「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」の興行収入予想


 アメリカにおいて、フォースの覚醒は北米歴代一位の9億3200万ドル、ローグワンは2016年トップの5億3200万ドルという予想以上の成功を収めました。当然今年の最後のジェダイも年間No.1の大ヒットは間違いなしでしょう。そこで今作の興行収入予想を行ってみます。

(アメリカでは毎年物価が上昇しており数年以上前の映画と今の映画の興行収入を絶対数で比較するのはほとんど意味がないことは了承済みの上で予想しています)
 公開直前の興行収入予想はBox Office Mojoが、そして公開数週間前~数ヶ月前の予想はboxofficeproの予想が有名ですが、boxofficeproの予想は、

初週週末:2億1500万ドル  最終興行収入:7億4200万ドル

 ちょうどローグワンとフォースの覚醒の間ぐらい、北米歴代2位のアバターにわずかに届かない数字となっており、可もなく不可もない感じですね。ただここの予想はフォースの覚醒は7億600万ドルでしたし、ローグワンも最初は4億500万ドル、公開1か月前程に上方修正して4億6000万ドルとしていて、実際の数字よりも過小評価してしまっていたので作品の出来さえよければ7億ドル台後半を期待できるかも。
 
 ただ例年、年末の公開作はアカデミー賞狙いの作品が多いかわりに、大作映画+人気映画の層は薄いのですが、今年は最後のジェダイの同週に「ファーディナンド」、次週に「ジュマンジ」、「ピッチパーフェクト3」、「グレイテスト・ショーマン」と子供・女性・ファミリー向けの高い興行収入が狙える作品が公開予定でフォースの覚醒&ローグワンのように順調には行かないでしょう。ここら辺を踏まえると初週は良い数字が出ても2週目以降は前2作のように伸びないのではないでしょうか。また内容が帝国の逆襲のように暗い話になりそうなこと+出演者たちの話からフォースの覚醒ほどの高評価を受けるか微妙なこともマイナス要素。これらを踏まえたうえでの私の予想は、


初週週末:2億500万ドル  最終興行収入:6億9000万ドル


とします。この数字はインフレ補正無しの絶対数で考えると、歴代3位の数字となります。


 また全世界興行収入(アメリカ国外+アメリカ国内)も考えてみましょう。スター・ウォーズはアメリカにおいて最も興行収入の多い映画シリーズで圧倒的な人気を40年間維持している驚異的な作品です。ただアメリカ国外では国内と比べて人気は低く、とりわけ超ドル箱市場の中国で人気がないのが大きな痛手となっています。日本でも大して人気ないですし。これらの主な理由としては2つ、

1977年~1983年のエピソード4~6は公開時にアメリカでは社会現象を起こしましたが、当時はハリウッドの大作を今のようにアメリカ海外で大々的に公開する体制が完成されていなかったので、この時期に海外ではスター・ウォーズ人気が定着しなかった。そのため駄作だったエピソード1~3のイメージが強くなってしまっている。
(実際に日本で「好きなスター・ウォーズ作品は?」というアンケートが行われたとき、ハリウッド映画史に残る名作でありスター・ウォーズシリーズ最高傑作の”エピソード5/帝国の逆襲”が最下位になるという異常事態も起こりました。ちなみに1位はエピソード1・・・)

ただただ単純にアメリカ国内と比べてアメリカ国外の映画を見る側の一般人のレベルが低い。
 
が挙げられます。

 そのため通常の大ヒット作は世界興行収入においてアメリカ国外での収入が占める割合は60%~70%程度になるのですが、スター・ウォーズ作品は50%~55%前後になることが多く、最後のジェダイもその範囲に収まるでしょう。よって私の世界興行収入予想は、


アメリカ国外のみ:7億3000万ドル 全世界:14億2000万ドル


とさせていただきます。この数字はインフレ補正無しの絶対数で考えると、歴代7位の数字となります。

注意:アメリカ国外・海外とは書いていますがカナダはアメリカ国内に含めています。