山本 由伸がチンタラ交渉を行うおかげで、停滞しているMLB補強市場。
他の選手を顧みない自己中な東洋人へ神の裁き(TJS)を!
パドレスとのトレード
それぞれのパッケージを金額に単純換算すると、NYYが$20M程度損しているトレードですが、代替の補強オプションが数多ある先発投手(キング、ソープ)とロースターの余剰要員(ブリート、バスケス、ヒガシオカ)との交換によって、今オフ最大の課題だったCFとLFの補強を両立させるリーズナブルなムーブ。
イ・ジョンフが$100M超を手にするほどFA市場が高騰していることも考えると、競争率が低い早い段階でトレードが纏まったのはラッキーでした。
ヤンキース | 🔁 | パドレス |
フアン・ソト | マイケル・キング | |
トレント・グリシャム | ドリュー・ソープ | |
ジョニー・ブリート | ||
ランディ・バスケス | ||
カイル・ヒガシオカ |
ただ、こうなってくるとアレックス・ベルドゥーゴは明らかに不要。
現在はLF:ソト、CF:ジャッジ、RF:ベルドゥーゴ、控え:グリシャムの起用が有力視されていますが、グリシャムは控えで起用するようなレベルの選手ではなく、そもそもベルドゥーゴより貢献度が高いプレーヤー。
ジャッジのCF守備が怪しくなっているため、CF:グリシャム、RF:ジャッジ、控え:ベルドゥーゴが正解でしょう。
シーズン後半戦にジェイソン・ドミンゲスの出場機会を確保しないといけない事も考えると、なおさらベルドゥーゴの必要性を感じません。
SDP側が放出を希望していたと言われるグリシャム。単にNYYが第4の外野手レベルにしか思っていないのか、ソト単独のつもりでベルドゥーゴ獲得するもSDPとの交渉でグリシャムをパッケージに加えざる負えなかったのか、FA市場にてベリンジャーやイ・ジョンフの争奪戦に敗れたチームへの横流しを目論んでいるのか….2日続けて外野手補強トレードをかました真意は果たして?
ドジャースとのトレード
大谷 翔平、ジョー・ケリー獲得によってロースターに空きが無くなったLADは、MLBロースター上のプレーヤー放出を画策。
そこで白羽の矢が立ったのがNYYでした。
ルール5ドラフト対象まで1年を残すトレイ・スウィーニーとの交換で、内野手プロスペクトJorbit Vivas(ヨービット・ビバス)と今オフから年俸調停の対象となるリリーバーのビクター・ゴンザレスを獲得。
SDPとのトレードでMLBロースターを2スポット確保していたため、本トレードによってMLBロースターは37/40に。3スポットもあれば投手補強に余裕が生まれますね。
ヤンキース | 🔁 | ドジャース |
ヨービット・ビバス | トレイ・スウィーニー | |
ビクター・ゴンザレス |
ビバスはスウィーニーより僅かに下位のプロスペクトとなりますが、ゴンザレスはのバリューはその差以上。
AAで足踏みをしたスウィーニーとは異なりAAAまで到達済みのビバスであれば、オズワルド・ペラザやオズワルド・カブレラが再びコケた場合に、代替の控え内野手となり得ます。
極端にRHPが得意なLHBなので、RHB偏重のNYY内野陣にもマッチすることでしょう。
ペイロールと贅沢税
2つのトレードを経て、NYYの現ペイロール状況は下記の通りに。
人数 | 総額(ドル) | |
来季年俸確定 (贅沢税対象分) |
7 | 1億7360万 (1億6580万) |
年俸調停(予想) | 10 | 8110万 |
最低年俸 | ? | 860万 |
マイナーリーガー | ? | 250万 |
契約負担 (贅沢税対象分) |
2 (1) |
1480万 (930万) |
年俸合計 | — | 2億8100万 |
その他(福利厚生費) | — | 1700万 |
贅沢税対象 (AAV総年俸) |
— | 2億8400万 |
年俸制限 | — | 2億3700万 |
超過額 | — | ▲4600万 |
これから投手補強に手を付けるのでしょうが、既に今シーズンと大きく変わらぬ数字となっており、補強市場で大きな動きを見せていないNYMを逆転してペイロールMLBトップに。
ちなみに、NYYが最後にペイロールでMLBトップとなったのは暗黒期に突入した2013年シーズン。
もし、山本 由伸を獲得するようなことがあれば11年ぶりのMLBトップ返り咲きは確実でしょうね。
過年度との比較
年度 | 総年俸 | 贅沢税 | 合計 | インフレ補正 |
2017 | 208.4 | 15.7 | 224.1 | 294.9 |
2018 | 182.7 | 0 | 182.7 | 234.7 |
2019 | 226.0 | 6.7 | 232.7 | 293.5 |
