ヤンキース:プロスペクト・リポート:第1回(2024/4/14)

2024年シーズン開幕時点におけるニューヨーク・ヤンキースのプロスペクト(有望株)ランキングTop100を作成

溜め込んだ野球グッズが部屋に入りきらなくなったので、コンテナ型貸倉庫を借りたのですが、湿気が酷くて肝心のカードや書物類の保管は危険だなと。

どうしたもんかね?



巻頭言:恥ずべき見落とし

Garrett Martin

Spencer Jonesが最上級の記録を残したことでお馴染みのLoden Sports社身体能力テスト

そろそろ「ヤンキースのMLBドラフト1巡目指名候補」の今年度版を書き始めようと思い、ドラフト指名候補生の中で面白い身体能力オバケがいないか同社のHPを漁っていたところ、昨年6月の特集記事に見覚えのある名が。

恐る恐る記事に目を通すと、やはり昨年にドラフト外でNYY傘下へ加入したGarrett Martinについてでした。

Slammers Baseball conducted an official Loden Sports evaluation on Austin Peay Centerfielder and MLB Draft Prospect, Garrett Martin. Martin scored an 11 and is ...

ドラフト漏れしたことからも分かるように無名に近い存在ですが、記事によると同社の身体能力テストの総合指標であるLoden Score(0~12の13段階)において11を記録したとのことで、これはほんの一握りだけが到達しうるスコア。

12を記録した学生アスリートは3人しかいないので、実質的には最高スコアと言えるでしょう。

ちなみに、内訳はパワーが11、クイックネスが9、スピードが8。

Spencer JonesのLoden Score(総合が9、パワーが9、クイックネスが6、スピードが9)を大きく上回っています。まあ、Jonesに関しては6-6という体格でこれだけのスコアを残している点が評価されているわけですけど…。

「ヤンキース:プロスペクト・ランキング:トップ100:2024年開幕版」を作成する際には、昨シーズンLow-Aで披露したハードヒッティングを評価し、Top 100へランクインさせるか最後まで迷ったのですが、最終的に105位と格付けした存在。

2~3月頃にもLoden Sports社のHPは訪れているはずなのですが、完全に見落としていたようで、特集に気付いていれば間違いなくTop 100へ含めていたことでしょう。

AAA

Yoendrys Gomez

昨シーズンのMLBデビュー登板ではハイクオリティなピッチを披露したGomezですが、STで原因不明の球速低下を経験。

開幕後もダウンスイングは続いたままです。

また、4月5日の登板では新たに取得したHBが20”を超えるSWを投じたにもかかわらず、4月11日の登板では同ピッチを温存するなど、イマイチ方向性も定まっていない印象で、早くも先が思いやられます。

球速:2023 MLB vs 2024 AAA

球種 2023 MLB 4/5 4/11
FF 94.5 90.0 92.1
CT 86.0 85.2
SL 83.2 82.6 82.7
SW 78.9
CB 80.0 78.3 79.7
CH 89.1 85.9 86.7

Caleb Durbin

身長5-6と小柄な体格を理由に懐疑的な声が多い小兵がAAAデビュー&開幕スタートダッシュに成功。

3 K・11 BBと持ち前の高度なアプローチを思う存分発揮しているだけでなく、高いSweet Spot%を残すなどコンタクトクオリティも優秀で、xwOBAはAAA全体2位にランクイン。

コールアップを見据えOF守備にも挑戦していますが、Oswaldo Cabreraと異なりセンスはイマイチ。

Brandon Lockridge

STで酷いパフォーマンスを残し、MLBへの道はまたもや遠のいたかと思いきや、95.8 Z-Con%・12.7 Chase%と開幕から見間違えるようなアプローチを披露。

フリースウィンガーが唐突に改善されたのか、それとも単なる一過性のアップスイングなのか…、私は後者にベットしたい。

AA

Spencer Jones

(当日の寝違いによる?)首の張りを理由に開幕戦を欠場したJonesですが、day-to-dayの軽い症状かと思いきや今日まで全試合欠場。

今日の試合でやっと復帰とはいえ、DH起用に留まっています。

Chase Hampton

右肩の炎症によってST開始早々に離脱したHampton

3月中にPRP療法を受け経過観察中だった中で、追い打ちをかけるように右肘のUCLも損傷。

実戦復帰は早くとも5月下旬~6月上旬の予定で、期待されていた今シーズン中のMLBデビューが大きく遠のきました。

Jared Wegner

昨年のドラフトで加入したフルシーズン1年目のプレーヤーですが、大学で5年間もプレーした高齢プロスペクトのため、早速ながらAAで開幕を迎えており、大学時代のMax EV 115 mphを更新する116 mphの高速HRを放つなどスタートダッシュはまずまず。

High-A

Ben Shields

大学で6年間プレーした後に、ドラフト外でNYY傘下に加入した異色の存在。

NCAA成績を見る限り制球力に難があるピッチャーのはずですが、開幕から素晴らしいコマンドを披露しており、2 G・5.2 IPを投げ0 BB・75 Str%の数字。

既に25歳を超えるだけに、期待値はたかが知れていますけど、印象的だったので参考までに。

Low-A

LombardArias

Tampa Tarponsにて最も注目すべきプロスペクトは言うまでもなくGeorge Lombard Jr.Roderick Ariasのティーンエイジャーコンビですが、開幕からの打撃パフォーマンスは両極端な内容に。

Lombardは34 PAで9 K・12 BBと優れたアプローチを発揮し、5本のHHを放つなどコンタクトクオリティもまずまずの出来で、.419 xwOBAはチームトップの数字です。

対照的にAriasは32 PAで17 K・3 BBとボロボロ。開幕戦でHR、2試合目で3Bを放ってからは全くと言っていいほど良いところがなく、STでの活躍は何だったのか?

また、守備においては2人ともSSをメインにLombardが2Bと3B、Ariasが2Bを守っていますが、互いにフィールディングミスを連発。

Luis Serna

NYY傘下イチの変化球(CH)を持つSernaがとうとうStatcastデビュー。

そのCHはHBが50”を超える期待通りのムーブメントを計測しており、2350 rpm前後とスピンがかかっているためか、大半がCBと誤認されています。

正しくダブルプラスといったところで、こんなCHを投げていればそりゃケガするよねと。

また、FFもチームトップの18.4″ IVBを計測。

ただ、実際の試合では速球と変化球共に強打を受け、50球を超えたあたりから一気に球速が低下。降板直前に大量失点を許しました。

Allen Facundo

昨シーズンは平均92 mph程度に留まっていたFacundoが平均94 mphへ高速化。

しかし、CHを除き各ピッチのコマンドは酷い有様で、昨シーズンに55~60 Whiff%を記録したSLに至っては空振りを1つしか奪えず。