンキースが全体35位(CBRdA)で指名した大学生左腕ハンター・ディーツ(Hunter Dietz)について

2026年 MLBドラフト 1st Dayの2巡目(全体63位)において、ニューヨーク・ヤンキースはカナダの高校生左腕 ショーン・ダンカン(Sean Duncan)を指名。

過去の2巡目指名選手

年度 順位 選手名 PO HS/CO
2025  ※2巡目指名権なし
2024 53 Bryce Cunningham RHP CO
2023  ※2巡目指名権なし
2022 61 Drew Thorpe RHP CO
2021 55 Brendan Beck RHP CO
2020  ※2巡目指名権なし
2019 67 Josh Smith 2B CO
2018 61 Josh Breaux C CO
2017 54 Matt Sauer RHP HS
2016 62 Nick Solak 2B CO
2015 57 Jeff Degano LHP CO

ヤンキースの2026年MLBドラフト指名候補:その15」で記したように、NYYスカウティング部門と太いパイプを持つESPNのKiley McDanielがFinal Mock Draftにてチームとのリンクを報じており、まさに彼の言った通りの結果に。

そのおかげでサプライズ感は全くありませんでした。


Sean Duncan

ショーン・ダンカン:40 FV
18歳2ヶ月(2008年5月生):6-3/185 lb
Terry Fox SS (British Columbia):SP/LHP

Draft Prospect Rankings
メディア 順 位
Baseball America 67位
MLB.com 66位
ESPN 54位
Over Slot 43位
The Athletic 26位
Prep Baseball Report 55位
Perfect Game 61位
FanGraphs 75位

カナダ西部(太平洋沿岸)のブリティッシュコロンビア州に属しバンクーバー郊外に位置するポートコキットラム出身。

リトルリーグでコーチを務める父親の下に生まれ、カナダ代表の一員として2019年Little League World Seriesに出場。

ただ、主力ではなく代走要員のベンチプレーヤーだったようで、チームも早々に敗退しています。

2024年シーズン、British Columbia Premier Baseball League(BCPBL)で0.00 ERA(92 K・8 BB・.065 BAA)を達成し、ドミニカ遠征(DSLチームと対戦)やMiLB Extended Spring Training遠征、U-18 WC予選など各地で活躍を見せ、10月に故郷から遠く離れたVanderbiltへのコミットメントを獲得。

さらに、2025年シーズンはBCPBLでの好成績(31.0 IP・0.90 ERA・50 K・5 BB・.126 BAA)に加え、再びDSLやESTでの練習試合にて活躍を披露し、Junoirとして初めてCanada’s Player of the Year Award(Prep Baseball)を受賞。

秋のJupiter Tournament(PG WWBA WC)でもMax 95 mphのFFを武器に3.0 IPで7 K・12 Whiffを奪う快投を見せ、ドラフト上位ラウンドが期待される存在となりました。

今春はカナダのジュニア代表チーム(及びMIL×カナダの合同チーム)の一員としてElliot Lascelles(SDPから2巡目全体60位指名)と共にMiLBキャンプ地へ遠征を行い、LAD・KCR・PHI・BAL傘下と対戦。

4登板で12.0 IPを投げ2 R・5 H・18 K・5 BBの見事なパフォーマンスを披露しました。

しかし、その勢いのまま5月下旬にドミニカへ移りDSLチームと対戦するも、初回登板時にUCLを損傷。

ドラフト直前の6月に最悪のタイミングでTommy John Surgeryを喰らう羽目となりました。

TJSによってドラフトでの行く先が不透明となったものの、前述したように予想通りNYYが2巡目(全体63位)でピック。

その後NYYは3~10巡目でボーナスのディスカウントを狙えそうなアンダーピックを行っており、11~20巡目で大幅なオーバースロットが必要となりそうなプレーヤーも1~2人程度しかおらず、Hunter Dietzもスロットバリューを約$300K下回る金額で契約合意。

そのため、全体63位のスロットバリューは$1.45Mとなっていますが、恐らくDuncanの場合は$2M程度のボーナスでセトルするのではないでしょうか。

FB SL CB CH Cmd
50 45 45 50
FB/be FB/vel SL/vel CB/vel CH/vel
97 90~93 80 85

上位ラウンドで最もフィジカルの完成度が低いHSピッチャーの1人であり、6-3のプロジェクタブルなフレームと18歳2ヶ月の年齢は大きな魅力。

スムーズかつリピータブルなメカニクスに見えますが、TJSを喰らっている時点で(結果論として)メカニクスを褒める勇気はありません。

やはり、ショルダーローテーションの早い段階から左肘を高い位置に掲げながら伸展させるアームアクションはやはり肘への負荷が大きかったのかも。

ただ、スぺ体質のリスキーな素材型という単純なレッテルを貼るべきプロスペクトではなく、14歳の頃から幾度もの遠征でMiLB相手に登板し、前述の好成績を残しているインゲームパフォーマーでもあります。

NYYが熱を上げる程なので、ショーケース等で行ったアスレチックテスト(CMJなど)のスコアが優秀だった可能性も考えられますね。

Four Seam – 40/50

2024年のショーケースにて93 mph、2025年シーズン開幕前直前のトレーニングセッションにて94.5 mph、同年9月のショーケースにて95.2 mphを計測し、今シーズンは97 mphに達したとの話。

