本日行われた2025年 MLBドラフト 1st Dayにおいて、1巡目(CBA)の全体39位指名権を持つニューヨーク・ヤンキースはジョージア州の高校生SS ダックス・キルビー(Dax Kilby)を指名。
過去の10年間の1巡目指名選手
| 年度 | 順位 | 選手名 | PO | HS/CO |
| 2024 | 26 | Ben Hess | RHP | CO |
| 2023 | 26 | George Lombard Jr. | SS | HS |
| 2022 | 25 | Spencer Jones | CF | CO |
| 2021 | 20 | Trey Sweeney | SS | CO |
| 2020 | 28 | Austin Wells | C | CO |
| 2019 | 30 | Anthony Volpe | SS | HS |
| 38 | T.J. Sikkema | LHP | CO | |
| 2018 | 23 | Anthony Seigler | C | HS |
| 2017 | 16 | Clarke Schmidt | RHP | CO |
| 2016 | 18 | Blake Rutherford | CF | HS |
| 2015 | 16 | James Kaprielian | RHP | CO |
| 30 | Kyle Holder | SS | CO |
ファーストピックがCBA終盤ということもあり、例年と比べインサイダー情報に乏しかったNYY。
その中でもAlex Lodise(全体60位にてATLが指名)との強いリンクが取り沙汰されていましたが、近年ワースト級の不作と評される今クラスにおいて最も選手層が厚い高校生SSからのピックとなりました。
Dax Kilby
ダックス・キルビー:45 FV
18歳7ヶ月(2006年11月生):6-2/190 lb
Newnan HS(GA):B-L/T-R:SS
| Draft Prospect Rankings |
|
| メディア | 順位 |
| Baseball America | 75位 |
| MLB.com | 62位 |
| ESPN | 28位 |
| FanGraphs | 23位 |
| Baseball Prospectus | ランク外 |
| The Athletic | 55位 |
| Perfect Game | 45位 |
| Prep Baseball Report | 83位 |
| Azad Earl | 65位 |
| Quinn Riley | 48位 |
Atlanta近郊のNewnan High Schoolにて、同校を初のジョージア州チャンピオンに導き、同州のAthlete of the Yearに輝いたバッティングファーストのショートストップ。
U-13やU-15の頃は高い評価を集めていませんでしたが、2022年付近に1年間で身長が5″以上も伸びると、2023年の夏~秋頃から頭角を現し、Clemsonへのコミットメントを獲得。
そして、2024年のショーケースやサマーサーキットにてトップクラスのパフォーマンスを残し、PG All-American Classicでは栄えあるMVPを受賞。
一気に上位指名が期待されるプレーヤーへとブレイク。
今シーズンも地元リーグにて引き続き活躍を続け、上述の通り州大会優勝の立役者に。
各媒体のプロスペクトランキングでは2巡目評価が過半数を占めていたものの、MLB Draft Combineでのインプレッシブなパフォーマンスが功を奏したのかドラフト直前に幾分かのヘリウムを集め、NYYなど複数のチームにおける1巡目(CBAも含む)候補として名前が挙がる存在へ。
特に全体19・30・31・37位指名権を持つBALが熱を上げているとの話でしたが、結局のとこSlater de Brunを優先しKilbyはスルー。
そして、高校生SSのスカウティングにウェイトを置いていると噂されるNYYが指名する運びとなりました。
| Hit | Power | Run | Arm | Field |
| 45 | 45 | 60 | 35 | 40 |
長身瘦躯のボディ(特に上半身)は完成度が低く、かなりのプロジェクションの余地を残しており、柔軟性にこそ欠けるものの、身体能力自体も◎
Hit – 25/45
昨年のショーケース・サーキットにて87 Contact%(89%とのソースも)、9 Chase%を残したバットコントロールと選球眼のコンビネーションは高校球界屈指。
