2025年ヤンキースの総括と雑感:5月編



真の強者LADには現実を叩き付けられましたが、格下相手に勝利を重ね、月間17勝9敗の好成績でフィニッシュ。

ALE2タイのTORとTBRに5.5ゲーム差を付け、PS進出確率は1ヵ月間で84%から97%へ上昇。



野手

幸運に恵まれた4月が出来すぎだっただけで、5月もソリッドなパフォーマンス。

指標名 5月中の合計 MLB全体順位
シーズン合計
野手fWAR 6.2 3位
15.4 1位
平均得点 5.19 4位
5.63 3位
OPS .792 3位
.812 2位
wRC+ 121 3位
129 1位
xwOBA .355 4位
.356 2位

Goldschmidtのアプローチ変化

2022年のMVPシーズンと大差ない好成績を残しているGoldschmidt

低調なパフォーマンスに終わった昨シーズンと比べ特筆すべき点がコンタクト志向のアプローチへの転向です。

Year Swing
Speed Length VBA AA
2024 72.0 7.7 32 11
2025 72.8 7.5 32 10

スイングのアングルそのままにパスがコンパクトとなり、バットスピードのバラツキが減少しアプローチが安定化。

その結果として、ハードコンタクトを犠牲に、Contact%が大幅に向上すると共に、理想的なラインドライブが増加。

xDamage(xwOBAcon)に変化がなくとも、BIP%がこれほど上昇すれば、否応にもパフォーマンスは向上しますよね。

  2024 2025
K% 26.5 15.1
BB% 7.2 7.8
Z-Swing% 65.1 66.4
Z-Con% 77.9 87.2
O-Swing% 29.5 28.9
O-Con% 60.3 66.1
HH% 49.6 39.2
Sweet Spot% 34.3 40.3
xDamage .423 .412

また、昨シーズンはRISPにおいて.564 OPS・26.3 K%・9.7 BB%に終わり、チームワースト級のRE24を残していましたが、今シーズンはコンタクト志向のアプローチがRISPにて取り分け顕著となっており、1.031 OPS・16.1 K%・11.3 BB%と成績は◎

下が昨シーズンと今シーズンのRISPにおけるRadialチャートとなりますが、昨シーズンは一貫としてハードヒットを放っていたものの、今シーズンは数多くのソフトなラインドライブを記録。

チーム全体で打線がスランプに陥っていたSTLから、強打者がラインナップに名を連ねるNYYへ移籍したことで、打席でのマインドも変化しているのではないでしょうか。

2024年RISP

Austin Wells

4月下旬から5月序盤にかけてフレーミングの調子が悪かったWellsですが、その後は復調を見せ無事にフレーミング成績MLBトップに立ちました。

ただ、今シーズンから取り入れた大振りのスイングは成績向上に繋がらず。

Trent Grisham

平均超のOF守備力を有するものの、珍しく守備に波があるGrisham

昨シーズンは8月にミスを連発しましたが、Catch Prob 95%と85%の打球を後方に逸らすなど今シーズンは早くも5月にスランプを経験。

Jasson Dominguez

4月下旬から6本もの70% Catch Probを超える打球をミス。

各守備成績はMLB全体でもワースト級の数字です。

ただし、ある程度打撃パフォーマンスが落ち着いてきたGrishamとは対照的にバッティング好調。表面上の数字には反映されていませんが…。

同一化したGoldschmidtとBellinger

本記事執筆中、元MVP Winner2人の5月成績がほぼ同じことに気付きました。

先駆けてアプローチヒッターに転向していたBellingerに、先述の通りGoldschmidtが寄せに行っイメージ。

ただ、BBEプロファイルにはある程度乖離があり、BellingerGoldschmidtの形。

Stats Goldschmidt Bellinger
G 26 24
PA 102 108
OBP .382 .370
SLG .522 .531
wOBA .387 .386
wRC+ 153 152
K% 9.8 12.0
BB% 8.8 10.2
Z-Swing% 68.2 61.9
Z-Con% 91.0 91.2
O-Swing% 27.0 27.0
O-Con% 74.5 74.1


投手

Yankee Stadiumでは被21 HR、Awayでは被35 HR。

指標名 5月中の合計 MLB全体順位
(月間)
シーズン合計
投手fWAR 4.1 7位
7.4 8位
ERA 3.49 9位
3.61 8位
FIP 3.24 3位
3.57 5位
xwOBA .306 4位
.309 5位
SIERA 3.33 1位
3.59 6位

Carlos Rodon

3年目にして遂に年俸に見合ったパフォーマンスを残しているRodon

過去2年間に打ち込まれたRHPを抑え込んでいる事がその要因。

画像1枚目の通り、2024年シーズンはシンプルに高めのFFと足元へのSLで空振りを狙いに行っていたのですが、2枚目の通り、2025年シーズンはFFをゾーン下部に集め、さらにSLも同じスポット(高さ)に投げ込むという非常に特殊なアプローチを採用。

ピッチタネリングの効果を意識した改造かと思いますし、実際に今シーズンはFFとSLのリリースポイントが昨シーズンから変化しています。

また、CHも昨シーズンと比べコマンドが安定。

また、下画像(1枚目:2024年、2枚目:2025年)の通り、LHB相手にはSIを投げ始めました。

上述のアプローチにおけるタネリングが、LHP相手ではRHP相手ほど効果を発揮しないため、LHB相手に異なる改造を採用したといった感じか?

ただ、対LHB成績は昨シーズンから今シーズンに欠けてほぼ変化していないので、改造する必要が本当にあったのかは疑問です。

Jonathan Loaisiga

UCL損傷によるインナーブレース手術から復帰した元リリーフエースは、全盛期の球威を取り戻していないだけでなく、コマンドも乱れ狂い、手痛い強打を喰らっています。

改造を加えたCBも現状のコマンドでは活かしようがありません。