いよいよ今月末、あのシリーズが遂に始まります。
言うまでもありませんね。そうです。2026 FIDE Candidates Tournamentです。
クラシカルチェス永遠の2番手Fabiano Caruanaが8年ぶりに挑戦権を得るのか?
それとも、ファストチェス永遠の2番手Hikaru “GMHikaru” Nakamuraがチャンネル登録者300万人の声援に応えるのか?
はたまた、安定感がウリの(というか、それしか強みがない)Anish Giriが置きに行く安牌のプレーから脱却し、”King of Draws”の汚名を返上するのか?
大学で時間と才能を無駄にしたWei YiとMatthias Bluebaumの逆転劇はあり得るのか?
この大一番直前に結婚したAndrey Esipenkoは本当に準備が整っているのか?
レーティングが右肩上がりを続けているJavokhir Sindarov、2024年のスランプから脱却したかと思いきや再びダウンスイングを経験中のPraggnanandhaa、2人の若き才能の行方は?
FIDEの馬鹿げた出場者選出方式によって不満の残るラインナップですが、誰が世界タイトル戦へ勝ち進もうが、Gukeshと挑戦者の何れがタイトルを獲得しようが、所詮はMagnus Carlsenの次点が決まるだけの戦い。
これならNorway Chessのタイトルの方が価値あるんじゃない?
兎にも角にも、ガラパゴス・ボードゲームが幅を利かせている日本では誰も興味がない話でしょうから、一部の国と地域でしか人気がないスポーツに話題を戻します。
目次
野手
J.C. Escarra
今回のSpring Training(以下ST)における(私的)野手MVP。
Escarraと言えば、優れたゾーンアプローチを武器にOBPを稼ぐハイフロアーなバッターですが、今STでは30歳ながらもGame/Raw Powerが成長を披露。
昨シーズンのMax EV 108.3 mphに匹敵または上回る打球を3本(109.6 mphのHR、108.1 mphのHR、108.3 mphの2B)も放ち、プルサイドへの3 HR(Pull Air%はMLB全体2位!の42.3%)に加えフィールド全方向にフェンス際のロングFBを打ち分けています。
20.0 K%/3.3 BB%や34.5 Chase%を残すなど、アプローチ面との間で多少のトレードオフが発生しているものの、依然として高いZ-Contact%(87.8 %)を残しており、トータルの収支はプラスに傾ているかと。
また、マスクをかぶった際には8回中7回のABSチャレンジを成功させており、5回中2回しか成功していないAustin Wellsとの差は歴然。
開幕ロースター入りが確定していますが、個人的には納得の待遇です。
ちなみに、インタビューによると、Judgeのバット重量を参考として新たに特注したトルピードバットがパワー向上に寄与しているとのこと。

つまり、STで表面上の好成績を残したところで参考にはならず。
ただ、EVスタッツは相関が強く、EscarraのようにEVがハネているプレーヤーのパフォーマンスは注視すべきかと思います。
Ryan McMahon
昨シーズンにおいて、バットスピードが一昨年から約1.5 mphも向上しただけでなく、オープン気味のスタンスへ若干変更するとともにバッターボックスでの立ち位置を後方にズラしたことでインターセプトポイントが前進し、毎年MLB平均未満だったPull Air%が初めて平均を上回ったMcMahon。
Raw PowerとGame Powerの大きな乖離が長年問題だったプレーヤーのブレイクの兆しに目を付け、前回のTDLでギャンブルを仕掛けたNYYの判断は十分に理解できる代物でした。
しかし、スタンスを狭めスイングをコンパクトに改造して迎えた今STでは再び逆方向への打球を連発。
相変わらずコンタクトスタッツが最低クラスにもかかわらず、Max (90th) EVやBarrel%も大きく落ち込んでおり、第2のDJ LeMahieuなど夢のまた夢。
SS挑戦はデプスに見合っていますし別に構いませんけど、それ以前の問題だわ。
まあ、それでもVolpe/Caballeroをvs. RHPに起用するよりはマシか…。
Ryan McMahon – Open Side Swing pic.twitter.com/dqO3Fgso10
— Fordy Ballgame (@ironhorse0619) February 26, 2026
George Lombard Jr.