一般的なFFと同様にアッパーゾーンへ投げ込まれる頻度が高く、同ゾーンでChaseを誘発しています。

ただし、あくまでもAvgはLow-90s mphのレンジに収まっており、16~17″ IVB・11~12 HBのムーブメントはMLB基準だとNatural SIと呼べるかもしれません 。

加えて、2400~2500 rpmのスピンレイトを計測していますが、アマチュア球界(特にHS)からMiLBへ移行する際、ボールの仕様の違いによってIVB×HBやスピンレイトは悪化する場合が多いので、飽くまでも参考値と捉えておきましょう。

また、当然ながら加齢とフィジカルの成長に伴う球速バンプの期待値が高く、TJSからの復帰後に95+ mphを連発しても驚きではありません。

Slider  – 35/45

Avg 2700 rpm(本人は2800~2900 rpmと話していた)のSLはこの1年間で向上したとの声が多く、実際に昨シーズンから今シーズンにかけて球速がHigh-70s mph → Low-80s mphと高速化しており、ムーブメントもタイトになった印象。

ムーブメントはHB成分が強く、FFがSI特性を有していることを考えると、最終的にSweeperへ落ち着くことが予想されます。

Changeup  – 40/45

兼ねてからSLを上回る評価を受けてきたCHはAvg 15 HBを誇るサイドスピン系のピッチ。

RHBに対しても投球割合はそれほど高くなく、本人もCHよりSLに自信を持っているような雰囲気でした。

また、今シーズンはCTやCBといった新たな変化球の習得よりSL&CHの向上にウェイトを置いていた模様。

Command – 30/50

リピータブルなメカニクスからFFをアッパーゾーン、そしてSL&CHをボトムゾーンへコマンド良く投げ分けており、早生まれのHSピッチャーとしては申し分ない水準、

実際にショーケースやBCPBL、MLB Draft League、遠征試合での登板成績を見る限り、BBを連発した登板は殆どなく、制球面に関する不安要素はTJSぐらいです。

今クラスはコマンドに優れたHSピッチャーが多かったため、例年であれば制球面がより光っていたかと。

Overall – 20 PV/40 FV

将来性と完成度を兼ね備える稀有なHSピッチャーですが、悪く言えば現時点で秀でたツールに欠けるプロスペクト。

(「将来性と完成度を兼ね備える」ってよく言うけど、よくよく考えたら矛盾してない?)

プロペクトとしては40 FVのアッパーレンジに位置するイメージで、FanGraphsの換算によると保有期間内に稼ぐWARの期待値が1.0程度、スタープレーヤー(保有期間内に4.0 WAR×2シーズン以上)に到達する可能性が1.0%程度となります。

(当ブログでは40 FVと40+ FVを区別していないため、当ブログにおける40 FVのアッパーレンジはFanGraphsにおける40+ FVに該当。)

ちなみに、私が数年前に調べた限りでは40 FVのピッチングプロスペクトが1シーズンだけでもSPローテ6番手以内でプレーする可能性は約20%、5番手以内なら約15%、4番手以内なら10%程度であり、40 FVのアッパーレンジであることを考慮しても、Duncanの期待値は高が知れています。

ドラフト2巡目後半なんて所詮はそんなもんです。


Sean Duncanの2巡目(全体63位)指名は...

TJSを喰らうことなく健康体であれば2巡目(全体63位)はおろか1巡目(全体35位)に値するかもしれませんが、主観的にはIan ClarkinMatt SauerAustin DeCarrDrew FinleyNolan MartinezBrock Selvidgeなどオーバースロットの上位ラウンド指名HSピッチャーを尽く外してきたNYYを信用する気にはなれず、Hunter Dietzの記事でも述べたようにピッチングプロスペクト(しかもスぺ体質)の連続ピックは気に食いません。

Jake BrownSawyer Strosniderといったアスレチックな野手がアベイラブルだったけに、そこら辺でギャンブルして欲しかったです。

ただ、健康体ならVanderbiltで高額なNILを狙えていただろうし、NYYのボーナスプールで手を出せるような存在ではなかったはず。

そう考えれば、DietzといいDuncanといい耐久性を懸念されるピッチャーを上手くアンダーピックしたとも捉えられるわけで、これはClarke Schmidtで成功を収めた手法。

また、最近のNYYは2023年にThomas WhiteJosh Knoth、2024年にDax WhitneyBraylon Doughtyが1巡目指名候補として噂された実績?があり、これらの噂が本当であればHSピッチャーの目の付け所は意外と悪くありません。

何にせよ実戦復帰は来年のインストラクショナル・リーグか2028年シーズンとなるはずで、真価が判明するのはまだまだ先。

気長に待ちましょう。


どうせ現段階でケチを付けていたことなんて時間が経てば誰も覚えていないだろうから、復帰後に急成長を見せるようなことがあれば、何事もなかったかのように手のひら返して持ち上げます。

コケれば当記事を持ち出してドヤ顔でイキります。

だから、キズモノのプロスペクトって便利ですね。

2年後に偉そうなこと書くのが楽しみです。


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