特に内角打ちが見事。
ただ、意外にもスイングパスは長く、アイデアルなインターセプトポイントがかなり前方にあるため、バレルがローテートする途中段階でピッチへコンタクトする、つまりAttack Angleがフラットとなる場面が多く、GB%は危険水準の63%。
また、フィジカルが未熟で体幹が弱いのか下半身の粘りがなく、低めのピッチに対し前のめり気味でバットを運んでしまい、ソフトかつ低弾道な打球を放ってしまっています。
Power – 20/45
Max EVは107 mph。
大胆な体重移動によってハイエフォートなスイングを生み出し、バットスピードはパワーナンバー以上に優秀。
昨年のショーケース・サーキットでは8.7 HH%に終わり、上述の通り低弾道にも苦しんだわけですが、Draft CombineにてRaw Powerの成長を証明しており、フィジカル面が成熟するに連れて更に伸びるはず。
それでもGame PowerとRaw Powerの差が大きく縮まると思えませんが、ショーケース・サーキットで好成績を残していることから、木製バットにてパフォーマンスが低下する可能性は低いと考えられます。
Run – 60/60
昨年のショーケースにて60 Yrad Dash 6.47秒(プラス級)を計測しただけでなく、Draft Combineでは30 Yrad Dashにおいて全体4位(高校生2位)の3.55秒を叩き出しており、その他の身体能力テストについても優秀なスコアを記録。
長身で脚が長く、走り方も特徴的なためアクセラレーションが優れているようには見えませんが、実際にはショートレンジのスプリットタイムもプラス級の数字で、フィジカル面の完成後もプラスのスピードを維持できるかと思います。
ヘッドスライディングは下手でした。
Arm – 25/35
Field – 30/40
リアクションやレンジはSS守備において悪くありませんが、弱肩が大きな足枷に。
スローイング動作の柔軟性に欠けるためアームスロットも限られており、SSや3BでArmツールが通用するとは思えません。
そのため、多くのエバリュエーターは2Bへのコンバートを見込んでいますが、個人的には2Bにすらフィットするとは思えず、LFへのコンバートが最も合理的かと。
ただ、現在のスローイング・メカニクスは右肩の故障が影響しているとの話もあるので、しばらくは動向を見守るべきか?
Anthony Volpe、Austin Wells、Trey Sweeney、Spencer Jones、George Lombard Jr.と5年連続で1巡目指名野手がドラフト時評価を上回る守備力を身に付けているだけに、現評価以上のアウトカムを内心では期待している自分もいますね。
Overall – 25 PV / 45 FV
45 FVティアのミドルクラスといった印象で、「ヤンキース:プロスペクト・ランキング:トップ50」のミッドシーズン・アップデートでは第6位に置く予定。
コンタクト>パワー、そしてヒッティング>フィールディングのプロファイルは私のお気に入りRyan Mitchell(全体55位でSTLが指名)と似通っており、正直なところはそっちの方が良かったですけど、別にKilbyに対しこれといった不満はなく、寧ろ好意的に捉えています。
全体39位のスロットバリューは$2.51Mですが、昨年のドラフトにて高校生野手が高騰していたことを考えると、それ以上のボーナス($3M程度?)が必要と考えるのが自然。
実際にNYYは3巡目以降において大学生プレーヤーのオーバーピックを極端なほど続け様に行っており、Kilbyへのボーナスを捻出するとの意図をヒシヒシと感じます。
また、近年のNYYは全体25位前後の指名権を持ち合わせていたわけですが、当然ながら今回の全体39位指名権はバリューが劣ります。
全体25位指名権は金額に換算すると全体39位指名権と比べ1.5~2倍程度。
さらに、30球団形式となった1997年からコロナ禍前の2019年にかけて全体39位前後(全体37~41位)にて指名を受けたプレーヤー115人の内、MLBへ到達したプレーヤーは58%(67人)しかおらず、さらにプラスのrWARを残したプレーヤーはたったの37%(42人)。
つまり、全体39位においては、リプレイスメントレベルを上回るだけで当たりの部類に入ります。
ですから、例年と比べハードルを下げて考える必要がありますね。