オフシーズン開始前にヤンキースの現状をおさらい
上の記事で来季の確定年俸は約1億5600万ドル、補強予算は約6400万ドルと推定しています。
野手
C :ゲーリー・サンチェス
1B:ルーク・ボイト
2B:グレイバー・トレース
3B:ミゲル・アンドゥハー
SS:ーーーー
LF:ジャンカルロ・スタントン
CF:アーロン・ヒックス
RF:アーロン・ジャッジ
DH:----
ベンチ
C :オースティン・ロマイン
1B:グレッグ・バード
SS:ロナルド・トレイエス
OF:クリント・フレイジャー
投手
先発
1:ルイス・セベリーノ
2:田中将大
3:ーーー
4:ーーー
5:ーーー
リリーフ
1:アロルディス・チャップマン
2:デリン・ベタンセス
3:ーーーー
4:チャド・グリーン
5:ーーーー
6:ジョナサン・ホルダー
7:スティーブン・タープリー
FA予定選手
J.A・ハップ
ランス・リン
ザック・ブリットン
デビッド・ロバートソン
CC・サバシア
アデイニー・エチャバリア
ニール・ウォーカー
アンドリュー・マカッチェン
ブレット・ガードナー(1年1250万ドルのチームオプション有り)
放出予想
まずソニー・グレイについてはキャッシュマンがトレードでの放出をすでに示唆しておりほぼ間違いなく放出されるでしょう。年俸調停後の来季年俸は約900万ドルと予想されていて放出先は普通に見つかるのでは?この900万ドル分が浮くと上に書いた補強予算は約7300万ドルまで増加します。
さらにエルズベリーの処遇は今オフ最大の問題点。残り2年約4230万ドル+バイアウト500万ドルが残っていますがよっぽどのことでもない限り引き取り手が見つかるとは思えませんよね。控えに置いておくのも戦力的には大きなマイナスですし、恐らくもうDFAとなるのではないでしょうか。
他の放出候補はタイラー・ウェイドやA.J・コール、ベン・ヘラーあたりでしょうが、DL入り選手も含めると40人ロースターは現在36人。ただ、次のルール5ドラフト対象選手でプロテクトしなければならない選手はほとんどいないので40人ロースターの整理は去年ほどではないでしょう。
補強予想(予算7300万ドル)
内野手(2B・3B・SS)
チーム状況としては後半戦復帰予定のグレゴリウスの穴を短期間だけ埋めるショートが必要です。また、守備の下手なアンドゥハーをDHかファーストにコンバートするのであればサードも必要。
このチーム状況からマニー・マチャドの獲得に動くのではないかとアメリカメディアでは大きく取り上げられていますが、恐らく契約するなら10年3億5000万ドル程度の大型契約となるでしょう。先発&リリーフ補強の必要性を考えるとマチャド一人に予算の半分を使うのは反対です。
そもそもチームに左打者が極端に少ないこと、そして必要なのはグレゴリウス復帰までの短期間だけあることを考えると1~2年契約でまとめられる左打者(または両打)がベストということになります。そうするとフィットするのはジェド・ラウリー、ダニエル・マーフィー、アズドルバル・カブレラ、ニール・ウォーカー、ダニエル・デスカルソあたりがフィット。ただ、ラウリーはrWAR=4.8、fWAR=4.9という好成績を残しているので😥。デスカルソは今年しか好成績を残していない。残り3人はニューヨークですでにプレー済みなのが👍。ただ、この3人を守らせてしまうと内野守備が崩壊するので避けたいところ。(左打者でフライ打ちの上手いダニエル・マーフィーとヤンキースタジアムの相性は抜群でしょけど)
そうなると結局のところ右打者の選手たちも候補となってきます。ただ、1~2年契約ぐらいでまとめられそうなうえある程度のパフォーマンスを期待できるのはキンズラーぐらい。ってことでFAならイアン・キンズラーと1年1200万ドルで契約できれば👍👍👍。ただBOSと再契約の可能性もありますし、1年間レギュラーが確約されているチームを求める可能性も大。
次にトレード市場だとARIのニック・アーメドやSFのジョー・パニック辺りが面白いかな。もう少し価値の高い選手ならARIのケネル・マーテ、KCのホイト・メリーフィールド、PHIのシーザー・ヘルナンデス、CINのスクーター・ジェネット、TEXのジョーイ・ギャロらもトレード市場に出てくるかもしれません。
ただ、グレゴリウスやドゥルーリーなどの内野手をヤンキースとトレードしてきたARI所属のニック・アーメドがいろんな意味でベストなんじゃないでしょうか。グレゴリウスが復帰したらエチャバリアのように好守の控えとして使えますし来季年俸は推定300万ドル。さらに2020年オフにFAとなるのも👍。ただ右打者なんだよね~。
