MLBの歴史に残る特大ホームランの推定飛距離とその現実 Part2



Part 1の続きです。




Mark McGwire(1997年)

当時の推定飛距離 485 ft 149 m
HTの再計算値 496 ft 151 m

Part 1で取り上げた545-foot Bombは、全くもってデタラメなお話でしたが、Jacobs FieldのBudweiser広告にぶち当てたこの一発については、Hit Trackerの推定値も近似的な値に。

ただ、485 ftという当時の推定飛距離は単なる広告までの水平距離を指していたとの話もあり、ケース・ウェスタン・リザーブ大学在籍の物理学者Robert Brownは、この値に広告の高さ(約60 ft)や風速(14 mph)、滞空時間(4.9秒)を組み込み、当HRを530 ftと見積もっています。

実際の広告までの水平距離は431 ft(Google Mapで見ても明らか)ですから、話の入りから誤りですけど。

チームメイトのJose Cansecoは550 ft(168 m)以上と見積もっています。

また、当HRの10日前にもMcGwireはTiger Sdaiumの観客席天井まで特大HRを運んでおり、当時は514 ft(157 m)と推定されました。

ただ、私の手元で簡単に計算してみたところ、約480~490 ft(146~149 m)に。

風速などは知りません。

さらに、その2ヶ月後には、KingdomeでRandy Johnson相手にアッパーデッキへ運び、当時は538 ft(164 m)と推定されましたが、私の手計算では約490~500 ft(149~142 m)に。

ドーム球場の無風状態におけるHRですから、精度はさほど悪くないかと。

Reggie Jackson(1971年)

当時の推定飛距離 600 ft 183 m
HTの再計算値 539 ft 164 m

1971年に全盛期のReggie Jacksonが放ったMidsummer Classicで最も有名なHR。

Tiger Sdaiumの観客席天井に設置している照明用変圧器ボックスに直撃する驚異の一発で、当時は約20 mphもの強風が吹き荒れていたこともあり、Hit Trackerの推定はかなりポジティブな内容。

なお、大舞台に強いイメージがあるJacksonですが、ASでのHRはこれが最初で最後。

Richie Sexson(2004年)

当時の推定飛距離 503 ft 153 m
HTの再計算値 482 ft 147 m

“2000年代のAaron Judge“が左肩を壊す直前に放った一発。

Bank One Ballpark(現Chase Field)のバックスクリーンのディスプレイを破壊し、Scott Rolenの473 ft(1999年)を上回る同球場史上最長のHRと当時は持て囃されましたが、Hit Trackerの推定値は▲20 ft。

同球場の真の最長HRは2008年のAdum Dunn

推定飛距離はHit Tracker(2006~2017年)が計測したHRの中で最長となる504 ft

Manny Ramirez(2001年)

当時の推定飛距離 491 ft 150 m
HTの再計算値 450 ft 137 m

Jose Cansecoと同様にSkydomeの5階席まで運び、当時の推定飛距離は491 ft

これはMark McGwireの488 ft(1996年)を上回る同球場史上最長の値でしたが、これまたCansecoと同じくHit Trackerの推定値はかなり下。

まあ、明らかにLAが高いわな。

Mike Piazza(1997年)

当時の推定飛距離 496 ft 151 m
HTの再計算値 515 ft 157 m

Mike Piazzaがキャリアベストシーズン最終盤に放った当時のCoors Field最長HRですが、単なる観客席落下地点までの水平距離であり、Hit Trackerの推定値は+20 ft。

また、この5日前にもPiazzaはDodgers Stadiumで場外HRを放っており、推定飛距離は478 ft。

コチラは真値に近い数字かと。