2020 | 250.0 | 24.7 | 274.7 | 342.3 |
2021 | 203.6 | 0 | 203.6 | 242.3 |
2022 | 249.0 | 9.4 | 258.4 | 282.5 |
2023 | 279.0 | 28.7 | 307.7 | 321.0 |
2024 | 280.6 | 29.3 | 309.9 | 309.9 |
2023~24年シーズンは大きくペイロールを増やしたように思えるかもしれませんが、上表のようにインフレを考慮すると、(贅沢税リセットイヤーを除き)以前からの増分は数千万ドル程度。
ただ、ヤンキー・スタジアムの入場料収入やYES Networkの収益の伸び悩みを考えると、チーム総収益に対するペイロール支出の割合はそれ以上に高まっている可能性も。
長期的ペイロール観測
選手名 | 年俸(百万ドル) | ||||
2024 | 2025 | 2026 | 2027 | 2028 | |
アーロン・ジャッジ | 40 | 40 | 40 | 40 | 40 |
ゲリット・コール | 36 | 36 | 36 | 36 | 36 |
フアン・ソト | 33 | ||||
ジャンカルロ・スタントン | 32 | 32 | 19* | 15* | |
カルロス・ロドン | 22 | 27 | 27 | 27 | 27 |
アンソニー・リゾー | 17 | 17* | |||
グレイバー・トーレス | 15 | ||||
DJ・ラメイヒュー | 15 | 15 | 15 | ||
アーロン・ヒックス | 9.8 | 9.8 | 1.0* | ||
アレックス・ベルドゥーゴ | 9.2 | ||||
クレイ・ホームズ | 6.0 | ||||
ジョシュ・ドナルドソン | 6.0* | ||||
トミー・ケインリー | 5.8 | ||||
トレント・グリシャム | 4.9 | 7 | |||
ホセ・トリビーノ | 2.7 | 4.5 | |||
クラーク・シュミット | 2.6 | 4.5 | 7.5 | ||
ジョナサン・ロアイシガ | 2.5 | ||||
ビクター・ゴンザレス | 1.0 | 1.7 | 2.8 |
※年俸調停対象選手の2025年以降の年俸は概算のため成績によって増減。
※スタントン:マーリンズが1年当り10Mを負担
※ドナルドソン:2024年球団オプション16Mのバイアウト
※リゾー:2025年球団オプション1700万ドル(バイアウト600万ドル)
※ヒックス:2026年球団オプション12.5Mのバイアウト
FAスケジュール
野手 | 投手 |
2024年シーズン終了後FA | |
フアン・ソト | クレイ・ホームズ |
アンソニー・リゾー | トミー・ケインリー |
グレイバー・トーレス | ジョナサン・ロアイシガ |
アレックス・ベルドゥーゴ | |
2025年シーズン終了後FA | |
トレント・グリシャム | ネスター・コルテス |
ホセ・トレビーノ | |
2026年シーズン終了後FA |
|
DJ・ラメイヒュー | ビクター・ゴンザレス |
来オフは内外野、ブルペンから主力が多数FAとなり、$90M弱のペイロールが浮く予定。
ソトとベルドゥーゴが流出するとはいえ、ジェイソン・ドミンゲスが復帰後に期待値通りの数字を残せば、彼に加えてジャッジ、グリシャムで外野は埋まる予定で、反対に内野手が来オフのメインターゲットとなるでしょう。
また、ゲリット・コールも来オフにオプトアウト権を保有していますが、2029年球団オプション1年$36Mを行使すれば防ぐことができるので、現時点で特に心配する必要はありません。
恐らく今オフ中に先発投手を補強するでしょうから、来オフの投手陣補強についてはブルペンが優先事項となります。
ただ、現時点で2~3年後に契約満了となる高年俸選手はヒックスとラメイヒューしかおらず、ボルピ―以外に誰かしらプロスペクトがレギュラーの座を掴まないと地獄。
戦力分析
次に成績予測をベースとして戦力分析に移ります。
オフ開始時は83勝81敗予測でしたが、ZiPSやSteamerにてMVP最有力級のプロジェクションを叩き出しているソトの加入によって大幅に底上げ。
ただ、グリシャムとベルドゥーゴが出場機会を分け合うことにより、費やしたリソースほどの上積みは得られず。
やはり、無難に地区優勝を争うにはボルピ―のブレイクが必要不可欠に感じます。
野手陣
POS | 選手名 | 予測値 | |
PA | WAR | ||
C | ホセ・トレビーノ | 300 | 1.7 |
1B | アンソニー・リゾー | 520 | 1.3 |
2B | グレイバー・トーレス | 620 | 2.9 |