昨シーズンはプルサイドへパワー発揮するのに苦労していたLombard。
しかし、3人のMLBピッチャー(Garrett Crochet、Freddy Peralta、Clayton Beeter)から左中間にXBHを放つなど、Game Power改善の兆しが見受けられました。
しかしながら、非効率かつ極端な待球アプローチは従来のまま。
メカニクスとバットコントロールも安定感を欠き、ST後半にはスランプに。
今シーズンも育成の1年と捉えるべきでしょう。
2B/3B/SSの全てにおいてハイライトプレーを見せるなどフィールディングは反対に順調。

George Lombard Jr. – Open Side Swing pic.twitter.com/pKXz0hYGub
— Fordy Ballgame (@ironhorse0619) March 4, 2026
Max Schuemann
開幕MiLBスタートが見込まれているプレーヤーの中でも最も好調な存在の1人。
表面上の成績は単にバビっているおかげですが、持ち前の選球眼を活かし14.3 K%・25.7%を記録。
MiLBオプションが3つも残っているため、無理に開幕ロースターへ加える必要はありませんが、Oswaldo Cabreraがリハビリ出場を続けているうちに、第5のベンチプレーヤーの座を奪い取りそうな勢いです。
ただ、UTとしてIF/OFを満遍なくプレーしていますが、やっぱりOF守備は下手ですね。
Opt-OutをスルーしたPaul DeJongやオプション切れしているJorbit Vivasの方が開幕ロースターのファイナルスポットを獲得する可能性が高そう。
Duke Ellis
コンタクトヒッターが唐突にフルスイングを繰り返し、無茶苦茶な成績を残したままリーアサインド。
この大いなるギャンブルが自殺行為ではなくブレイクのトリガーになり得るとは思えませんが、
Duke Ellis shows off some power and it’s 15-1 Yankees! pic.twitter.com/KCCZzt1qrD
— Talkin’ Yanks (@TalkinYanks) February 27, 2026
Garrett Martin
NYY傘下最高級の身体能力を誇る脳筋が強烈なインパクトを残しています。
3/13に113.1 mph EV・飛距離460 ftの特大HRを放つと、3/19には115.4 mph EV・飛距離413 ftを記録。
後者はSteinbrenner Fieldでの一発ですから、誤計測というわけでもなさそう。
また、私が知る限りこれまでのMax EVは113.2 mphなので、恐らく自己ベスト更新になるかと思います。
レイトゲーム起用を受けているため、対戦ピッチャーのクオリティは✖ですが…。
Yankees Prospect OF Garrett Martin ties it up with a blast to left 💪
413 ft. 115.4 mph. 🔥 pic.twitter.com/O0JvXiCf2p
— NYYPlayerDev (@NYYPlayerDev) March 19, 2026
Spencer Jones
昨シーズンのAAAにおいて平均を上回る56 %のABSチャレンジ成功率を残すも、今STでは4度のチャレンジ全てを失敗。
ABS Challenges Leaderboardから盗用拝借した下記のチャートからも分かるように、昨シーズンは両コーナーサイドでOverturnを稼ぐも、今STではゾーン高低の判断を見誤っているようで、ここら辺はメカニクス変更の弊害なのかもしれません。
こじつけと言われたらそれまでですけど。

Marco Luciano
47.9 Contact%や.240 OPSを残した今STのLVPプレーヤー。
そもそもLIDOMでもゴミスタッツでした。
Mike Ford
結婚。
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投手
Tim Hill
これまでローゾーンのコーナーを中心に投げ込むSIが投球割合の約80%を占め、アクセントとしてFF(約15%)とCT(約5%)をハイゾーンに投げ込んでいた特殊な技巧派が、ここにきて急にSLを再習得。(SLは数年前にダンプしていた。)
しかも、Hillと言えば各球種をアウトラインやコーナーへ丁寧に投げ分けGBを誘発する”躱すピッチング”を身上としていましたが、今STではAvg 77 mphの緩い新SLとSIを果敢にゾーン内に投げ込み、5.1 IPで7 K・0 BB・76.0 Strike%と見事なスタッツを記録
