ヤンキースの2023年MLBドラフト1巡目指名候補:その5


2023年MLBドラフトにおけるヤンキースの1巡目指名候補について
2023年シーズン開幕時点におけるニューヨーク・ヤンキースのプロスペクト(有望株)ランキングTOP50を作成

傘下のチンケなプロスペクトで補強したところで焼け石に水だから、TDLでは素直に売り手へ回った方がええよ。



ケビン・マクゴニグル

Kevin McGonigle:2004年8月生:178㎝・85㎏
右投左打:ショート:ペンシルバニア州

ドラフト候補生ランキング
メディア 順位
Baseball America 25位
MLB.com 33位
FanGraphs 19位
ESPN 21位
Prospect Live 21位
Joe Doyle
28位
The Athletic 21位

USA代表として出場したU-18ワールドカップでは抜けたパフォーマンスを残せなかったものの、地元所属リーグやショーケースにおいて着実に数字を残し続け、プロスペクト評価の地盤固めに成功。

高校生で最も完成度が高くアンリスキーなプレーヤーの1人として1巡目指名が有力視される状況。

ただ、プロファイルは全体的にアンソニー・ボルピを彷彿させますが、高校生野手を狙うヤンキースは意外にも彼に重きを置いていない模様で、これまで紹介した高校生野手と比べると指名の可能性は低め。

オーバーン大学にコミット。

Hit Power Run Arm Field
50 45 55 40 45

ヒッティングスキルに関してはありとあらゆるツールを高く評価され、高校球界一のピュアヒッターと称するエバリュエーターも多数。

小柄な体格からパワー面の成長には疑問符が付けられているものの、スイングスピードやEVがさほど劣っているわけではなく、高度なスキルも相まって平均以上に到達するとの見立ても少なくはありません。

何にせよ全体20~30位前後での指名が見込まれる高校生野手は”パワー>コンタクト”タイプのプレーヤーが多く、マクゴニガルのプロファイルは他と一線を画していますね。

優秀な野球IQと平均超の走力を兼ね備えるものの、ショート守備と送球の評価は芳しく、将来的にセカンドへのコンバートが有力。

Season G AB H HR BB K BA OBP SLG OPS
2021 21 80 30 7 22 5 .517 .650 1.034 1.684
2022 27 110 37 11 21 2 .457 .582 .975 1.557
2023 25 100 35 6 32 2 .530 .690 1.045 1.735


ラルフィー・ベラスケス

Ralphy Velazquez:2005年5月生:191㎝・98㎏
右投左打:キャッチャー:カリフォルニア州

ドラフト候補生ランキング
メディア 順位
Baseball America 29位
MLB.com 34位
FanGraphs
ESPN 43位
Prospect Live 45位
Joe Doyle
40位
The Athletic 35位

少年時代にUSA代表としてU-12ワールドカップに出場。

その後も強打のキャッチャーとして年齢離れしたインゲームEVを残し続け、今年に入りハイレベルなイベントでも活躍を見せたことで、ブレイク・ミッチェル(Blake Mitchell)に次ぐ高校球界No.2のキャッチャーとして1巡目指名候補に。

特にヤンキースも含め全体25位~28位の4チームが力を入れているとの噂あり。

アリゾナ州立大学にコミット。

Hit Power Run Arm Field
45 60 40 55 40

シンプルなノーステップ打法と恵まれた体格から110マイル前後のEVを叩き出すパワーヒッター。無理やりリフトをかますタイプではなく、ラインドライブの延長線上がホームランといった印象。

コンタクトスキルがパワーヒッターの及第点に達しているだけでなくアプローチ面も優秀とのことで、個人的なコンプはブライアン・マキャン

鈍足と評されることも少なくはありませんが、60ヤード走タイムや目視測定は意外にも悪くなく、将来的なスピードダウンを加味しても40前後をキープできるのでは?

