今年もMLBドラフト(現地時間7月14日~16日開催)に向け、全体26位指名権を持つNYYの指名候補をリストアップしていきたいと思います。
過去の1巡目指名選手
年度 | 順位 | 選手名 | PO | HS/CO |
2023 | 26 | George Lombard Jr. | SS | HS |
2022 | 25 | Spencer Jones | CF | CO |
2021 | 20 | Trey Sweeney | SS | CO |
2020 | 28 | Austin Wells | C | CO |
2019 | 30 | Anthony Volpe | SS | HS |
38 | T.J. Sikkema | LHP | CO | |
2018 | 23 | Anthony Seigler | C | HS |
2017 | 16 | Clarke Schmidt | RHP | CO |
2016 | 18 | Blake Rutherford | CF | HS |
2015 | 16 | James Kaprielian | RHP | HS |
30 | Kyle Holder | SS | CO |
ここ5年間は野手指名に注力した結果、指名順位の期待値を上回る成果を獲得。
そのため今年も一般的には野手指名が見込まれていますが、昨年のドラフトでは高校生投手を熱心にスカウトしており、今年もその方針が続く可能性も。
とは言っても最近のチーム運営を見る限り、現在のNYYフロントは投手プロスペクトをトレードの駒としか考えていないように思えますけど…。
Malcolm Moore
マルコム・ムーア:20歳11ヶ月(2003年7月生)
188cm:L/R:スタンフォード大学:C
Draft Prospect Rankings |
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メディア | 順位 | 更新日 |
Baseball America | 19位 | 4/24 |
MLB.com | 32位 | 4/24 |
Joe Doyle | 17位 | 4/15 |
ESPN | 11位 | 2/23 |
The Athletic | 14位 | 4/18 |
Perfect Game | 42位 | 4/4 |
Mason MacRae | 37位 | ー |
Azad Earl | 69位 | 2/22 |
2022年ドラフトにおいてNo.1高校生キャッチャーと目されていたトッププロスペクトで、プロ入りに目を向けることなく名門スタンフォード大学へ進学。
1年目となる2023年シーズンは6番正捕手として開幕を迎えると、攻守に渡って期待通りの好成績を残し、順当にFreshman All-American Team及びPac-12 Freshman of the Yearに選出。
Year | Age | Tm | Lg | G | PA | H | HR | SB | BB | SO | BA | OBP | SLG | OPS |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2023 | 19 | Stanford | P12 | 64 | 298 | 80 | 15 | 3 | 21 | 50 | .311 | .386 | .564 | .950 |
2024 | 20 | Stanford | P12 | 39 | 179 | 34 | 13 | 0 | 35 | 20 | .250 | .425 | .574 | .998 |
今シーズンは低BABIP(.202)に苦しんでいるものの、パワーナンバーそのままにK/BBが大きく良化。
課題とされる守備においても数字を伸ばしています。
この様子だとアーリーエントリーによるプロ入りは確実で、NYYの指名順位(全体26位)まで残る可能性は高くありませんけど、傘下のデプス的には若いLHBのキャッチャーが欲しいところ。
Hit | Power | Run | Arm | Field |
45 | 50 | 45 | 50 | 45 |
CHC時代のKyle Schwarberを彷彿させる独特なスタンスから広角にパワーを発揮。
典型的なファストボールヒッターであり、速球系に対しては並みはずれたコンタクトスタッツを残していますが、裏を返せば変化球へのアプローチが懸念材料。
昨シーズン残した73.3 Con%・86.6 Z-Con%・29.6 Chase%・104.9 mph 90th EVは何れも向上しているはずで、特にここ1週間程度は固め打ちを見せています。
また、キャッチャー守備はレシービング、送球共にフリンジ~平均レベルの評価を受けており、プロレベルでも同ポジションに留まることができるかは意見が分かれている状態。
ただ、60ヤード走や10ヤードスプリットにて平均超のタイムを残すなどキャッチャーとしては俊足と呼べる存在で、RF/LFへのコンバートも十分に可能かと。
正しくアリゾナ大学時代のAustin Wellsの上位互換といった印象です。
A look at Dasan Hill (@DasanHill) today in front of @FiveToolTexas. The LHP goes 3.1 IP striking out 8 with 3H. Worked four pitches and had some nasty stuff.