3B | DJ・ラメイヒュー | 570 | 1.8 |
SS | アンソニー・ボルピー | 580 | 2.5 |
LF | フアン・ソト | 640 | 4.9 |
CF | トレント・グリシャム | 360 | 1.5 |
RF | アーロン・ジャッジ | 590 | 5.5 |
DH | ジャンカルロ・スタントン | 450 | 0.8 |
控え選手 | |||
C | オースティン・ウェルズ | 340 | 1.1 |
IF | オズワルド・ペラザ | 180 | 0.4 |
IF | オズワルド・カブレラ | 210 | 0.3 |
OF | アレックス・ベルドゥーゴ | 410 | 1.2 |
OF | ジェイソン・ドミンゲス | 230 | 0.5 |
合計 | 6000 | 26.3 |
投手陣
POS | 選手名 | 予測値 | |
IP | WAR | ||
SP | ゲリット・コール | 192 | 3.7 |
SP | カルロス・ロドン | 138 | 2.4 |
SP | ネスター・コルテス | 126 | 1.8 |
SP | クラーク・シュミット | 149 | 1.2 |
SP | ウィル・ウォーレン | 116 | 0.9 |
SP | クレイトン・ビーター | 130 | 0.5 |
RP | クレイ・ホームズ | 64 | 1.1 |
RP | イアン・ハミルトン | 60 | 0.6 |
RP | ジョナサン・ロアイシガ | 51 | 0.4 |
RP | トミー・ケインリー | 55 | 0.4 |
RP | スコット・エフロス | 45 | 0.3 |
RP | ニック・ラミレス | 54 | 0.3 |
RP | ビクター・ゴンザレス | 50 | 0.3 |
RP | ロン・マリナチオ | 54 | 0.1 |
RP | マット・クルック | 50 | 0.0 |
RP | ルイス・ヒル | 38 | 0.0 |
合計 | 1368 | 14.0 |
ローテ3番手のネスター・コルテスと変わらぬ数字を見込まれていたマイケル・キングを放出したことで投手陣は弱体化。
プロジェクション上ではMLB経験の無いプロスペクトを組み込んでいますが、実質的に先発ローテには4人しかおらず、先発投手補強は必要不可欠に。
ポジション | 予測WAR | 増減 | |
当初 | 現在 | ||
捕手陣 | 2.7 | 2.8 | +0.1 |
内野陣 | 9.2 | 9.2 | ±0.0 |
外野陣(+DH) | 8.3 | 14.4 | +6.1 |
先発陣 | 11.1 | 10.5 | -0.6 |
リリーフ陣 | 3.6 | 3.5 | -0.1 |
合計 | 34.9 | 40.4 | +5.5 |
WAR→勝敗換算 = 88 勝 74 敗(勝率.543) |
というわけで、MLBトップクラスの野手陣を揃えたにもかかわらず、投手陣が弱体化したおかげで、リーム全体の予測成績は88勝止まり。
昨オフはジャッジとロドンの契約を纏めた時点で97勝予測だったわけで、ソトを獲得した上でこの数字に留まっているとなると、もはや敗北感すら感じます。
今後について
現状としてNYYは先発投手補強に注力しており、山本 由伸争奪戦の最前線で戦っていますが、すでにBOSとSFGが総額$300M以上のオファーを行ったとの噂で、NYMやLADのオファーも同規模となっているはず。
FA市場(スネルやモンゴメリー)だけでなくトレード市場(バーンズやシーズ)でも数多の先発1~2番手級が控えている中、4つもの金満球団をねじ伏る形で(ポスティング料も含め)総額$350~400Mを費やすべきだとは全く思えません。
まあ、山本の去就が決まらない限り先発投手市場は動かないので、争奪戦の終戦を待つしかないんですけど。
ただ、山本を逃したら、それはそれで今永 昇太に$100M程度かましそうですけど…。
順当にグリシャム or ベルドゥーゴ横流しや完全な余剰要因となったエバーソン・ペレイラ放出を主体とするトレード補強を繰り広げてほしいものです。
コメント
ヒル、クルックあたり、スゥイングマンこなせますか?
KrookはすでにAAAでショートイニング起用が定着しているので今さら無理じゃないですか。RHB並べられたら終わりですし。
Gilはリハビリ登板でも50球制限で投げていたので、STやAAAでSPを再び試すかもしれませんね。
フロリアルさんはどうなってしまうでしょうか…
COLで第2のRaimel Tapiaになります。
5球団渡り歩いて、NPB?
処でフォードたんは、来シーズンこそ日本で
みれますか、
前年にMLBで120wRC+残したバッターがNPB入りした例ってありましたっけ?