新球のコマンドに苦労しているだけで、好成績は単なる偶然かもしれませんが、各プロジェクション・システムで毎年のようにリプレイスメントレベルと評価される36歳の男が、再びプロジェクションをぶち壊すのか、それとも否か…見物です。

Brent Headrick
6.2 IPを投げ11 K/1 BBの見事なレイシオ。
特にLHBに対しては新球SIをFF&SLコンボに組み込み、ほぼ完璧に抑え込んでいます。
ただ、苦手なRHB相手には特に工夫もなく、容易にハードコンタクトを喰らい続け、挙句の果てにはEric Wagaman如きにHRを許す有様。
また、ST序盤(2月)は球速やPQが好調だったのですが、3月に入るとスローダウン。
Tim Hill、Ryan Yarbroughと2人の左のスペシャリストを抱えている中で、ブルペンの最後の枠を与えるべきだとは思えません。
MiLBオプションもまだ1つ残っています。
とは言え、他の選択肢(Cade Winquest、Osvaldo Bido、Yerry De los Santos、Angel Chivilli、Kervin Castro)と比べると…、目くそ鼻くそですね。
Camilo Doval
NYY移籍後にメカニクスを弄ったDovalは、パフォーマンス向上に寄与したなった変更を今シーズンも引き続き採用する模様。
私はWBCを見ないので詳しくは分かりませんが、WBCではストライクを投げていたようですね。
ただ、Statcastデータを見る限りピッチクオリティはネガ要素ばかりだなと。
また、WBCのデータを眺めていて気付いたのですが、2023年大会・今大会ともに彼の代表戦でのスピンレイトがSTやRSでの登板と比べ大きくアップしていました。
さらに全体的なデータも調べてみると、Dovalと同じく球速はそのままにスピンレイトが大幅にアップしたピッチャーが数多く見受けられました。
WBCに見る価値を感じない人間なので詳しく知りませんが、WBC公式球ってMLB公式球と比べそんなにスティッチやサーフェイスが違うものなんですかね?
それとも球速そのままにスピンレイトが大幅にアップする別の理由が?
私以外の野球ファンは楽しんでいたようなので、これ以上の野暮な憶測は止めにします。
Jake Bird
昨シーズンTDL最大の失敗作がCTとSIに改造を加え復活。
特にFFのような球速とムーブメントを誇るCTはコマンドが安定しており、アーリーカウントやヒッターズカウントで積極的に用いられることで、ストライクを奪いカウントを整えることに寄与。
また、ポジ要素はFBの改造だけでなく、伝家の宝刀Sweeperもスピンレイトと変化量を増しています。
これでコロラドではなくニューヨークで活きるピッチングスタイルを見出したと信じたい。
(急にコマンドが崩れる悪癖が直っていないのはご愛敬。)
Will Warren
昨シーズンと比べラバー上でのフットポジションを1Bサイドから3Bサイドへ1 foot以上もズラしているWarren。
この大きな変更がディセプションとアームアクションにも変化をもたらしたのか、FFのスピンエフィシェンシーが向上し34.2 %と非常に高いWhiff%を記録しています。
ただ、例年と同じくSTが進むにつれて球威は低下。
CHの向上も全く見受けれず、結局のところ今シーズンもLHB相手に苦しむ羽目になりそう。
Brock Selvidge
初回登板にてAvg 95 mph超の球速バンプを披露し、遂にMLBへの道筋が見えたかと思いきや、たった1度の登板でUCLを損傷。
ただ、通常のTommy John手術ではなくインターナルブレース手術で済んだとのことで、来シーズンのSTには間に合うでしょう。
Brock Selvidge struck out four today in his first game of the spring 🔥 pic.twitter.com/j8k0Jr9GKx
— Milb Central (@milb_central) February 21, 2026
Cade Winquest
Rule 5 Draft プレーヤーなので楽しみにしていましたが、ここまでのパフォーマンスは悲惨の一言。
特にLHBから滅多打ちを喰らっています。
RHB相手にはコマンドが安定しカウントを先行させているにもかかわらず、LHBを相手にすると急にコマンドが崩壊。
これは単なるアーセナルやアプローチ云々が原因ではなく、何かしらのメンタリティー的な問題ではなかろうかと。
どちらにせよリターンした方がいい。この状態のままMLB起用は土台無理な話。
Yovanny Cruz
何故か分かりませんがストライクを投げています。
ST以前にもLIDOMでコントロールは安定していたようです。
1球だけSplitterを投げていたのですが恐らく新球。