ヤンキースがマリナーズから有望株二人を獲得!


 

ヤンキース        マリナーズ 

   JP・シアーズ        ⇔       ニック・ランベロウ
   ホアン・ゼン

 今日、ヤンキースはマリナーズとのトレードでリリーフピッチャーのニック・ランベロウを放出し、プロスペクト二人を獲得しました。ルール5ドラフトが近づいており、リリーフの選手層は厚いですし、40人ロースターに入っているランベロウを放出して枠を開けたかったのでしょう。
 シアーズはFangraphsのコラムで目にしたことがありましたが投球を観たことは無し、ゼンは全く知りませんでしたが(名前の発音もゼンで合っているのかは微妙)、ある程度調べてみたので記しておきます。
↓ランベロウ成績

JP・シアーズ
21歳/180㎝・82㎏/左投リリーフ/A
2017年11巡目(全体333位・マリナーズ)
 
 大学時代は先発としてプレーしていて、3年目に好成績を残しマリナーズにドラフト指名され入団。プロ入り後はリリーフに転向し、A-とAで17試合、防御率0.65、奪三振率16.6という驚異的な好成績を残しています。その活躍ぶりはこのFangraphsのコラムでも取り上げられています。
 MLB.comとBaseball Americaでのスカウティングレポートをまとめてみると、
「最速93マイル、平均88~91マイルの速球はスピードこそないものの、低めのスリークォーターから投げ込まれ打者を欺き、プレートの両側に効果的に投げ分けられる。70マイル台のスライダーが決め球で、第2の変化球はチェンジアップ、どちらも平均以下だが将来平均レベルまで成長するポテンシャルがある。」
 成績と試合映像を観た感じでは、コマンドは平均以下で良し悪しがハッキリと分かれ、良い日は積極的にストライクゾーンに速球を投げ込んでいきます。とりわけ高めの速球の使い方が好印象で、やはり球速以上の効果があるのか簡単に空振りを奪っていました。スライダーは平均~平均位以上のポテンシャルを秘め、チェンジアップはイマイチです。奪三振率だけでなくゴロ率も非常に高いのも好印象で、将来的にはチェイセン・シェリーブのように左のワンポイントとしてならMLBでも期待できるかもしれません。
 ちなみにトレード前は、MLB.comのSEAチーム内プロスペクトランキングで21位にランクインしており、より有望株の層が厚いNYYではランクインしていません。

ホアン・ゼン
17歳/183㎝・71㎏/右投先発/ROK
2016年ドラフト外(マリナーズ・契約金7万7500ドル)
MLB.comチーム内プロスペクトランキング・28位
 
 
 今年の2月で17歳になったばかりのプロスペクト。まだDSLでしか投げていませんが、好成績を残しているようです。投球映像がほとんど無く評価しようがないので、シアーズと同様にMLB.com、Baseball America、Fangraphsのスカウティングレポートをまとめました。
「体格はまだまだ完成されていないものの、スムーズな投球フォームから最速94マイル、平均89~91マイルの速球を投げる。決め球のチェンジアップは将来プラス・ピッチのポテンシャルを秘め、第2の変化球カーブも平均以上まで成長すると期待できる。コマンドも今のところは問題なし。マリナーズ傘下のマイナー所属投手では天井だけなら1番かもしれない」
 総合的にみると速球、チェンジアップ、カーブ、コマンドの4ツール全てで17歳としては平均以上、体格が順調に成長すればトッププロスペクトの仲間入りも期待できそうな感じですね。
 
 ちなみにトレード後に、NYYのチーム内プロスペクトランキングの28位にランクインしており、シアーズよりも上の評価を受けているようです。
 

 ランベロウはトミージョン手術復帰後にマイナーで好成績を残していますが、立場的にはジョナサン・ホルダーと
被っていますし、40人ロースターの枠を開けたい。さらにヤンキースはリリーフの層がMLBトップクラスですから、ランベロウの放出はほぼノーダメージ。その対価にこのクラスの有望株をもらえるんですから、このトレードは成功ですね。