予想ではなく個人的な希望としては良い意味でも悪い意味でもワクワクするジョーイ・ギャロを獲ってほしい。ジャッジ、スタントン、ギャロの大型扇風機クリーンアップとかクッソ楽しいでしょ。しかも、ギャロは3B、LF、1Bを卒なく守れる上に左打者なのでヤンキースのチーム状況にはそこそこハマってるんですよね。
内野手(1B・DH)
FA市場は曲者揃い。チーム状況的にはDHが空いていますがスタントンを引き続きDHで起用することやアンドゥハーをDHに転向させること、ボイトとバードを1B&DHで同時に起用することなど様々なオプションが考えられます。
個人的には守備の上手いスタントンに出来るだけレフトを守らせてほしいんですけど、ボイトとバードに加えてさらにDH専門の選手を補強するとは思えないのでここはパスで。
ちなみに、ARIがファイヤーセールを画策しておりポール・ゴールドシュミット(来季年俸1450万ドル)がトレード市場に出てくる可能性が大。また、CWSのホセ・アブレイユも放出の可能性大。
あとキャッチャーはこのままサンチェス&ロマインで行くとしてとりあえずパス。
外野手
上でも述べたように守備の上手いスタントンはできるだけLFで起用してほしいところですが、スぺ体質を考えるとDHでの休養も必要不可欠。また、控え候補のクリント・フレイジャーはセンターを守るのは厳しそうで、場合によってはヒックスの代わりにセンターを守れると嬉しいところ。
そしてFA市場においてこのポジションでの注目はやはりハーパー、マカッチェン、ガードナーの3人。ちなみに、ガードナーには1年1250万ドル(バイアウト200万ドル)のチームオプションがあります。
まず、ハーパーですが故障歴や成績の不安定さ、ここ数年の守備力の低下を考えるとハーパーファンの自分からしても契約は止めてほしいところ。そもそもスタントンの超大型契約(加えてエルズベリー)を抱えているのにさらに同じ外野手と10年クラスの契約を結ぶとは考えにくいので、まあハーパーとの契約はないでしょう。
次にマカッチェンとガードナーですが、すでにセンターを守れるほどの守備力がないマカッチェンは😰。そもそもマカッチェンはなんだかんだ言ってまだ32歳ですから3年ぐらいのメンドクサイ契約になりそうで避けてほしいところ。するとヤンキースでの実績がある、センターを守れる、右投手に強く左投手に弱い、契約年数が短くて済む、若手中心の野手陣でリーダーシップを獲れる選手が必要などの様々な要素を考慮するとガードナーを残留させるのがいいかと思います。そうすれば右投手先発時にはLFガードナー&DHスタントン、左投手先発時にはLFスタントン&DHフレイジャーという起用法になるのではないでしょうか。
ここで1年1250万ドル(バイアウト200万ドル)のチームオプションを行使するかFAで契約するか問題ですが、FAの方が安くつきそうな気がしますし一応他の補強プランへの猶予もできるのでとりあえずオプションは破棄するのがいいのでは?ただ、rWAR=2.8&fWAR=2.5と結構いい数字を残しているので契約金額予想は難しいですよね。とりあえず2年1500万ドルぐらいにしておきますか。
トレード市場だと来年オフにFAとなるPITのコリー・ディッカーソン(来季推定年俸900万ドル)が面白い存在。
先発投手
ヤンキースにとっては今オフ最重要の補強ポイント。サバシア、ハップ、リンがFAとなり恐らくグレイもトレードで放出されるでしょう。よって計算できる先発投手はセベリーノと田中のみとなります。(シェフィールドはコマンドが未完成&MLBでのパフォーマンスがイマイチ、ロアイシガは故障が多い、アダムスは球速が戻らない限り先発は無理、モンゴメリーは早くても復帰は後半戦)
左投手が豊富なFA市場ですが昨オフにヤンキースがARIとトレード交渉を行ったパトリック・コービンが最有力候補。今年になって突然成績が急上昇した選手なので予想は難しいですが、6年1億3000万ドルぐらいじゃないでしょうか。
反対的に今年でヤンキース10年目の節目を迎えていたサバシアは後半戦に成績を落とし今月には膝の手術を受けています。もう38歳ですしここが切りどころかもしれません。ただ、ガードナーのように投手陣のリーダー的存在だったことは気になりますし、本人もヤンキースと最優先で契約しようとするでしょうから金額を抑えられそう。そもそも先発5番手ならシーズン100イニング程度でOKですしポストシーズンに投げさせることもないですからサバシアでも大丈夫かと。ということで先発5番手として1年600万ドルで契約と予想。ただ、シェフィールドやロアイシガを先発ローテに入れるorシーズン途中に先発投手を補強したときにサバシアだとグレイのようにリリーフに転向させられないのが気になりもしますけど。