FB: 92-95
CB: 77-79
SL: 80-82
CH: 81-82
Pocket Radar Five Tool #90Club@Gvinebaseball (TX) 2024 • @DBU_Baseball signee… pic.twitter.com/dwEdNXkLAs— Five Tool Baseball (@FiveTool) March 8, 2024
Dasan Hill
デイサン・ヒル:18歳6ヶ月(2005年12月生)
193cm:グレイプバイン高校(テキサス州):SP/LHP
Draft Prospect Rankings |
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メディア | 順位 | 更新日 |
Baseball America | 55位 | 4/24 |
MLB.com | 45位 | 4/24 |
Joe Doyle | 80位 | 4/15 |
ESPN | ー | 2/23 |
The Athletic | ー | 4/18 |
Perfect Game | 50位 | 4/4 |
Mason MacRae | ー | ー |
Azad Earl | ー | 2/22 |
高校生投手天国テキサス州にて最も高い評価を受ける大型左腕。
昨年に参加したPGのSummer ShowcaseやArea Code Baseballでは突出することはできず、コミット先もテキサスA&M大やテキサス工科大など強豪校ではなくテキサス・バプティスト大となっていますが、今年に入り球速バンプを経験し評価上昇中。
現時点の評価は2~3巡目クラスに留まっているものの、個人的にはドラフトまでに1巡目クラスまで上昇すると見込んでいます。
高校生投手に1巡目指名権を費やすべきだとは思いませんが、先述したようにNYYは昨年のドラフトにおいて高校生投手のスカウティングに注力しており、1年越しの高校生投手指名もあり得るのではないでしょうか。
FB | SL | CB | CH | Cmd |
55 | 50 | 40 | 45 | 40 |
FB/be | FB/vel | SL/vel | CB/vel | CH/vel |
97 | 92~94 | 81~82 | 76~78 | 80~82 |
メカニクスはBrock Selvidgeに似通っており、リピート性に欠けるもののアームスピードは俊逸。
メカニクスだけでなくFFとSLのプロファイルも現在のSelvidgeそっくりで、昨年Max 95 mph、Avg 90~92 mphに留まっていたFF(ナチュラルSI?)の球速は今年に入りMax 97 mph、Avg 92~94 mphを計測。スピンレイトも最大2700 rpm弱に達します。
2600 rpmを超えるSW気味のSLはプラスピッチのポテンシャルを秘める決め球。
ハイスピンタイプのCHも一貫性欠けると言え、コンスタントに大きな変化を見せています。
また、今後の肉体改造とメカニクス改良によって、球速は更に伸びることでしょう。
Vance Honeycutt
ヴァンス・ハニーカット:21歳1ヶ月(2003年5月生)
190cm:R/R:ノースカロライナ大学:CF
Draft Prospect Rankings |
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メディア | 順位 | 更新日 |
Baseball America | 12位 | 4/24 |
MLB.com | 23位 | 4/24 |
Joe Doyle | 22位 | 4/15 |
ESPN | 8位 | 2/23 |
The Athletic | 32位 | 4/18 |
Perfect Game | 10位 | 4/4 |
Mason MacRae | 2位 | ー |
Azad Earl | 6位 | 3/12 |
高校時代はPerfect Gameにて8 Gradeに格付けされるなど高い評価を得られず、SFGの20巡目指名(2021年ドラフト)を蹴って、地元の強豪校ノースカロライナ大学へ進学。
1年目(2022年)から期待を大きく上回るパフォーマンスを披露し、4番CFとして25 HR/29 SBと新人離れした成績を記録。Freshman All-American Teamの常連となり、Tommy WhiteやChase BurnsとFreshman of the Yearを争いました。
この時点では2024年ドラフト全体1位最有力候補の1人と目されていましたが、翌20203年シーズンはスランプに陥りカンファレンス平均強のOPSを記録。当然ながら将来性とドラフトでの最上位指名を疑問視をする声も高まる形に。
Year | Age | Tm | Lg | G | PA | H | HR | SB | BB | SO | BA | OBP | SLG | OPS |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2022 | 19 | North Carolina | ACC | 64 | 303 | 73 | 25 | 29 | 41 | 90 | .296 | .409 | .672 | 1.082 |
2023 | 20 | North Carolina | ACC | 50 | 250 | 49 | 12 | 19 | 49 | 51 | .257 | .418 | .492 | .910 |
2024 | 21 | North Carolina | ACC | 41 | 201 | 52 | 16 | 22 | 26 | 56 | .313 | .417 | .675 | 1.092 |
そして、肝心の今シーズンも打撃パフォーマンスは(現時点で)2022年の水準に達しておらず、評価のバラツキも日に日に大きくなる一方。
まだまだ1巡目前半での指名予想が過半数を占めてはいるものの、今後の成り行き次第ではNYYの指名順位(全体26位)まで売れ残る可能性は無きにしも非ず。
Hit | Power | Run | Arm | Field |
40 | 55 | 60 | 60 | 60 |
バットコントロールに大きな課題を抱えており、NCAA通算26.2 K%は危険水準。
昨シーズンはパワーとコンタクトのトレードオフを行い、78 Con%・86.1 Z-Con%・14.9 Chase%・105.4 mph 90th EVを残していますが、 今シーズンはCon%↘・EV↗の傾向を示しているようです。
コンスタントに110+ mph EVを計測するパワーは平均超。
恐らくドラフト本番まで評価が定まらないであろうバッティングとは対照的に、守備走塁の3ツールは何れも一貫としてプラスの評価を受けており、特にCF守備に関してはNCAA最高級との評も。
Drew StubbsやJud Fabianと比較されることが多く、守備走塁のおかげでフロアーはそこそこ。
早生まれのおかげで若い点も魅力。