キャッチャーとして平均超の肩を持つものの、総じて守備評価は芳しくなく、将来的なファーストへのコンバートが確実視されています。


ブレイク・ウォルターズ

Blake Wolters:2004年10月生:193㎝・95kg
右投左打:投手:カリフォルニア州

ドラフト候補生ランキング
メディア 順位
Baseball America 50位
MLB.com 41位
FanGraphs 39位
ESPN 70位
Prospect Live 38位
Joe Doyle
39位
The Athletic 61位

高校進学前後から真剣に野球へ取り組み始めたため名を挙げるのが遅れたものの、昨年に初めてナショナル級のショーケースに参加すると、今年の球速バンプによって一躍上位指名候補に。

ヤンキースは高校生野手だけでなく高校生投手のスカウティングに注力していると言われており、ファストライザーであるウォルターズもレーダーにかかっている模様。

ただ、全体26位での指名ならオーバーピックと言わざるを得ません。

アリゾナ大学にコミット。

FB SL CB FS Cmd
60 50 40 40
FB/be FB/vel SL/vel CB/vel FS/vel
99 94~95 82~83 mid-80s

昨年は常時91~92マイル程度に収まっていたフォーシームが、今年に入ると突如90マイル台後半をコンスタントに計測。スピンレイトは平均を少し上回る程度(約2350rpm)ですが、18 IVBとフラットなムーブメントを見せています。

ただ、投球フォームはストライドが小さくディセプションにも欠けるため、バッターからすればコンタクトを合わせ易いはずで、球速のあるフラットなフォーシームが宝の持ち腐れとなる可能性も。

球速に欠けるスライダーは2600~2700rpmで、複数のタイプを投げるという噂。

第2の変化球であるスプリッターは投球頻度が非常に少なく、現時点では2ピッチで抑えている模様です。

メカニクスがシンプルでリピート性が担保されていることから、将来的なコマンド向上については楽観視を受けているとは言え、全体26位でピックするには些かトラックレコードが不足。


ジョシュ・ノース

Josh Knoth:2005年8月生:185㎝・86kg
右投左打:投手:ニューヨーク州

ドラフト候補生ランキング
メディア 順位
Baseball America 41位
MLB.com 98位
FanGraphs 25位
ESPN 44位
Prospect Live 47位
Joe Doyle
47位
The Athletic 60位

コロナ禍明けから非常に高いスピンレイトが話題となり、球速アップによって昨年一気に評価が上昇。

さらに今年も球威向上の勢いは止まらず、一般的にはCBA~2巡目での指名が見込まれています。

ただ、(ロングアイランド島在住のローカルプレーヤーということもあるのか)ヤンキースはスカウティング部門の幹部を登板試合に送り込んでおり、同じローカルプレーヤーのサミュエル・スタフラの陰で隅に置けない存在に。

ミシシッピ大学にコミットしていますが、噂ではCBA級の契約金(250万ドル程度)を要求している模様で、全体26位指名権(スロットバリュー:306万5000ドル)を持つヤンキースにとってはアンダースロット契約のチャンスと成り得ます。

FB SL CB CH Cmd
55 55 60 35 40
FB/be FB/vel SL/vel CB/vel CH/vel
98 93~94 83~84 78~79 85~86

昨年は最速95~96マイル・常時90~92マイル程度だったフォーシームが、今年に入り最速97~98マイル・常時93~94マイルを計測。

ただ、スピンレイトは2400rpm超と優秀なものの、スピン効率がイマイチなためカタログスペック以上のパフォーマンスは期待できず。

とは言え、彼の魅力は何と言ってもブレーキングボール。

スライダーとカーブは両方とも3000rpmを超え、それぞれを高校最高級やダブルプラスと称するエバリュエーターもいるほど。

個人的には回転方向が6:00寄りの12-6カーブがベストピッチとの印象で、80マイル台前半のスライダーはカーブと大きく差別化されておらず、どちらかと言えばスラーブと称するべきかと。

チェンジアップは両球種と比べ大きく劣っているために投球頻度が低く、カーブとスライダーが似通っているだけに第3の変化球と言えども向上は必須か。

ハイエフォートな投球フォームはリピート性に欠け、ハイスピンな各球種をコマンドするには適さないイメージ。特にセットアップポジションでの一貫性に欠けるメカニクスは懸念材料で、今後プロにてオンランナーで投げる機会が増えることを考えると恐ろしい。

他に取り上げた公称身長6-4~6-5のトーマス・ホワイトブレイク・ウォルターズと比べ体格面で劣っていますが、そもそも本当にノースが6-1もあるのかすら疑問。

まあ、早生まれのため今クラスでも最年少に近いプレーヤーであるわけで、体格面を差し引いてもシーリングの高さは魅力的。