加えてもう一人先発投手が必要ですが、今シーズン途中移籍してきてからヤンキースで実績を残したJ.A・ハップがやっぱり一番現実的。もう36歳なので契約年数は短めで契約金額は2年3000万ドルぐらいが妥当。
また、他の候補だとSFのマディソン・バンガーナー(来季オフFA、来季年俸1200万ドル)をトレードで獲得するのも面白いプランでは。保有期間はたった1年ですしPSでの実績がある先発投手の必要性はこの2年間のPSで身に染みて分かりました。(ただこの2シーズンは故障などもあり成績が降下中)
リリーフ
ヤンキースの最優先事項はデビッド・ロバートソンとの再契約となるはず。何故かロバートソンは代理人を解雇して自分でFA交渉を行うようですが、年齢も考えると適正価格は3年3000万ドルぐらい。
ロバートソンは代理人無しでFAに挑むとのこと
David Robertson To Be Self-Represented In Free… https://t.co/mQB5IusqMQ
— Teddy Ballgame (@ironhorse0619) 2018年10月12日
もう一人リリーフ投手が欲しいところですがやはりブリットンがその第一候補になってきますよね。ただ、ここ2年間は制球難で不安定ですし実力以上の高値が付きそうな雰囲気があり自分は契約に反対。
すると候補は山ほどいますが右左のバランス的に左投手が理想的なので、2015年にヤンキースでプレーして左投手のジャスティン・ウィルソンと2年1200万ドルで契約と予想。
まあ、もう少し金を出して同じく元ヤンキース所属でPSにおいても実績が抜群のアンドリュー・ミラーでも面白いですし、BOSの戦力を削るという意味でキンブレルを強奪する可能性も0ではないかな。
そもそもFA注目選手を全体的に見てみるとオッタビーノ以外は今シーズンに劣化が見えた選手ばかりなので、トレードで補強する方がいいのかも。そうなると左投手だとSDのブラッド・ハンド、PITのフェリペ・バスケス、SFのトニー・ワトソン辺りが注目ですよね。
ここまでの予想をまとめると、 ()内は来季年俸
ニック・アーメド(300万ドル)
ブレット・ガードナー(800万ドル)
パトリック・コービン(2000万ドル)
J.A・ハップ(1500万ドル)
CC・サバシア(600万ドル)
デビッド・ロバートソン(1000万ドル)
ジャスティン・ウィルソン(600万ドル)
合計6800万ドル
野手
C :ゲーリー・サンチェス
1B:ルーク・ボイト
2B:グレイバー・トレース
3B:ミゲル・アンドゥハー
SS:ニック・アーメド
LF:ブレット・ガードナー
CF:アーロン・ヒックス
RF:アーロン・ジャッジ
DH:ジャンカルロ・スタントン
ベンチ
C :オースティン・ロマイン
1B:グレッグ・バード
SS:ロナルド・トレイエス
OF:クリント・フレイジャー
投手
先発
1:ルイス・セベリーノ
2:パトリック・コービン
3:J.A・ハップ
4:田中将大
5:CC・サバシア
リリーフ
1:アロルディス・チャップマン
2:デリン・ベタンセス
3:デビッド・ロバートソン
4:チャド・グリーン
5:ジョナサン・ホルダー
6:ジャスティン・ウィルソン
7:スティーブン・タープリー
とにかくここまで予想してきて分かったことはマニー・マチャドやブライス・ハーパーを獲得してしまうと投手陣の整備が予算的に厳しくなるということ。野手にはすでに好打者が揃っていますから今回の予想のように野手の補強はそこそこにして投手の補強に力を入れてほしいところです。
コメント
NYYファンからしたらハーパーの獲得は良い意味でも悪い意味でもハラハラしますが特段、贔屓の球団が無い私にとっては、傍から見ればスタントン、ジャッジ、ハーパーの並びはとても魅力的ですね。私以外でも見てみたい人は多いんじゃないでしょうか。2015年に残したスタッツを維持していれば話は別ですが、ハーパーの成績の下降ぶりとNYYの現状を考えたら実現は無さそうですね、残念。
ヒックスが来オフFAなので、ハーパーがセンターをまともに守れるなら可能性はあったんでしょうけど・・・。マチャドにしても今オフはスルーしてアンドゥハーに1年の猶予を与える。ダメなら来オフFA予定のアレナドorレンドンを狙うという流れでやってほしいです。